983. 先行感想 - みえるひと 第1譚「イルカはしゃべらない」
今週号の「みえるひと」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。本誌は土曜発売でしたが、連休中にジャンプを読めない人も居るでしょうし控えめに。読みたい方だけ続きをどうぞ。
編集サイドがみえるひとを「New Astorouding Action Series」と銘打った意図は何? ジャンプはこれからそんなシリーズの新連載を組み込んでくの?
読み切りと比較
待望の「みえるひと」連載化。読み切り時に比べ肝の据わった大胆なネーム進行を感じます。連載を意識してのメインキャラ明神&姫之掘り下げや作中設定の説明も、うまく物語に溶け込み違和感なし。画力アップも概ね好感。
ただ、読み切り時にあった驚きの展開は削がれました。これはもう連載を意識する以上、初期段階で人物や設定にスポットを当てる手前、仕方ない妥協点か。個人的には、都会に対する孤独さを引き立てたオネーサンの霊がバッサリ切られたのは悲しい。ミニスカお姉さん成分が足りない。
お姉さん成分の消滅!
そりゃさ、現代の需要が未成熟な女子中高生にあるのは重々分かる。でも、こんな手足痩せっぽちの少女ばっかり目にしてると「もっと健康的な食事を採りなさい!」「もっと丈の長いスカートを穿きなさい!」と親心が芽生え、全く性的劣情が芽生えないから。これはBLEACHの黒崎姉妹でも同じ現象。
ただし、今話は姫之の陰魄を掘り下げただけの事。次週は展開的に見て、陰魄の対称に当たる陽魂のミニスカお姉さん登場は8割方確定(SnowSwallow脳内で)。あわよくばレギュラー昇格は9割5分確定の見通し(SnowSwallow脳内で)。陽魂の作中設定もお姉さん視点でさっくり説明しましょ。
ザッピング進行
主役の二人「明神」と「姫乃」を明示的に表現。序盤のザッピング進行で各々の性格・個性を見せつつ、風呂敷を広げました。幾つかの謎と設定を提示しながらもテンポ良し。視点合流後の小芝居は個人的に不発気味。この手のポップなトークはWJじゃ銀魂やBLEACHが上手すぎて、どうも色褪せます。
シンプルな展開
こちとら読み切り時の先入観があるから、冒頭オジサンのセリフ「うるせーあの子…」は姫乃に対するセリフじゃない! とか見当違いの疑いを掛けたり。オレってば恥ずかしい子! 読み切り時は二つの山場に驚かされましたが今回はバトルでの解決のみ。至極シンプルでした。
バトル描写
流仙蟲が尾をゴムのように捻らせ、その反動で一撃。うーん分かりにくい。戦闘描写の表現不足はムヒョロジ並、D.Graymanの難解さ。やりたいことは分かるんだけど、それを画で表現し切れないもどかしさが惜しい。これは今後の課題か。でも「ちかん 見参!!!」は笑いましたよ。銀魂&BLEACHに負けず、ポップな小ネタはどんどん飛ばして、芸風の成長を楽しみたいです。
WJ的
姫乃なら10回くらい不思議なことあるかもね、ってどこの週刊少年ジャンプ保険だよそれ。精一杯応援しますので、長期連載をよろしくお願いします。
- お寺の話で最低一話
- 少女アズミ(霊)の話で最低一話
読み切りに登場したミニスカお姉さんの話で最低一話- 姫乃の母は物怪(成り代わり? 夢の幻?)
- 良い霊「陽魂」と悪い霊「陰魄」
- 能力レベルは 案内屋>除霊師
- 後の展開で除霊師登場も大いにあり得る
- 陽魂も除霊しようとする未熟な除霊師が登場してトラブル→仲間化とか、ありがち!
- 案内屋は霊を触れられる
おまけ
ジャンプを怖い雑誌だと思わないでくれ。
本作の読感からして、アンケート至上主義の打ち切り宣告とは無縁な作風だけど…。それでもアレの毒牙に掛かったときは、ジャンプを恨まず二作目の連載を期待させてください。