1675. フィナーレ感想 - アイビー編

アイビー編に入った直後、箱舟メンバーが魔法律協会に結集する超展開。ソードマスターヤマトガイドラインに掲載されてもおかしくないよ! そして『吼千峡』はなかったことにされた件。

当初構想していたシナリオを、相当掻き乱された結果だろう。敵も味方も全員が魔法律協会に総結集なんてシチュエーション、西義之先生の作風からは絶対に考えられないのだ。背後には大人の事情を過分に感じる。いやむしろ、ここまで開き直ってるともう、ある種の潔さがあった。

しかしながら、この結集劇が物語展開をアップテンポにした。重ねて述べるが魔法律バトルは『インパクト重視』だ。戦闘が間延びしても、百害あって一利なし。箱舟とバトル続きの現状では、作品の性質から考えても、展開はハイペースになった方が面白い。

事実、本作はアイビー編から急激に身が締まった。箱舟戦のクライマックスに相応しい、怒涛の展開を見せた。アイビー戦はわずか四話。トーマス戦やミック戦では考えられない、良心的なボリューム感だ。久々に登場した五嶺も短期間の活躍ながら、彼本来の魅力は十分に発揮された。

アイビーに関して。鈴の音で悪霊を操作する行為は、はたして『禁魔法律』なのか疑問だった。それはもはや、魔法律というカテゴリから逸脱した『悪霊使い』なのではと。禁魔や家系や箱舟に関係なく、一人の敵として登場していたなら、アイビーは魔法律で裁かれ死ぬこともなかったと思えた。

もちろんアイビーが殺されなきゃ、次のキッド戦に繋がらないことは承知している。しかしアイビーは、この展開ゆえの不幸と感じた。別の展開があったら、彼女は(菜々のように)味方化していたかもなぁ…と。ぼんやり妄想してしまうのだ。

思い出のワンシーン
かつてこれほど気の抜けた必殺技の名前を、オレは見たことがありませんでした。『ケロリパン』ってなんだか愉快な商品みたいですし。

【コミックス13巻 - 第112条『奥の手』】
パケロ「ケロリパン パケリコ」(弾け飛べ 時限魔貝)

か、かわいいじゃねえか、チクショウ…!!