1672. フィナーレ感想 - トロイのベル編

パンジャ編から間髪入れずに続いたミック戦が、無闇に長かった。魔法律書が壊れるイベントだけに三話は使いすぎでは。毒島さんと合流して六氷パートは一時休息。一方のペイジパートで、対イサビ戦が始まる流れ。今回も両パートの並列展開となるが、以前と違って時系列が噛み合わず、妙な感覚を受ける。

イサビ戦は多く見積もって数時間の戦闘だったハズ。六氷たちが毒島事務所で同期間しか休憩できなかったとは考え辛い。魔法律を乱発した六氷は数日間の昏睡に落ちて然るべきで、なんとなく辻褄の合わず、歯がゆく感じた。

全魔法律家に影響を与える『トロイのベル』も、ペイジさんの独断で発令できる設定に大きな違和感がある。わざわざ新ルールの宣言を大胆に演出する必要はあったのか。特殊な契約をすれば今までも「肉体共有による使者のパワーアップ」は行使できた…という後付け設定に留めた方が、よほどマイナス評価を抑えられたのでは。

そしてまた、この新ルールはアリなのかという疑念も。「血肉を捧げる契約」で使者をパワーアップさせる設定は、どうも禁魔法律家のスタンスに歩み寄った手法に思えてならない。魂を削っての強化対象が、禁魔法律家なら『自分自身』か、魔法律家なら『使者(魔法律家)』かの違いでしかないのでは、と。読者の思想や倫理観に委ねられると思うが、個人的にはこの肉体契約、「あまり潔白ではない」と評価した。

思い出のワンシーン
多くは語らずともよいでしょう。第84条『トロイのベル』感想の冒頭にまとめた、今週のダイジェストです。

【コミックス10巻 - 第84条『トロイのベル』】
布団へ潜り込んだ梅吉を、優しく撫で回す草野。梅吉は堪らず「ウッ」と喘いだ後、大きくムクムクと膨張しはじめる。大きくなった彼は、己の姿を恥じらい「これがワシの 本当の姿じゃぁ…!!」と正体を明かす。

「何言ってんのさ! 梅吉君は梅吉君だよ!」と、梅吉の所有物の先端を、セクシーな指先で握り返した。そうしながら草野は、「変身したときはびっくりしたけどね〜」と本音を漏らす。

「行ってくるぞい」と伝え、スタンバイし、中へ入る梅吉。狭すぎる筒の中で締め付けられ、ついに梅吉が発射した。そして六氷はニヤリほくそ笑む。梅吉のタイミングに合わせ、なんと六氷もそれを発射したのだった。

『四谷先生の大冒険』で異種間交流(性的な意味で)を描いた西先生です。ここも絶対に狙って描いていたんだと、オレは信じて疑いません!