1666. フィナーレ感想 - 魔監獄編

想像を絶する長丁場となった超長編。先の協会編に続き「四人パーティ構成」が定例化する。今編は六氷、草野と優&リオ先生。『魔監獄』という舞台で、『魔具師』と『魔具』を丁寧に紐解き、ファンタジー設定が本格的に深堀された。

本編は(起)草野がスランプに陥った状況から、(承)訳が判らず迷走し、(転)原因を突き止め、(結)才能を再起するまでの裏構成を持つ。この合わせて、物語の「危機」と「好機」が一致している。「草野の感情移入」と「物語展開の起伏」が、読者の感情レベルでシンクロする構成力の高さは絶賛に値する。

ここに、顔剥ぎソフィーが誰に「なりかわり」したか分からず疑心暗鬼に捜索するホラーミステリ仕立てが加わる。その実、真犯人はリオ先生という大転覆の超展開。大人気キャラ・フェニックス今井さんも輩出するなど、この頃の西先生は輝いていた…!

それだけに、(結)才能の再起を描き終えたリオ戦後、円参戦の展開は冗長だった。特にファンでもない一般読者ならなおさら、前の展開を忘れ、飽き生じて、興味を失う。一つの事件を長引かせても悪循環になるばかり。モチベーションを保てなくなるため、長すぎるのは問題だ。(この感想も!)


思い出のワンシーン
物語展開とは別の部分で、一際目を引いたシーンがこちらでした。

【コミックス5巻 - 第33条『賭け』】
棒切れ

草野の棒切れがへし折られちゃう!