1665. フィナーレ感想 - 夜の蝶編

人間・四谷先生と悪霊・平田斬鉄の交流を描いた中編。人相的には人間と悪霊の立場が逆だけど…。ここまで善良的な自我を保った悪霊は、全編通しても存在せず珍しい部類。今編はバトルもなく、完全に『人間描写』メインとなった。

西先生は『人間描写』が得意なんだから、下手なバトルは描かなくていいんだよ…とつくづく思わされる。斬鉄の過去を題材にした『夜の蝶』の下地も、古風で澄み透った純愛が切なくてよし。ダメダメな童貞作家・四谷先生が、最後に見せる作家根性もオトコマエです。

こういう話を多く残していたら、ムヒョロジの評価も変わってただろうなと、つくづく思う。ジャンプはバトルしなきゃ、地味になってアンケート取れないもすごく分かるだけに、たらればで総評したって仕方ないんだけども。いっそジャンプから離れ、アフタヌーンあたりで描いた方が安定するのでは。

夜の長編で重罪「なりかわり」を紹介するに留め、次の魔監獄編に繋がるという構成力は、高く評価したいところ。この繋がってる感は、読者としても次の話に入りやすくなる。


思い出のワンシーン
安定軌道に乗ったジャンプマンガは、定番のイベントとして「海」や「プール」や「温泉」に向かいます。必然的に登場人物の露出度が高まるわけで、ファンサービスになるんですよね。今編でも、当時・ヒロイン扱いだった菜々を強引に引き連れて、温泉に駆り出しました。その結果↓

【コミックス3巻 - 第17条『四谷先生』】
ファンサービス

はい、皆さん声を揃えて、せーの! 「 気 が 狂 っ と る !」

そりゃそうだよね! ヒロインは草野だもんね! ファンサービスだもんね! うん、間違ってる!!