1348. 第07回 - 妻の覚悟

国政よりも家内のドタバタ劇に時間を要する功名が辻。世界観を狭めた方が視聴者も感情移入しやすいので、この路線は非常に良いと思います。今週の脚本も素敵でした。

夫がいつ帰ってきても、好物のなすびを食べられるよう畑仕事に勤しむふね(熊谷真実)。「功名が辻」が一番描きたいのは、ふねや千代(仲間由紀恵)のような妻が内功に励む姿でしょう。今の世も「尽くしたい女性」は大勢居ると思います。しかし実状は、「尽くすに値する男性」が見つからないのでしょうね。そう考えれば、一豊(上川隆也)や新右衛門(前田吟)がいかに男前であったか。尽くすに値する夫であったか。その辺を改めて思い知らされます。

このドラマは、「妻が内功に励む姿」を見て今の女性に価値観を見直させるお説教ドラマではない。むしろ男性側に反省を促すメッセージ性を秘めているのかも。…などと思いながら、ふねのなすびを眺めていました。

  • 家内のドタバタ劇から、千代が明智光秀坂東三津五郎)の三女・玉(今泉野乃香)と出会う。
  • なんて強引な伏線の張り方だ。
  • 「友に天下を取ろうぞ、義兄弟ゆえ!」信長は長政に義を求めましたが、声にドスが効き過ぎて半ば脅迫でした。
  • 信長の脅迫に震え上がった(偏見)長政くんは、信長暗殺を企てる父・久政(山本圭)を説得した。
  • 市から全く相手にされない藤吉郎(柄本明)。お市に恋を募らせる藤吉郎の心情を汲むと、すごく切ない。
  • 市(大地真央)は山内一豊を呼び出し、千代に打ち掛けを作るよう遣わせた。
  • 千代を偉大な人物に仕立てあげるこの脚本。こうまで千代贔屓ではご都合主義に感じます。
  • 市と一豊のやり取りを観察するストーカー・六平太。にょきっと現れる六平太がツボ。
  • 京に上るまでの戦シーンは10秒で終了。予算がないだけに、潔くてよし!
  • 僅か三話で死んだふね。人間味が出ていたので、死に重みがありました。家族愛でお涙頂戴はズルイよ。
  • 乱暴者の徳次郎(ささの堅太)を説得し改心するまでを、丸一話費やし丁寧に描いた今週の脚本は偉い!
  • それだけにラスト、徳次郎「父上、行ってらっしゃいませ!」が際立ちました。なんて爽やかドラマ。
  • 吉兵衛(武田鉄矢)が徳次郎に説教する場面は、思わず金八先生ぇ〜〜!!」と叫んだ。
  • 新右衛門、新一郎(浜田学)、一豊に「死んではなりませぬ。それがふねと、この千代の願いです」と告げた。
  • 名前を呼ばれない吉兵衛が惨めすぎる。