1044. 第33回 - 弁慶走る

三種の神器奪還を巡って
義経滝沢秀明)が三種の神器を取り逃がしたことに、梶原景時中尾彬)は責め立てる。早期に水軍を用意できず参戦できなかった自分を棚に上げ、義経だけを責めてもなあ…。シナリオ的には義経を悲劇の人に仕立て上げたいんだけど、それに至るやり方は強引な気がする。景時の好感度がどんどん下がってくよ。

三種の神器を奪還できなかったことに、後白河法皇平幹二朗)は意外にも寛容な反応。「義経が手元にあれば心強い」と絶賛ばかりです。誰か法皇様の誤解を招くセリフ集とか作って頂けませんか? 語録は相当数挙がってる気がします…。

鎌倉の反応は法皇様より若干渋い。「義経の勝ち戦と言い切れるか」と政子。頼朝(中井貴一)は神器の行方よりも、義経と範頼(石原良純)の戦行方ばかりが気がかり。神器や帝はどうでもよく、ただ平家潰しと鎌倉の反映だけに目を配ってる。彼は徹底的に武家気質ですね。ところで政子様、政に口出し無用と言われても戦の雑談はOKらしい。


平家の軍儀

  • この後は知盛の領土。宗盛坊ちゃんは、土地に明るい知盛を総大将に命じた。
  • 熊野水軍まで数に入れたり、裏切られることを念頭に置かなかったり、なんてポジティブシンキングな軍儀
  • 前回は裏切られて痛い目見たのに、全く反省が見られません…。


熊野水軍説得へ
平家の水軍に太刀打ちすべく、熊野水軍を味方に取り入れる話が持ち上がる。ところで序盤から弁慶の思い悩む姿がくどいくらい映っていたので、逆に興が冷めてしまった…。伊勢三郎南原清隆)は敵の説得に長けると郎党からも評判。これに嫉妬して弁慶、カニに負けじと説得に立候補。

ここで「策は無い」と明言するも、実はとんでもない逆転策を持ってました。先週は無策のカニが「策ならございます」と言ってみたり、義経の郎等達はどこまで天の邪鬼やねん!

「継信に成り代わり、なんとしても!」と弁慶の真剣な意気込みに、義経達は心を打たれました。「私はもう、郎党を失いたくないぞ」義経の本音が心に染みます。視聴者も同じ思いですよ。


弁慶の説得
弁慶が熊野水軍の長・別当湛増原田芳雄)の屋敷に到着。先週のカニと同じパターンで説得すると思いきや、やっぱり弁慶は荒くれ者でした。彼がファンタジーに強すぎ、湛増の部下達が可哀想すぎます。「こちらが下手に出ているというのに……理不尽なり!」って、弁慶の強さの方がよっぽど理不尽だ。

弁慶の分身とバトル? は、突拍子無さ過ぎて意味不明…。彼は分身じゃなく「弁慶に似た人」だった訳か。弁慶みたいな怪物が世に二人も居て良いのか! 「泣き所」で撃退したのは、笑うポイントなの? このシーンは完全に白けました。

平家に恩がある湛増に、「義経もかつては平清盛を父と思いながら、天下安寧のため戦っている」と説得したのは上手い。義経の側で心中を見守り続けていた弁慶が語ったからこそ、説得力が滲み出ます。湛増もこの説得があったから、最終的に平家ではなく義経へ肩入れする決意を固めたんだと思います。

しかし、千鳥(中島知子)の伏線がまさかこんな場面で効いてくるとは恐れ入った。どこが策無しだ。バリバリ策有りですよ弁慶さん! 千鳥の婿と笑顔で語る弁慶は、以前の女嫌いな彼からするとずいぶん成長しましたね。そして千鳥がふとももをチラチラさせすぎて、目のやり場に困った。こうなると、千鳥の配役がどうして中島知子なのか悔やみきれぬ!!

なぜ後藤真希稲森いずみ石原さとみが千鳥を演じなかったのか。くっ…悔しいっ!


今週のやりたい放題義経くん

  • 「時には無謀も策略の内」と語った義経くん。君のやってる戦は毎回無謀だ。
  • 大魔法使い義経くん、なんとカモメの声さえ訳せました。
  • そもそも、弁慶とどうやって合流するか何の打ち合わせもなかった不審点を、郎党達は一人くらい気付くべきだ。