1038. 第32回 - 屋島の合戦

今週は親戚一同の宴会中にこっそり見てたもので、あまり集中してみられませんでした。チャンバラ劇中心だったのが救い。重要な見せ場も多かったので、数点だけ言及します。


殺陣と弓
義経滝沢秀明)や郎党らの殺陣は個々に決め絵があり、確かに格好良かった。しかし、全員の見せ場を連続的に流しすぎ、斬り合いの映像には正直飽きてしまった。対して那須与一今井翼)の一矢は、じっくり間を持たせ弓独特の緊張感を演出できていた。

ただ、間の演出に扇子と海と空ばかりが映っていたのは残念。他の面々がどのような表情で事を見守っていたか、色々な映像を混ぜればもっと新鮮味が出て良かったんだけど…。


那須与一
謙虚な姿勢で冷静に状況を窺ったという理由から、与一を射手に抜擢。ま、義経なら魔法風水で風向きを追い風に変え、魔法風水で波すらも止め、魔法風水で矢が扇子と能子を爆散させた事でしょう。それに比べりゃ与一の弓芸なんてごくごく一般人レベル!

一般人レベルの与一を起用したからこそ、能子は生き長らえたのですね。佐藤継信宮内敦士)は死ぬ直前までナイス進言。ここのエピソードは古典の授業で一通り習ったものだから、こうした映像化は感慨深いです。扇子を立てた人が義経の妹だった訳ね、へえー。


能子
与一に扇子を射落とされた後、見つめ合う能子と義経の切なさが良かった。能子は相手が兄だと分かってる。血を分けた兄をここで初めて目の当たりにし*1、想像だにしなかった感動が押し寄せたのか涙を流す。だけど義経はなーんにも知らない訳で、船の上の女性の様子を訝しげに見入るしかない。

もしくは義経魔法直感で「もしかすると彼女が能子なのかも…」と勘付いたかも知れない。そう想像するも納得できる映像作りにはなっていた。今後の展開を考えると、ここで義経が能子と悟る可能性は少ないが、「あの時の女性が妹だったのか」的な演出は十分あり得る。

どちらにしろ、この場面で義経悟りすぎた表情を浮かべているのは、かなり不味いと感じた。


伊勢三郎
今話、影の主役といえよう、地味に活躍した伊勢三郎南原清隆)。

陽気な笑顔で田口教能(新井康弘)に接近。あれだけ自信満々に説得できると豪語したのだから「カニは田口と旧知の仲」とか「四国はカニの古巣だった」とか何らかの根拠か隠し種が用意されると思っていたのだが、本当に全くの無策だったのは、悪いけどビールを吹いたよ。田口さんと会う前に斬られたらどうするつもりだ! 巧みな説得術も何もないぞ。


佐藤継信
継信(宮内敦士)の最後は、きたよこれ。正直、親戚一同の宴会中じゃなく、ここは一人だけでじっくり見入りたかった。確かに継信は最後の言葉が長すぎ!とも思ったけど、その胡散臭さを十分かき消すほどの感動量はあった。弟・忠信(海東健)に「自分の言葉は親方様の言葉と思え」と後を任せた演出がまず良かった。奥州の余韻を出しつつ、ここでの兄のセリフは忠信イベントの新フラグになってるぽい?

弁慶(松平健)ら郎党の名前を個々に挙げる場面では、ここで喜三太(伊藤淳史)の名前が思い出せなかったらどうしようかと、とても心配でした。それからクマの名前を呼び忘れたりね。

いつも別れ際は無口で薄情者義経も、このときばかりは気を利かせて「私についてこい」とリップサービスしてくれてね。視聴者としても、義経がこの場面でどんな反応するかおっかなびっくり観てたものだから、たまには良いセリフ決めるやん! と安心しました。一人で観てたら泣いてたかも?

*1:多分そうでしたよね?