563. 第47回 - 再会(本編感想)

捨て駒にされる新選組。負けを承知で戦に臨む甲府。大砲の使い方も分からない鎮撫隊。訪れぬ菜葉隊。大きく心離れる隊士達。変わってしまった近藤さん。雨に濡れる誠の旗は、終わりを告げるかのような演出。

ひたすら暗い。

今回は数々の「再会」にスポットを当てて感想を書いてみる。

勝海舟山岡鉄舟(旧名鉄太郎)との再会
 龍馬、清河、佐々木がこの世を去り悔やむ近藤と山岡に対し、勝海舟は「死んだらなんにもならん」と一蹴。その勝さんが近藤に死に場所を与える辺り、深い演出になってる。新選組と近藤に疎ましさを抱く勝と、それを悟って任務を承知する近藤。勝さんが悪役になりすぎず、最後には泣きを入れるあたりも憎いなあ。山岡さんの「ろ、ろまんち…?」がかわいかった。
多摩の人々との再会
 久々の多摩とあっては、多摩編の頃に登場した人物達が続々登場。宴のシーンは明るく見えるが「これから負け戦に向かう」という背景も背負っており、全体的に空気が重い。近藤も土方の笑顔もどこか不自然。劇中でも近藤さんが述べていましたが、彼らはあの頃からずっと遠くに来すぎてしまったんですね。
沖田兄妹の再会
 こちらもひたすら暗い。隊士に多くの犠牲者が出たことを改めて思い起こさせる。平助や源さんについても、ようやく言及。そして、一連の会話より総司と死のイメージの結びつきを濃くしている。底なしの明るさを持つみつさんさえも、最後には涙。
黒髪うちわとの再会
 松平様と近藤さんの同志の誓い。で、殿が宝物にしていた壬生大相撲のうちわ(第22回より)のパチモノ伏線が、こんなところで使われる! なんであの場に魁さんが居るのかと思ったら、このための演出だったのか。
土方とお琴の再会
 土方の思惑は外れ玉砕。それどころかお琴は土方を憎み、それ以上に新選組の行いを罵声する。これには土方も深く傷付いたのか、すっかり気落ちして近藤さんに慰めてもらう…。「俺達はただ、時代を引っかき回しただけじゃねぇのか?」という土方の迷いに、近藤さんは自分が信じたことをやってきたのだと、毅然と答える。でもこれ、答えになってないよね…。事実と客観性の質問に対し、気持ちと主観の回答になってるし。別れ際のお琴さんの切ない表情が苦しかった。大人だ。
唯一の光は
 最後の最後、斎藤一の熱演が唯一、新選組!に一筋の希望を見せました。今までクールで一匹狼だった彼が、激情しあそこまで熱く怒鳴り上げるとは。熱いぞ! 激しいぞ! そして我に返って照れくさそうに恥ずかしがってるぞ!(今話最大の萌えポイント) 誠の旗を担ぎ、近藤さんと隊士達に気合いを入れ直したあの演出には、とても痺れるものがありました。

永倉さんの隊を離れる理由もこれ以上ない綺麗さ。佐之助の「楽しさの中に生きる」という姿勢もよーく理解できる。斉藤や魁さんは、最後まで裏切らずに新選組に尽くすという人物像を、今週は上手く表現されていました。

沖田、永倉、佐之助は、これで近藤さんと今生の別れになりました。喧嘩別れは、あまりにも寂しすぎる…。けど、これ以上綺麗なシナリオもないので納得するしかないか。別れは切ないですが、永倉&佐之助は次週もちゃっかりと出てきます。余り気落ちせず最後まで見てみたいと思います。

さて、新選組最終回前夜の12/11放送『スマステ』は、新選組!の隊士大集合。キャストにオダギリジョーだけが居ない…泣きそう。その他のメインキャストは多分勢揃いするそうで、三谷さんも登場するそうで、これは絶対絶対ぜーったいに、見なくてはなりませんっ!