394. aiko - 花風

花風

すっかり感想が遅れてしまったaiko新曲の「花風」。日本テレビ系野球中継「THE LIVE 2004」のイメージソングで、ラジオでもよく流れていますね。耳に入っている方も多いでしょう。

aikoの楽曲と言えば乙女が恋するような一直線恋愛の歌詞と、この歌詞を爽やかに独創的に歌い上げる歌唱力でしょうか。更には、メロラインがぐねぐねとキレよく曲がりまくるのに、楽曲の安定感が崩れない。aikoは自分の売りとなる色をしっかり理解できています。そしてその色は、なかなか他者に真似できません。売れ続けるシンガーソングライター「ぬるい歌姫」の背景には、そうした理由があるんでしょうね。

新曲「花風」はアップテンポな恋の歌。歌詞は切ないですが、曲はテンポ良くて爽やかな夏を感じさせます。

特にこの曲、リズム感が特徴的なんですよ。序盤ゆったり流れるテンポが、徐々にですがアップリズムに移行していくんです。スピード感がぐんぐん高まっていくような展開で、オレはかなり好き。歌詞と合わせて聞けば、好きな感情がどんどん高まってゆく調子、とでも表しましょうか。聴いてるうちに身体が揺れてしまうというか、心を弾ませられます。ライブで歌えば間違いなく勢いノります。

曲調はaikoの芸風そのままで、ここは真っ向勝負。テンポ感だけは斬新なのですが、曲調にはaikoワールドが溢れいつもの雰囲気を持っています。aiko好きな人ならこの曲は間違いなく好きな部類に入るはず。季節感に夏を感じさせるのは、ギターとスネアドラムのリズム刻みが細かいからか。勉強になります。

歌詞の方が、これまた乙女が恋しちゃってる。

ところで昨晩、彼女さんに「乙女の定義」とは何かを尋ねられ、「憧れの王子様とのキス(唇接触のみ)を妄想するだけで濡らす子」が乙女だと自信たっぷりに答えたのですよ。キス妄想だけで濡れなくなった、もしくはキスはおろか次々に進展を妄想しちゃう方々は、残念ながら(?)乙女卒業です。色々知っちゃったんですね、あなたはもう立派な大人の女性。……大不評でした。さすが理系男の妄想力(参考:港区赤坂四畳半社長:理系の男はなぜモテないのか)だ。あながち間違ってないと思うんだけどな。

脱線しました。

で、この曲はまあ、上のような感じの乙女です。

生まれ変わってもあなたを見つける
雨が止んで 晴れる様に

とか、

見えなくても 声が聞けなくても
過ごした月日が二人を繋ぐの

とか、

手のひらに落ちた 奇跡の様な恋を
離さないで 汚さないで

とか。ね? ね? 乙女でしょ? キス妄想で濡らs(略

最後に余談。ラジオで初めてこの曲が紹介された時、「鼻風邪」だと思っちゃってました。なんて奇抜なタイトルだ! 『夏だから夏風邪をこじらせて?』脳内妄想を膨らませていたのですが…。なーんだ花風だったのか。オレって相当に馬鹿恥ずかしいヤツだったんだな。