1778. 週刊少年ジャンプ06・07号 - バクマン。 20ページ『未来と階段』

社会人になって今が一番忙しい! ピーク! 残業代だけで給料が倍額に近まる! ってくらい激務の毎日。とりあえず1月は、誕生日の31日だけでもお休みが欲しい…。それ以外のオレは馬車馬。年末年始はたっぷり休めたから苦じゃないですけども。

1日10分ずつ文章を書き足して、10日で完成したのが今回の感想です。今回は合併号に救われたけど、次週からの感想は大ピンチですよ。あーあ、「ぼっけさん」も毎週書きたいのになあ。弱ったなぁ…。


今話の要点

  • 亜豆が『早乙女寺レイカ』役で声優デビュー。TVにも映るが笑顔はなかった。
  • 可愛い女の子が掛けないと悩む最高だが、亜豆を落書きしたら可愛く描ける新発見。
  • 新たなネームは、天使が題材の王道マンガ『私の天使』。
  • 秋人は服部担当の助言を忠実に再現したが、意外性が足りなかった。
  • 「マンガ家は編集の上をいかなければならない」
  • 赤マルは愚か、金未来杯のエントリーも叶わず、途方に暮れる二人。
  • 弱きになりつつも、ジャンプの売れ線は『王道』と志しは揺るがず。
  • 編集部には着実に亜城木を応援する支持者が根ざしていた。


ポイント考察 - 「勉強ができる人」と「頭がいい人」論
服部編集のアドバイスを忠実になぞった結果、テンプレの王道ファンタジを創作してしまった秋人でした。服部さんと秋人の今回のやり取りを見て、オレは「1723. 先行感想 - バクマン。 2ページ『馬鹿と利口』」で話題を思い出したんですよ。

つまり、学んだことを忠実に再現する「テストで100点満点を狙う人」が前者の秋人だと感じたわけです。この場合、敢えて対比者を立てるなら「頭のいい人」タイプはエイジ。安っぽい言葉で言い表せば『秀才と天才の差』というやつでしょう。

服部「王道のバトルものに必要だといったもの全部取り入れてる それも自然に…」


一度聞きかじっただけのアドバイスに、こうまで併せてきた彼の博学多才ぶりは高評価したいポイントです。秋人とは相性の悪い『王道』路線で、服部担当にここまで言わしめたのは見事。きっと学校の授業や資格試験は、「こっちの才能」がモノを言う世界なんですよね。言うなれば「適応力の高さ」か。

服部「人には注文できない 人には真似できないものを自分で生み出せたら完璧」


一方、模範や拠り所がなくとも、道なき道を切り開いて独走するのがエイジのような人。前者は「物知り」で「引き出しがたくさんある」から応用力で100点に近づく人。対する後者は、無から有を生み出す、独創性に溢れた人。真の意味でどちらが『プロ』か問われれば、誰にも真似のできない後者が『プロ』と思えます。…商売人としての意味は置いておくとして。


ポイント考察 - 服部さんの親心
断絶予告以後、服部さんからの風当たりは厳しくなるかと思いきや。その後の彼の言動は意外にも、最高や秋人を評価する言動が目立ちます。「仕事人」としての服部さんは、亜城木の作品をキチンと評価しているのが見透けますし、意地になって不適切なアドバイスや罵声を飛ばしたりもしません。どんな発言も公平に思えます。(人間としては出来すぎだけども)

そんな服部さんに対し、現状、最高や秋人は高ポイントを積み重ねていると感じます。最初は「全然ダメ」、前回は「大きく改善」、今回は「模範解答としては上出来」。こうしてワンステップずつ刻み、着実な成長を読ませてくれるから、次回も期待してしまいます。この調子で評価を積み重ねれば、真に「実力」だけで服部さんをねじ伏せ、説得してしまうんじゃないかなと感じるほどです。

ところで今回、一連のエピソードを経て、服部さんへの好感度が急上昇中です。「半年で『王道』を描けなきゃ断絶」と予告した彼ですが、その後のフォローアップは完璧です。単純に自分の思い通りにいかず「カチンときて感情的な発言をした」のではない、服部さんなりの信念や思慮を垣間見た気もするんです。

時には担当という役割を逸脱し、まるで保護者の視点から二人を「気遣う」素振りも、読んでいて嬉しくなります。ああ、集英社の編集部は理屈やビジネスだけじゃなくって、マンガ家と人情でも接してるんだなあ…って清々しい気持ちになれました。

そりゃもちろん、これはマンガの中の創作だし、一言に編集部といっても個々の担当者によって個性は大きく異なるでしょう。ですが、可能な限り『本物の週刊少年ジャンプ並列世界』を飾り、漫画家になるまでのプロセスを再現しようと努力しているのが『バクマン。』という作品の本質です。

全くの嘘じゃない。むしろ、大場先生や小畑先生の実経験や類似エピソードを探してネームにしているだろうと思えてなりません。ですから、服部さんや編集部の「厳しくも優しい」精神には、父性的なあたたかみを覚えます。そしてまた、こんな人がリアルで編集部に在席していて欲しいな、と信じたくもなります。

俺のイメージする「理想の父親」像で語ると。息子が「自分の理想とは異なる夢」を目指しても、息子が真に「やりたいこと」を目指すなら、最後には許してやろうという気持ちになるモノです。服部さんは、そういった立ち位置に半分足をツッコミながらも、もう半分の足は「担当編集」という身分を固持し、ビジネスとして最高や秋人を見守ります。

半分は親父、もう半分は担当。これ、大場先生の狙いなのか分かりませんが、この絶妙なバランス感覚は正直たまららんわあ! と思っちゃいます。


ポイント考察 - 亜豆の「笑わない」理由
亜豆も声優として正式にデビューし、一つの節目を迎えました。いつか亜豆が最高のメッセージに泣いた理由を後々明かした時ように、今回の亜豆が「笑わない」理由も明かされるのでしょう。

最高が指摘した通り、最前列に居られない「悔しさ」「恥ずかしさ」が理由で、笑顔になれる気分じゃなかったという線が正解に近い気もします。あるいは、声優を目指してるのにアイドルみたいな売り出され方が気に食わないとか。いずれにしろ、プロ根性としては本物だと思いますけど、でもプロとしては失格ですよね。TVに映ってるのに笑顔じゃないことがプロじゃないです。デビューしたてほやほやで、若いから許されることなのかもしんない。

ここまで予想しておいて、実は亜豆の笑わない理由が「プロデューサ(?)のエロジジイ・二宮さんに言いつけられて、下半身にピンクロータリーとかバイブルとか仕込まされてた」とか。とってもリアル!


今週のバクダン
主人公は背中からバットを取り出すんですが、一打席は不振に終わり、二打席目で大ヒットするんですよ。三打席目以後の話はしないであげて!


前回の予想結果
前回の予想を清算

  • 最高 … 可愛いヒロインを描く練習(ヘタッピマンガ研究所Rみたいな流れ…)
  • 秋人 … 泣けるエピソードを研究
  • エイジ … アシスタントとの連係プレイに四苦八苦。でもすぐ慣れちゃう。
  • 亜豆 … 二宮さんのエロ攻撃を難なく回避、逆に手玉に取ったりしちゃう。
  • 香耶 … 秋人を泣かせる。暴力で。

上から○、×、△、×、×と。亜城木は予想以上に進展し、逆にエイジはアッサリスルーされたなあ。亜豆はピンクロータリー攻撃を受けて笑えなくなってるんです多分。香耶はむしろ自分が泣きそうになってた。彼女にもやり甲斐のあるモノが見つかるといいね。(というのはお節介か)


次回予想
次回は何やってるだろかなー。

  • 最高 … 「他の誰にも注文できない、真似できない」がキーワード。己の独創性を磨く修行。
  • 秋人 … 王道テンプレを使いつつ、奇想天外なネームに挑む。キャラの意外性で攻めたり。
  • エイジ … 新連載が高い評価を得たと報告を受けるが、その反応は「ふーん」みたいな。
  • 亜豆 … 二宮さんが急接近する。今度こそ! エロ攻撃を!
  • 香耶 … 最高や秋人がより一層ホンキになってるのを垣間見て、ますます孤立しちゃう。

現状、香耶の動向が最も不透明。ここまで「やり甲斐がない」エピソードを引っ張るって事は、香耶の今後に何かしら展開があることを暗示してるハズなんだけどなあ。モデルのバイトとか始めて、それが本職になって、業界入りして亜豆とコラボったりするとか?


残存するキーポイント
以下、これまでの感想で予想した内容をまとめてます。

  • [高][19-] 最高と秋人は「実力」で服部さんを認めさせる。
  • [高][12-] 美保は少年誌あたりで水着グラビアを飾り、ブレイクする。
  • [高][12-] グラビアのブレイクを逆手に取り、事務所へ声優路線の意向を強気に示す。
  • [中][19-] 二宮さんが美保にエロ攻撃! そして緊急回避! さらにカウンターアタック
  • [中][16-] 編集部の意向を味方に服部担当の信念を押し切り、亜城木の連載が決定する。
  • [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する。
  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手し続ける。
  • [中][09-] エイジと最高の評価に並び、エイジのプライドが傷つく。
  • [中][09-] エイジは最高のマンガを打ち切りに指名する。
  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう。
  • [低][18-] あくまで王道マンガの道を目指し、最高達は服部担当と決別する。


これまでのバクマン。感想