1775. 週刊少年ジャンプ03号 - バクマン。 18ページ『ライバルと友達』

本編の絵より模写絵に目を奪われてしまう回。

今話の要点

  • 持ち込んだ王道ネームは「面白くない」と服部担当にバッサリ。
  • 編集部内にも「新妻より亜城木派」を明言する担当が出現。
  • 新連載に穴を開けそうな新妻エイジ。前代未聞!
  • アシスタントと連携して、64ページを5日で描けると語るエイジ。
  • エイジ・最高・秋人の初対面。いやに好意的なエイジ。引き気味の亜城木。
  • 最高と秋人はエイジのネーム作りを目の当たりにして驚愕する。
  • 編集長責任で『YELLOW HIT』の連載を撤回し、『CROW』で連載決定。
  • 半年で納得いく王道が描けなければ担当から外れると、服部さんが宣言。

ポイント考察 - エイジが『CROW』にこだわった意図は

エイジが『CROW』の連載に拘った理由は、「CROWを描きたい気分だから」だったのでしょうか。彼の性格からすると、その線でも割かし納得感はあります。少なくともオレは、先週までそんな風に捉えていました。ですが今話、エイジが見せた二点の挙動から、『CROW』の連載に拘ったのは意地やプライドがあったように取れました。

  • タクシーで担当に怒鳴られて、普通に狼狽えたこと
  • 『この世は金と知恵』の方が面白かったと、素直に負けを認めたこと

一点目は、エイジが意外と高校生的な(子供的な)感覚を持っていたこと。彼の感性は一般人のそれとは乖離しており、浮世離れしていると思っていました。ところが、大人に叱られればしょんぼりするような一面も覗えました。そこに、新妻エイジといえど素の部分は高校生』と感じられたのです。

振り返ってみると、彼は担当さんにもガンバって敬語を使ってましたよね。エイジだって「大人の世界」に多少の遠慮を持ち合わせているのです。とすると、独断で『CROW』を執筆したことも、もしかすると編集部や担当へ多少なり罪の意識を抱きつつの行為だったのではと勘繰ってしまいます。

それでもなお『CROW』の連載を断行した理由には、彼の自己評価で『CROW』が『この世は金と知恵』に勝てなかった悔いの気持ちらしきものがあったのかもしれない…なんて、勝手ながら妄想してしまいました。連載版『CROW』で亜城木を超えてみせると、彼なりのリベンジ魂が揺さぶられたのかなぁと。

ポイント考察 - 続・もうひとりの主人公
先週の感想で「エイジは亜城木と直接関係を持たないことで裏主人公のポジションに収まった」なんて言った直後の週に、この展開。この逆走感想っぷりもある意味すごい…。というわけで、先週の感想の裏返しになりますが、エイジが亜城木と接触したことで晴れて「ライバルキャラ」に格上げ(格下げ?)されました。

いつかの感想で言及しましたが、エイジと最高たちは「最初こそ良好な関係が、何かをキッカケに激しい恨みを買う→打ち切り権発動」という展開を個人的には期待していました。今話はまさにその道筋の第一歩! と思えた反面、最高と秋人は敵対心剥き出しで、やや意外でした。つくづく思うのですが、最高達のリアクションて毎度、ジャンプの主人公らしくない反応を示すなあ…と。

この場合、ライバルとの初対面をして好意的に接するのが主人公、険悪的に接するのが好敵手の役割でしょう。エイジと亜城木は今回もまた、主人公と好敵手の役割が逆転してますよね。もちろん今回のケースは、エイジの天然・天才性に対比させる意味で、最高たちの「計算高さ」を強調した演出だったとも取れます。


ポイント考察 - 6ヶ月の修行期間
「6ヶ月で強くなれ!」「「はい」」 → 鉄板のジャンプテンプレートきたわあ。最後のコマを見て、不意にドラゴンボールを思い出しましたよ。亀仙人の元で悟空とクリリンが修行し始めるシーンを彷彿とさせるほど強烈なジャンプ展開!

さて、最高と秋人の本格的な修行編。服部さん(大場先生)の言葉を素直に受け止めれば、この後の展開は「6ヶ月まるまる修行編」となります。あるいは、読者のそのような思い込みを逆手に取って、6ヶ月という提示をブラフに「3ヶ月で服部さんを納得させた!」と、めざましい成長を表現する可能性も高いと見受けます。

  1. めざましい成長で短期間に服部さんを納得させる
  2. 丸々6ヶ月を要して服部さんを納得させる
  3. 服部さんは納得せず邪道マンガ路線へ戻る
  4. 服部さんは納得せず担当から外れる
  5. 別の大きな要員によって、この約束はうやむやになる

可能性を洗い出してみると、1、2、4は同程度の可能性があるように思えます。今さら亜城木が邪道路線に戻るのは考えられないので、最悪「服部さんと決別」の展開も視野に入れて起きたいところです。



今週のバクダン
今週の秋人の絵柄、デスノ時代のタッチへ戻してきましたね。ものすごく月を思い出しました!


次回予想
損得勘定や時間経過に要する話数など、体裁の話は置いておき、どの展開が最も衝撃的か考えると、それは「(4) 服部さんは納得せず担当から外れる」ケースです。まさかこのタイミングで担当が代わるとか、普通考え付きません。だからこそ、敢えてその展開を予想・期待してみたいです。


残存するキーポイント
以下、これまでの感想で予想した内容をまとめてます。

  • [高][12-] 美保は少年誌あたりで水着グラビアを飾り、ブレイクする。
  • [高][12-] グラビアのブレイクを逆手に取り、事務所へ声優路線の意向を強気に示す。
  • [中][16-] 編集部の意向を味方に服部担当の反対を押し切り、亜城木の連載が決定する。
  • [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する。
  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手し続ける。
  • [中][09-] エイジと最高の評価に並び、エイジのプライドが傷つく。
  • [中][09-] エイジは最高のマンガを打ち切りに指名する。
  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう。
  • [低][18-] あくまで王道マンガの道を目指し、最高達は服部担当と決別する。


これまでのバクマン。感想