1773. 週刊少年ジャンプ01号 - バクマン。 16ページ『速報と本ちゃん』
いろんな結果が出ましたので、答え合わせと次期展開を予想する回。
- エイジvs亜城木! 内容と絵の一体感は互角だが、画力はエイジが勝る。
- 王道は票割れするが、邪道は被る作品がなく有利…と、服部さんは読んだ。
- おじさんは1位のアンケートだけ取ったことがなかった。
- アンケート集計は「速報」「本ちゃん」「厳密にもう一回」の計三回。
- 速報結果が1位と知り、『この世は金と知恵』の連載ネームをアップする。
- 最終結果が3位と知り、邪道ではエイジや他の作家にも勝てないと確信する。
- 一方のエイジはアンケートそのものに関心がない。
- 『金と知恵』のネームを捨て、王道でやり直すと決意した。
答え合わせ - 赤マル勝負の結果
赤マル勝負に関する諸々の予想とその結果。
- エイジに敗北する → ◎
- 編集部から高評価を受ける → ○
- エイジは最高と秋人の存在を意識する → ×
(1)は大差の敗北。コレについては多くを語ってきたので、今回は割愛です。
(2)は概ね「高評価」と見て良さそうですが、決定打は「編集長のリアクション」次第でしょう。エイジの担当さんが服部さんをライバルしてる点も、裏を返せば亜城木を少しは脅威に感じてる現れです。亜城木の連載化は、例え服部さんが「高校卒業後」を訴えたところで、編集長や編集部全体の意向には逆らえないでしょう。最高が連載を掴む突破口は「編集長や編集部全体を味方に付けること」と予想しています。
(3)は驚くほど主人公との接点を作ってくれませんよ、エイジくん。思うに、エイジが最高を意識したら、エイジのパワーアップイベントになるワケなんですよね。ところが、現状は「エイジ>[越えられない壁]>亜城木」状態です。わざわざエイジをパワーアップさせる必要がないので、最高を意識しないのは作為的だったと、理由を後付けできそうです。
ポイント考察 - 転じて「王道」
ここまで、いかに「邪道」は不利であるか唱え続けてきた手前、最高が「王道」でやり直すと決意したのはごもっともですとしか言いようがありません。亜城木はマンガ家である前にジャンプ漫画家であり、ジャンプ漫画家はジャンプマンガの王道を描いてこそ、「一握りの一流漫画家」の栄光を狙えるのです。
「邪道」で攻めるのも、オトナ読者的には楽しいし、独創的な展開も期待できて面白そうに思えます。しかしながら、『バクマン。』の主人公・最高の漫画道は、そういう道じゃないんですよね。目の前の目標はあくまで「18歳までにアニメ化」「夢を叶えて亜豆と結婚」の二つ。だけど、それって終着点じゃないんです。
最高は父親に誓い、おじさんに憧れ、マンガ道に魂を捧ぐ身。「18歳でアニメ化して結婚したらマンガ家引退」なんて一発屋になるつもりはさらさらないでしょう。「邪道じゃダメ」という言葉の真意は、博打の世界である漫画家の道で「超一流作家の座を勝ち取ること」があると思います。
無論、今の最高はソコまで見据えての判断ではないでしょう。ですが無意識化に、朧気ながらに、『人生の目標』を意識して発言したのだと、応えて汲み取りたいところです。
ポイント考察 - 最高と秋人のコミュニケーション
強烈な意思を貫く最高と、これに流されるままの秋人。結果的には、「王道」でやり直すことに秋人も納得したみたいですが…。以前から思っていましたが、この二人の意思疎通は、微妙にパワーバランスが悪いです。今回のやり取りは特に危うさを感じました。
秋人にリミットはないけど、最高にはリミットがある。それを秋人は分かっているし、「最高が焦る気持ち」も理解できるからこそ、譲ってしまう場面が多いのでしょうね。もちろん、最高が述べた「王道」論は理路整然とした意見ですから、本心からケチをつける点がなかったのかもしれません。ですが…。
二人が真っ向から意見を食い違わせた時。各々が意志を曲げなかった時。その時こそ、最高と秋人の『初めての衝突』が起こるのでしょう。何にしてもケンカは若いうちにしておいた方がいい。オトナになるにつれ、理屈っぽいケンカになって、素直な感情のぶつけ合いと、素直な感情での仲直りができなりますもんね。
二人には早いうちに仲違いしてもらい、仲直りしてパートナーシップを強めていただきたいです。
ポイント考察 - 棒グラフ
アンケート票の解説で背景に描かれた棒グラフ、例えばラッキーマンの話数とシンクロしてたら偉いことかも。コミックス持ってる人はチェックしてみると、もしかして…。まあ流石に票数の比率は、傾向を大味に表現しただけでしょうけれど。
- 42話 新キャラ登場
- 43話 バトル突入
- 44話 バトル
- 45話 勝利
- 46話 後日談
- 47話 後日談
- 48話 感動
- 49話 コメディ
- 50話 友情
ポイント考察 - アンケート集計三段構え
「速報」「本ちゃん」の各システムは、どこ由来で知ったかも忘れましたが、既知情報でした。「更に厳密な集計」は初めて目にした情報です。ですが商業戦略上、アンケートハガキを1000枚だけ使って残りは破棄なんて考えてみたらそっちの方があり得ないですよね。そりゃ商売がかかってんだもん、一枚残らずキチンとデータ化してマーケットリサーチに流用しますよ。
肝心なのは、この情報の集大成を『打ち切り漫画家にフィードバックできないのか?』という話。仮に「ジャンプ編集部の担当の人」が、このデータベースや分析レポートを見られたとしましょう。それは漫画家が持ってきたネームやマンガに「アドバイス」の形でしか反映できません。
アンケートデータベースや分析レポートの情報を活かすに辺り、真に必要なフェーズは「マンガの骨格造り」にあたる初期の構想期間と思います。既に形になっているマンガに対して、小手先の修正でアンケート情報を活かしても、その根幹がジャンプマンガ向きでなければ意味を為さないと思います。
初回連載は自由に描いていただくとしても、例えば『チャゲチャ』の澤井啓夫先生や『もののけ!にゃんタロー』の小栗かずまた先生など、(言っては悪いが)芸風が一本しかなく、今後のマンガ道に関して先行きが不透明な作家には、こういった情報を大いに展開・活用していただいた方が、光の射す道も生まれると考えます。
これをやりすぎると、今度は週刊少年マガジンのような方策になるんでしょうけれど…。
今週のバクダン
ピカレスクサスペンス『この世は金と知恵』、その邪悪なる悦楽の宴ッ!
うん…。読者の五割には切り捨てられる題材ですよね…。
次回予想
次回は新展開ですから、どんな波乱が生まれても納得です。例えばこんな予想。
- 編集長が亜城木の漫画に何らかのコメント。
- 「王道」のネームと絵柄に最高も秋人も大苦戦。このまま2-3話の「修行編」に突入。
- ワンピのルーキー登場バリに、現役ジャンプ作家が赤マル読みつつ顔見せ登場…!!!(ド ン ッ)
- 赤マル2位の作家が北高へ…。
- 秋人は香耶とデートしながら最高と亜豆のことを喋ってそう。毎回その役回り。
- 中学の同級生・石沢くんが亜城木のネームを拾い…! 次回、急展開!!
- 環境問題に取り組むNPOボランティア団体が亜城木のネームを拾い…! 次回、急展開!!
残存するキーポイント
以下、これまでの感想で予想した内容をまとめてます。
- [高][08-] 最高も秋人も挫折しない。「挫折しない不幸」を味わうことになる。
- [高][12-] 美保は少年誌あたりで水着グラビアを飾り、ブレイクする。
- [高][12-] グラビアのブレイクを逆手に取り、事務所へ声優路線の意向を強気に示す。
- [中][16-] 編集部の意向を味方に服部担当の反対を押し切り、亜城木の連載が決定する。
- [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する。
- [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手し続ける。
- [中][09-] エイジと最高の評価に並び、エイジのプライドが傷つく。
- [中][09-] エイジは最高のマンガを打ち切りに指名する。
- [中][11-] 最高と美保のクリスマス! プレゼント選びで初恋限定。的な流れ。
- [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう。
- [低][11-] 秋人と香耶のクリスマス! デート現場を岩瀬さんに目撃されて…。
これまでのバクマン。感想