1766. 国立科学博物館で菌類にかもされてきた

去る11月2日、上野は国立科学博物館の特別展『菌類のふしぎ 〜きのことカビの仲間たち〜』を観てきました。一週間前のレポートを今さらエントリする理由は、ストック投稿分の消化おっと、オトナの事情です。

理系男子かつ、大学がキノコ産地@長野県だった自分は、「キノコとカビの展示!? うひょーう神秘的!」との思いで科学博に足を運びました。が、蓋を開けてみたら『もやしもん』の特別展だった件。

なんかね。展示会のアナウンスとかデフォでアニメ声なんですよ。この展示会だけのオリジナルアニメも放映される始末です。菌フィギュアの撒き方、その投資額を考えるとマジハンパねえです。展示会を観ているうちに「菌類のふしぎ」よりももやしもんのふしぎ」を観ている感覚に陥りました。『もやしもん』はどうして科学博から全力投資されてるんだろう。とてもとてもふしぎだ…。

後方のカップルが「わあ、O-157発見! かわいいねー。でも白目部分が赤塗りだよ…彩色ミスってるよね☆」とかギャルがイケメンに解説してるわけ。前方の親子が「お父さんの好きな日本酒を造るオリゼーだよ!」ってもやしもんのフィギュアを指差してるわけ。

理系好き・きのこ好き・カビ好きよりも、アニメ好きの来訪者が過半数だった模様です。世も末です。


どっちが主役かわかんない特別展
表の巨大看板を取り損ねたので、半分に折っちゃったポスターとか。



きのこだけで500点!
観たこともないキノコが盛りだくさん。この『キノコ体験ゾーン』だけで30メートル程度の展示ルートを確保していました。展示品の過半数は、ほぼ原形を保ったままにキノコ表面を樹脂でコーティングした「樹脂含浸標本」によるモノ。瓶詰めやシリコン詰めの標本にはない、キノコの生の触感を身近に楽しめるのが魅力的です。



スーパーマリオブラザーズの足場のアレ
「ほーらお姉さん、こんな大きいの、今までみたことないでしょう…?」「す、すごく大きい…(ドキン☆)」的な脳内会話を組み立ててしまうのも致し方ない。一般的な理系男子なら想定の範囲内。ほらアレですよアレ。初代スーマリ時代にあった、x-3系の足場のキノコ。



警備員さん! オトナのオモチャが紛れてます!
オモチャのアレ(※要注意、18禁!)に見える。大量のキノコの中にこんなモノを忍ばせるなんて! はしたないっ! そこを連想してしまうオレが!



赤塚先生的な命名
来訪者の大勢が、『流星の絆』の主人公・有明功一くんの顔になって「バカマツタケって名前がかわいそう…(´・ω・`)」と同情され続けたバカマツタケ。バカだけどご立派なマツタケなんです! バカだけど気立てはいい、リッチな箱入り娘なんです! 的な擬人化妄想を働かせておくのが紳士のたしなみです。


270度を包囲したフィギュア大量展示
身近な環境に見られる「カビ」の紹介を、『もやしもん』の展示物と交えて紹介してました。こんな感じの展示がズラリ。フィギュアだけで何千個投入してるんだ…。すごいぞ科学博! どんなコネ使ったんだ! それとも逆なのかな…。『もやしもん』は資料協力のバックに国立科学博が制作協力が構えていたとか。



ペニシリン製造秘話
「秘話」という程の詳細な解説もなかったけど、「普段は人間から嫌われ者のカビも、製薬に役立ってるんだぞ!」というカビの地位向上を訴えていた展示でした。アオカビをどんな風に応用してペニシリン製造へ導いたのか、肝心の部分は触れられず悶々としました…。



アオカビアート
ペニシリンの立役者・アオカビで今度はアート。『もやしもん』では食パンでカラフルなアートを描いてましたが、コレはアオカビ一本です。製薬のエピソードを観たときは「アオカビすげえ!」って思えたのに、現物のアオカビを見てしまうとやっぱり「いちはやくカビキラーを!」って考えてしまう。人間って…。



いろんな冬虫夏草のホルマリン漬け
漢方の世界では王者の貫禄、希少価値の高い冬虫夏草。高値で取引されるこの冬虫夏草を、何の惜しげもなく何百本もホルマリン漬けにして展示してしまう科学博、やっぱりハンパない。下の写真では見づらいかもだけど、蝉の背中から冬虫夏草が伸びてるビンを撮影しました。「うう、セミさん…(´・ω・`)」って有明功一くんの顔で呟きましょう。



オレはこの手の展示会って、解説文も映像も徹頭徹尾、全部観るタイプの人間なので、全部観るのに3時間弱掛かりました。きっと、フツーのデート感覚で楽しめば、長くて90分程度のコースだと思います。

『もやしもん』目当ての方は、なつみかんさんのレポートをお勧めします!