1758. 先行感想 - バクマン。 10ページ『不安と期待』

今週号の「バクマン。」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。最新号の週刊少年ジャンプを未読の方は、閲覧を控えて下さい。

今話の要点

  • 目標は手塚賞入選!
  • 秋人は原稿の原案を乱出して、最高が選考係。お勉強そっちのけ。
  • 「うさぎとカメラ」はそこそこのデキ。語尾に「とストライク」って付けたい。
  • 「1億分の」で原稿化にトライ。学校をズル休みしながら9月29日に完成。
  • 服部さんべた褒め。「特に話がすごくいい」と評価。
  • 11月10日に選考確定。結果は最終候補止まり。
  • 新妻エイジは『ハイテンピープー』で手塚賞入選を果たした。
  • 12月8日にジャンプで手塚賞発表。石沢から因縁を付けられて…。
  • 秋人、石沢を殴って自宅謹慎。
  • 最高が秋人を見舞いに行ったら、香耶と岩瀬さんが居た。
  • どうなる次回! 岩瀬さんに期待!


ポイント考察 - 手塚賞の結果と今後
もっとストレートに赤マル掲載まで進むかなと予想していたのですが、今回の手塚賞新妻エイジ完勝のターンでした。

手塚賞落選の知らせに二人は大きく落ち込み、挫折を味わいました。といってもデビュー二作目でこの結果。むしろ超常の域に居ると評しても過言ありません。でも一般読者からは「最終選考すごいすごい、やっぱ天才は違うねぇ」と冷評されそうです。入選と落選、どちらに転んでも読者の好感は掴めない展開だったのかも。

最終選考ラインに残った最高らを今後、編集部がどのように扱うか見物ですね。服部編集が提示した「赤マルジャンプに載せる気持ちで描いて」の提案も、次の月例賞か手塚賞を受賞次第ゴーという感触です。再三の提示になりますが…

【アニメ化までの道のり簡易表】

  • 14歳 ... 新人賞に応募、あるいは持ち込みで評価を受ける
  • 15歳 ... 新人賞受賞、赤マル掲載、本誌読み切り掲載
  • 16歳 ... 最高&秋人がWJで連載を開始
  • 18歳 ... アニメ化決定

…月例賞か手塚賞を受賞すればすぐに赤マル掲載です。ここで紙面に掲載されて、原稿料が発生して給与を受け、名実ともに『プロのマンガ家』へ踏み込むことになります。

今回の手塚賞では佳作にすら引っかかりませんでしたが、次回の原稿で何らかの受賞を果たすのは、物語的にも鉄板です。次回は2009年3月の手塚賞を目指すのか、一刻も早く12月の月例賞に応募するのか。現時点では不明瞭ですが、受賞すればその原稿を手直しして赤マル掲載まで直行の可能性も見えますね。

月例賞で「入選」が成れば、エイジのように本誌読み切りの可能性も考えられます。


バクマンを彩る脇役たち - 香耶

香耶が秋人宅に押しかけたのは予想の範疇でした。秋人の自宅謹慎が決まった瞬間、「あ、これで香耶が動くのか」とリアルタイムに予想できました。秋人と香耶の関係は(客観上)「微妙なところ」で留意したままです。そして季節は既に12月。「あわよくばクリスマスデート」の期待も秘めているでしょう。

そんな香耶の乙女っ娘心理に気付かない、あるいは気付かぬ振りで無視するだろう秋人。中学生とはいえ、マンガ家という職を背負った秋人には、恋の道など二の次なのです。恋人よりもジャンプ感想者と年越しラジオする感じです。そう考えると「恋に仕事時間を占有されない最高と亜豆の関係」ってのは絶妙です。


バクマンを彩る脇役たち - 石沢
遠い未来で意外な再登場を果たして、最高&秋人から圧倒的に負かされるとばかり思っていた石沢。なんとこんなタイミングで登場し、清々しい噛ませ役を果たしました。というわけで、

  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう

この可能性は失せてしまったかなあ。でもでも、二度目の登場でいよいよ『石沢くんの噛ませ犬』も定着し、マンガ家への道が(作中都合上)磐石になったかもしれない、という読みもできますね。この事件をキッカケにして「いつか最高と彰人の鼻を明かしてやる!」と反抗心をバネに伸びるのも面白いかも?

いやまあ、どんだけ伸びても彼のベストポジションは『噛ませ犬』でしょうけど。


バクマンを彩る脇役たち - 岩瀬さん
これまで極端に記号化されていた岩瀬さんが、遂に物語へ本格参戦。彼女はいったい、どんなキャラ付けとテコ入れを受け、最高&秋人を迎え撃つのでしょうか。次週が非常に楽しみです。

  1. イメージ通りの「鉄の優等生」で、敵視していた秋人を今は心配してる。(クーデレ説)
  2. お勉強でしか自己主張の術を知らない不器用な性格だった。(高倉健説)
  3. いつも休み時間に読んでた小説、実はBL本とラノベでした!(隠れ腐女子説)
  4. 次週も一切喋らない。(ミステリアスカノジョ説)
  5. 「アイツへの気持ちは敵意だけだと思っていたのに 何? この切ない気持ち…」(初恋限定。説)
  6. 予想以上におっぱいが大きかった。(バクマン。の爆乳おっぱい要員説)

今週の岩瀬さんは、相変わらず涼しい顔を崩してません。本命予想は(1)あるいは(5)と考えます。(5)だと香耶のライバルと化して、秋人サイドの恋愛は三角関係へと発展しますね。それはそれで面白そう。

個人的な期待を紹介しておくと、(2)は岩瀬さんが急に可愛らしく見えてくるパターン。でも、大場マンガでは、こういうツンツン系はそのままツンツン系なんですよね。清楚高田タイプ。(4)の案も、実現すると特定ファンが急増しそう(雨宮さんタイプ)だけど、やはり大場マンガらしくない。

(3)は、我ながらいいアイデアじゃないかと感じました。勉強しか取り柄がないと思わせておきながら、実は『腐女子であることを鉄壁のガードで隠していた』というのは、極めて説得力があります。腐女子の人も、ジャンプオタクの人も、絶対にオタバレしないよう、日々を必死に生きてるんです!

最高や秋人は、旧世代の根性マンガを好む人間です。それは、腐女子あるいはラノベファンの存在と対極に位置します。後者のような存在から意見をもらい、崩すところは崩してカジュアルなマンガを描けるようになれば、また一歩『少年マンガ』に近づくんじゃないかなと。『腐女子・岩瀬さん説』は出オチでありながら、最高たちに与える影響も大きいという。


バクマンを彩る脇役たち - 新妻エイジ
前回の手塚賞に準入選したエイジが、今回もちゃっかり入選してました。つか、同賞の受賞経験者でもまた応募していいんですね。どういう仕組みなんだろ…。

本編には描かれてないけど、14〜15歳の子供が最終選考の2席を占めた事実は、編集部に大きな衝撃をもたらしたでしょうね。かつまた、エイジは担当づてに『最終選考で14歳の作品が残ったこと』を耳にした可能性があります。エイジの反応は当然無関心だろうけど、ちょっと気に留める程度はしてるかな?

今回、最終選考八作で最高たちの作品と肩を並べ、事実上、初の直接バトルとなりました。結果は最高たちの完敗ですが、合わせて客観的な力量差まで提示されたのは嬉しい点。エイジと最高の間には『マンガ絵が2〜3段くらい段違い』の差があるとのこと。次週以降「手塚賞の選考評」が紹介されれば、ますます具体的に差が開かされそうです。

ひとまず課題が絞られたのは良い傾向ですね。何を強化すればレベルアップするのか明確になったので、欠点を克服した時に読者の共感を得やすくなりました。


今週のバクダン
岩瀬さん、中学生にしてあの巨乳っぷりはヤクイですよ。この巨乳で腐女子だったりしたら熱いっすよ。


中学生なのにバクチチ、病気の岩瀬さん。


これはもう、ジャンプを代表するあの人に執刀していただく他ありませんね。


「あ あの人は病気です…」(1)


「あ あの人は病気です…」(2)


「あ あの人は病気です…」


次回予想
次回のキーポイントはこの三つ。

  • 香耶の気持ちにどう応える? 岩瀬さんはどう出る? 秋人周辺の人間模様を整理。
  • 手塚賞の選考評見ながら反省会。服部編集以外のB班メンバーが登場するかも。
  • クリスマスシーズン到来。最高と亜豆はどーすんの? プレゼント交換に期待。

秋人が謹慎中の一週間、香耶と岩瀬さんが放課後ずっと居座り続けたりすると面白いよね。二人にネーム評してもらったりするの。二人とも最初は興味ないけど、日が経つにつれのめり込んでいって、最高以上に熾烈な感想を述べたりするの。迷惑だけど嬉しい、けどやっぱ迷惑。みたいなポジションに定着すると面白そうです。

まさかクリスマスを一ページでスルーして冬休みに入り、年を越してしまう可能性もあるので、もっと先の展開も予想しとく。(先週の予想は甘く見積もって大失敗だった!)

手塚賞の選考評を見たら『最高の画力がマンガ絵になってない』とか『まだまだ伸び盛りだから次回に期待』なんて内容に集中してそうです。そこで服部さんか、あるいはB班メンバーの編集者がバックアップするんじゃないかなと。

「マンガ絵を会得するには自学だけじゃダメ!」ということで、冬休みを使ってアシスタントを体験し、プロのマンガ家から学ばせるスキルアップを促すと面白いなあ。その「プロのマンガ家」が、実は昔「おじさんのアシスタントをしてた人」だったりすると、エピソードが膨らんで面白そうだなあ。そんな妄想。


残存するキーポイント
これまでの感想で予想した内容をまとめています。

  • [高][03-] 最高の父の正体(マンガ編集者の部課長クラス?)が明かされる
  • [高][05-] 第5話の『作画講座』同様、『原作講座』も大々的にページを割く →△ 今週の内容が近いかな?
  • [高][07-] 服部は編集者の立場として、最高&秋人の強い味方になる →○ 服部さん肩入れしまくり。
  • [高][08-] 最高も秋人も挫折しない。「挫折しない不幸」を味わうことになる。
  • [中][03-] 父とおじさんの過去エピソードが語られる
  • [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する
  • [中][07-] 香耶も谷草北高に進学する
  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手する
  • [中][09-] エイジと最高の評価に並び、エイジのプライドが傷つく
  • [中][09-] エイジは最高のマンガを打ち切りに指名する
  • [低][03-] 祖父の正体が明かされる
  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう
  • [低][09-] 岩瀬さん腐女子説。意外と鋭い意見を述べて、秋人たじたじ。


これまでのバクマン。感想