1747. 週刊少年ジャンプ44号 - バクマン。 7ページ『笑顔と赤面症』

今週号の「バクマン。」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。最新号を未読の方は、閲覧を控えて下さい。


今話の要点

  • 美保の親友・見吉香耶が登場する
  • 秋人「見吉と話したかったから」→香耶が秋人を意識し始める
  • 最高「亜豆の親友はいい奴に決まってる」
  • 美保「本当はカヤ以上に男の子大好き」(赤面症なだけ)
  • 岩瀬さんが常に同じポージングな件
  • 「よくみると超かわいい」は褒め言葉なの?
  • 新妻エイジの『Large Bander』はジャンプに掲載され予想以上の出来だった
  • 仕事場の電気代は最高の親か祖父が支払っている
  • 2008年8月28日「ふたつの地球」完成
  • 2008年8月29日集英社へ持ち込み
  • 次回、WJ編集部の服部さん登場?


ポイント考察 - 新キャラ・香耶の今後の役割
香耶の登場で、秋人絡みの恋愛エピソードにも期待が広がりました。ところが、夏休み前に登場しながら、秋人は夏休み中ずっと原稿作業に徹し、香耶との関係は一向に進展しません。それでは、香耶がなぜこのタイミングに登場したのか。これについて、考えてみます。

  1. 秋人サイドの恋愛話も膨らませるよ
  2. 秋人の掘り下げ要員になるよ
  3. 一緒に谷草北高へ進学して、美保のパイプ役になるよ


香耶の役割予想 - (1)秋人の恋愛話

「(1)秋人の恋愛話」は、最も可能性の低い予想です。現状、『バクマン。』における恋愛要素とは、漫画描きエピソードだけでは地味すぎるから、合間に「華」を持たせるように差し込んでいるに過ぎません。それなら最高の恋愛話だけでも十分なはずで、わざわざ秋人の恋愛まで盛り上げる必然性がないのです。


香耶の役割予想 - (2)秋人の掘り下げ要員

「(2)秋人の掘り下げ要員」は、可能性の一つかなと考えます。秋人の過去、生い立ち、家庭環境は未だ謎のまま。「血筋」にこだわるので意外と家庭環境は悪いのかな…。優等生故に両親は放任主義なのかな…。などなど、間接的に読み取れる面もありますが、いずれにしても確定情報を得ません。

そして、最高も性格柄なのか、秋人の身の上話にさっぱり興味を示しません。一方、秋人を意識しはじめた香耶なら、彼の情報なら何でも欲しがるものです。そこで香耶は、秋人と一番仲のいい友人・最高を頼ります。最高は香耶に尋問され、ようやく気付いてしまうのです。

最高「そういえば俺 秋人のこと何も分かってなかった…!」(キュン)
香耶「真城くん…… あなた ま まさか……」(くわっ)

となるのですね!(なりません) ですがこの予想、いろいろと穴もあります。秋人を掘り下げるために、わざわざ新キャラを投入させる必要性を感じないんですよね。それこそ、大場先生のご意志ひとつで、最高が秋人に直接質問すれば済む話であり、香耶を使わないと秋人の秘密を明かせない制限がありません。というわけで、(2)説もまた信憑性に欠けます。


香耶の役割予想 - (3)美保のパイプ役

そこで「(3)美保のパイプ役」です。最高と美保は高校進学と共に別の進路を歩みます。そうなると、美保の情報口は唯一『メール』でしか明かされず、またその情報には、美保の主観による嘘が混じる可能性もあります。ですが、美保の親友・香耶が最高や秋人の傍にいれば、香耶経由からの情報口を確保できます。

最高は香耶からの情報を欲しないでしょう。なぜならロマンチックでないですから。でも、好奇心旺盛な秋人は別ですよね。

相方の恋路を何としても成功させたい秋人は、香耶のリークを活用して美保の情報を欲しがる気がします。美保は翌年から声優業界を目指すでしょうから、枕営業や男関係の危機を知るためには、香耶からの情報口が欠かせません。美保は、最高に心配を掛けけまいとして、声優業界のマイナス情報を『メール』で伝えられない性格だとも感じます。

そんなときこそ、香耶からの情報口は意外なかたちで、活躍の機会があると予想します。


ポイント考察 - 原稿完成
バクマン。」は作中時間と現実時間を極力リンクさせています。前話まで「一学期」が続いていたので、どのタイミングで時間飛翔するかが注目の一つでしたが、まさか夏休みが丸々省略とは…。美保と香耶を誘って女子中学生との海水浴を丸々カットとは…。これはもう、二学期のプール授業に賭けるしか。恋する乙女が意中の男子と目が合い、ドキドキして赤面する美保&香耶に期待。

本題の話。前話までは正直、秋人の中二病を最高が盛んに称賛する困ったちゃん達だなあと思ってました。だけど今話、夏休みを棒に振って原稿を完成させた努力と根性には胸を打たれました。やりたいゲームも、観たいテレビも我慢して、一つだけに打ち込む精神力は、手放しで称えてあげたい。同時に、そんな精神力に憧れたりもします。今話の最高は格好良かったよ! 文化系イケメンだったよ!

そしてまた、この原稿を持ち込んで服部編集からコテンパンにやられるのかと思うと、今から切なくもなります。もちろん、「コテンパンにやられる」は希望でしかないけれど。


ポイント考察 - 集英社へ持ち込み
「外線の知らない番号は無視しろ」のやり取りは、他人事ながら冷や冷やしました。WJ本誌上でもあれほど持ち込みを歓迎しながら、受け付ける側が『面倒な仕事が一つ増えるだけ』というネガティブな反応では、一般読者から反発を受けること必至です。

あのシーンをごく好意的に『日常のつまらない冗談を断片的に切り抜いた一コマだった』と解釈しても、あらぬ誤解を与えることに違いはありません。バクマン。の担当編集さんも、よくこんなの通したなあ…。あるいは服部さんともう一人の人は『やる気のない編集者』の代表格キャラでしかなく、後の展開で上長から制裁でも受けるのかなあ…。

とにかくも、遂に持ち込み原稿をひっさげて最高達は集英社まで参上したわけです。はてさて次回、服部編集の反応はいかに?

  1. 持ち込み原稿 → 褒める  最高と秋人の評価 → 才能を買う
  2. 持ち込み原稿 → ダメ出し 最高と秋人の評価 → 才能を買う
  3. 持ち込み原稿 → ダメ出し 最高と秋人の評価 → 最高だけ評価される
  4. 持ち込み原稿 → ダメ出し 最高と秋人の評価 → 秋人だけ評価される
  5. 持ち込み原稿 → ダメ出し 最高と秋人の評価 → ダメダメ

『18歳までにアニメ化』を達成するには、(1)か(2)でないと間に合わない気がするのですが…。あるいは、前回の感想で疑問を呈した通り、(4)の流れから「真城くんはなぜ自分で原作しなかったの?」と服部編集から質問されて、原点に立ち返るとか。作品を一本作ってみて、改めて『最高と秋人のパートナー性』を問う展開に至るのも面白そうですね


次回予想
次回のキモは『服部編集の評価』と、これに対する『最高と秋人のリアクション』が主になるでしょう。

遊び盛りの中学生が夏休みを投げ打った努力の価値は極めて評価されるに違いありません。それは、原稿の評価でもなく、才能の評価でもなく、『行為の評価』であって、最高たちがプロになれるという保証はどこにもありません。ですが、服部編集が心を打たれて強い味方になるという、思わぬ協力者の獲得に結びつくと予想します。

服部編集のそれは人情的評価であり、商売的評価ではないけれど。相手が中学生という「若い芽」なら、服部編集は長い目で見て、前者寄りの評価を下す気がするのです。


残存するキーポイント
これまでの感想で予想した内容をまとめています。

  • [高][05-] 第5話の『作画講座』同様、『原作講座』も大々的にページを割く
  • [高][03-] 最高の父の正体(マンガ編集者の部課長クラスと予想)が明かされる
  • [高][07-] 服部は編集者の立場として、最高&秋人の強い味方になる
  • [中][03-] 父とおじさんの過去エピソードが語られる
  • [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する
  • [中][07-] 香耶も谷草北高に進学する
  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手する
  • [低][03-] 祖父の正体が明かされる
  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう


これまでのバクマン。感想