1739. 先行感想 - バクマン。 4ページ『親と子』

今週号の「バクマン。」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。最新号の週刊少年ジャンプを未読の方は、閲覧を控えて下さい。


今週の要点

  • 原稿とネームを物色中、クローゼットの隅から手紙を発見。
  • おじさんと好きな人が文通した手紙がキレイに整頓されていた。
  • 最高と秋人は手紙を読み漁る。実らなかった恋に秋人号泣。
  • 箱の奥にある卒業アルバムを発見。
  • 文通相手の名前を調べたら、亜豆美保とそっくりの姿だった。
  • 『おじさんと美雪(文通)』『最高と美保(メール)』血は争えない。
  • 秋人はまたも血の所為だと持論を唱え、DNSを怖がる。
  • 翌日、最高と秋人は美保の外出を狙って亜豆家へ特攻した。
  • 美雪からおじさんへの思い出話を聞いた。
  • 「おじさんが漫画家だった事は秘密に」最高は秋人、美雪と約束した。
  • 美雪も最高の恋を応援してくれる。
  • 美雪、父、祖父、仕事場…おじさんと比べ恵まれた境遇を痛感する最高。
  • 最高「俺 絶対この夢現実にするよ」
  • 秋人「「俺達」ね」


ポイント考察 - 時系列を整理して年表化
今話までの情報から時系列を整理してまとめ年表を作成しました。穴も埋まってスッキリです!


ポイント考察 - 扉絵の煽り文
扉絵の煽り文は今週号も大見栄を切っています。

俺達「天才」だから漫画界の頂点目指せるんです!!

自信過剰の愚者を意図的に演出している意図が見え隠れ。これ『伏線臭』っていうんでしょうか。物語構成を踏まえると、二人は必ずどこかで盛大に挫折するハズ。それが早い時期か、大一番の勝負場所かは不明ですが。毎週やられると「ガキが粋がってる感」が鼻について辛いなぁ…。

ところで大場×小畑両先生の担当編集さんは、煽り文でデカく出る傾向があります。これがどうも、作中だけの「自信過剰」を作品外にも持ち出しているように見えます。まるで作者側まで自分たちは天才と粋がってる風に見えるので、読者によっては拒絶反応を起こす人もいそう。

  • 第1話煽り「さらけだせ全てを!! 暴ききれ!! "漫画"の可能性を!! 斯界激震新基準連載第1弾!!」
  • 第2話煽り「業界大反響!! 新連載第2回!!」
  • 第3話煽り「圧倒的反響!! 新連載第3回!!」

第1話は大石先生の新連載でも転用されているので、編集部全体で考案したキャッチコピーなのかもしれないですけど、第2〜3回の煽り文は無理矢理だなあとか思います。業界に反響があるから何なのという疑問。自分なんかは『衛星ウサギテレビ』の第2話扉ネタを思い出して笑っちゃいましたけど。


ポイント考察 - 美保の「やっぱり!」発言は何に由来?
「美保の母=美雪」に関しては、大抵の感想サイトでは指摘済みの件でした。さほど衝撃の量も大きくなかったです。


「亜豆の母=川口たろうの初恋女性」説も現実味を帯びるんですよね。つまり、社長秘書だった川口の初恋女性は、そのまま社長と結婚して亜豆を産んだ(亜豆は社長の娘)という説
...(中略)...
川口たろうを作中に深く絡める狙いがあるなら、この設定を活用して亜豆の母から川口の情報を聞き出すイベントなどを想定できます。

ですが今回のやり取り、どうにも解せなかったシーンが一つありました。疑問の発端となったシーンは第一話。

最高「ぼ 僕が 絵を描いてこいつが原作!」
美保「やっぱり! すごい! それなら絶対なれる」

ここで美保が最高の言葉をすんなり受け入れたのは、てっきり、美保は最高のおじさんが漫画家だったことを知っていたからだと推測してたんですよね。ところが今話、美雪は美保にその事を伝えていないと判明する。では、美保が言った「やっぱり!」の由来は何なのか。

最も有力なこじつけは、クラスメイト故に美術の授業も一緒で、その課題作品を通して最高の才能を知っていたという。イヤにリアルすぎて味気ないけど、きっとそういうことなんだろう。うん。


ポイント考察 - 中間テスト2日目も惨敗だった
先週に引き続き、勉学面の描写はあっさりしたものですが、このあっさり具合が怖いです。先週の感想にて「18歳までにアニメ化するなら中卒コースは確定」と述べました。中三・一学期の期末テストで惨敗する最高は、高校への進路を選ばないフラグに見えて仕方がない…。

一方の秋人は、今週時点で「中卒コース確定」の事実を知りませんが、彼の場合は高校を進学しながらネームを描くって選択肢もあり得るんですよね。これはオレが「原作作家の労力を舐めすぎ」かもしれません。次週以降、秋人がネームを描き始めると、その労力の大きさを推し量れそうです。

マンガ道に人生を賭けた最高なら、この夏休みは漫画の勉強だけに注力する姿も容易に想像できます。対する秋人は、塾で夏期講習受けながらネーム…という姿までしか見えません。「俺天才!」故に、勉強は片手間で成績を維持するのでしょうか。そうしながら、ネームのスキルもみるみる向上して、そして左手でポテチを食べるのでしょうか。

勉強もネームもやるって選択肢は、最高に比べ覚悟が軽く見えます。二人で漫画家になる物語なら、覚悟も対等であってほしいところです。


おじさんの仕事場が残っていた理由
祖父や父が最高の夢を見抜いていたため、今回、絶大な協力者として動いてくれたという点は十二分に納得しました。ですが、現実的な話をすると、そんな不確定な夢のために誰がマンションの維持費を払ってたんだという点にまで、疑問が波及します。突き詰めると疑問はただ一つ。最高の祖父は何者なんだ。

おそらくは、おじさんが抱えていた借金、そして仕事場の維持費は、祖父の懐から出たと予想します。なにしろ仕事場を「最高にやる」と宣言したのも、鍵を譲ったのも祖父です。仕事場を維持できるなら、おじさんの借金も肩代わりする一財産はあったと見てよいでしょう。

同じレベルで「最高の父が借金を肩代わりした」説も考えられます。この場合、最高父は仕事上で相当な重要ポストを預かる身です。『最高父は編集者』の予想に従えば、彼は部長どころか役員クラスですね。いずれにしても、最高もまた家庭に恵まれてる側であり、秋人の「血統コンプレックス」をまたも強固にする結果に…。

予想屋として、祖父の正体を無理矢理に推測すると、最高父とおじさんを漫画業界に引きずり込んだ憧れの対象だったのではないかと。息子二人は、父の背中に憧れて漫画業界に足を踏み入れたという。ただ、これだと先週予想した筋書きから外れ気味なんですよね…。祖父の正体が気になる。

ポイント見所

  • 電車で仕事場まで向かって帰りはどうすんだと思ったら…。
  • λλ........ トボトボ
  • ちょいちょい『DEATH NOTE』ネタを織り交ぜてくるのがズルイよ。笑っちゃうよ。
  • 最高父とおじさんの年齢差は2歳。
  • 最高父は中3のとき柔道の主将だった。スポーツ万能で人を束ねられる人?
  • 「... ワイン ビール」もちろんジョークですよね。
  • だけど娘が天然臭いから、美雪も天然ぽく見えます。たぶん先入観。
  • 42歳で縦ロールだし。
  • それがいい! このギャップ感がたまんない! これぞオトナのお姉さん!


次回予想

今話で「川口たろう」に纏わるエピソードも一区切り付いたことでしょう。次回からは、最高の漫画道と、秋人のネーム道。最高の方は家庭的にも精神的にも準備万端の状態なので、今後は秋人サイドの掘り下げを期待します。

なにしろ家族構成、家族の承諾、「血統コンプレックス」の秘密、「学業とネームの両立」問題など、秋人サイドの課題は山積みです。


残存するキーポイント
先週予想した以下の4点は今後、必ずや解き明かされるキーポイントと思います。マンガ中で解消されるまで、感想の最後にストックしておきます。

  • [高][03-] 秋人は「18歳までにアニメ化」の無茶さを改めて思い知る
  • [高][03-] 最高の父の正体(マンガ編集者の部課長クラスと予想)が明かされる
  • [中][03-] 父とおじさんの過去エピソードが語られる
  • [低][03-] 祖父の正体が明かされる(個人的希望)


これまでのバクマン。感想