1714. 2008年夏コミ・オフレポ! - その3

夏コミ1日目・売り子視点の体験談をまとめます。


売り場の様子

今イベント、最大の功績と思えたのが架神さんの呼び込み・声出しでした。ご自身の『テニス本』はもちろん、『初』『打ちジャン』もバランスよく丁寧にセールスポイントを語っていました。体力勝負のコミケで、長時間にわたって呼び込みを続ける姿には感動しました。

夏コミって呼び込みOKなのかよく判んなくて、皆で大々的にできなかったと思うんです。そんな中、架神さんだけは違った。その辺のグレーゾーンを迷わず突っ切って直進する辺り、ロック・スピリッツだ! と思わずにはいられませんでした。かっくいいー!!

さらに視覚面では、ムーさん&774さんが用意した特大ポスターで、一般参加者の興味を大いに惹き付けました。うちの『打ちジャン』ポスターはキャッチコピーが面白くて、さすがムーさんのパロディセンスは一味も二味も違うなあと感嘆した次第です。

そしてダメ押しとばかりに、売り側六人が首から「グリード様」を吊るし、机上にもグリード様を飾る、圧倒的にいびつな演出。一体この集団は何を企んでいるんだ。むしろ近づき難くなってたのかも…。

こうして、『三誌合同頒布イベント』の名に恥じない、三誌の総合力が極限まで融合された売り方を実現できました。さっきから自画自賛ばかりで恥ずかしいですが、しかし自分はあの空間に身を置いたからこそ、断言せざるえないのですよ。一日目の東V08abは異常地区だった。


売り子のフォーメーション

個人的な思いを語るなら、自分の左側には尊敬すべき架神さん、右側には尊敬すべきムーさんという、ありえない取り合わせにずっとずっと感動しきりでした。攻撃系と守備系の球体(リジェネレート機能付き)に守護されるラスボス気分を味わいました。ラスボス本体が一番弱いというオチ。

ジャンプ感想界を長年引っ張り続ける一流アスリートの架神さんが、ジャンプパロディ漫画のカリスマとなっているムーさんが、両隣にいることを想像してみてくださいよ。このシチュエーションで興奮しない男などいませんっ。明らかに見劣りしてるオレは死ねばいいのに! 夏コミ会場は爆発すればいいのに!

オレは会計担当だったけど、小銭やお札の整理は終始グダグダのグズグズで、その理由の一端には「大物二人に囲われて緊張した」点にもありました。なにこの売り子リンチ。もう、ほんとに愚図だった。絶対「コイツ使えねえ!」と思われた。普段は大好きな暗算がフルボッコだった。緊張って怖いなあ。

一度なんて大量のお札を足下にばらまいて酷い目に遭いました。釣り銭を計算間違いするというチョンボもありました。そのたびに「うおぉぉい!」「ゆきみー!」と両隣から突っ込んでもらえる幸せを想像してみてくださいよ。明らかにドMになってるオレは死ねばいいのに! 夏コミ会場は爆発すればいいのに!

夢のようなタッグを組ませていただけたこと、光栄に思います。後にも先にもこれ以上のイベントは再現できない気がします。もちろん、これを超える向上心を持って今後も活動する意気込みですが、今回は資材・人材面の双方で、明らかにおんぶに抱っこな状況でしたからね。

流れるプールに流されていたという表現が一番しっくり来ます。はやく一人前に泳げるようになりたい!


接客時の記憶

接客時はただただ忙しくて、楽しくて、嬉しくて。どなたが挨拶にこられたか、すべてを把握できている自信がありません。ですが、記憶に残ってるだけで全部の出来事を、ここにダイジェストで書き出していきます。(以下、一般参加者の皆様を便宜上「お客様」と記述します)

  • 午前10:00、開始の合図で一般参加者が暴徒と化した!
  • 国際マラソンのスタートラインみたいな状況。ごった返しすぎ。
  • 開始6分、三誌トータルで100冊目が売れました(Yukimiカウント調べ)
  • お客様「新刊ってどれですか?」
    架神さん「テニス本以外です」
    お客様「じゃあ、残り二冊ください」
    架神さん「いえ! テニスは春の文芸フリマにしか出してないんで、絶対持ってないはずです!」
    お客様「え、じゃあそれも…」
    オレ(すごい交渉力で生活費500円をむしり取った!!)
  • お客様「新刊ってどれですか?」
    オレ「全部です!」
    架神さん「!? ぜ、全部です…」
  • 架神さん「テニスって新刊でいいんですかねー?」
    オレ「テニスは夏コミだと新刊扱いなんですよ」
  • お客様「新刊ってどれですか?」
    全売り子「全部です」
  • お客様「全部ください」
    架神さん「テニス1、初1、打ち切り1!」
    お客様「あ、テニスはいらないです…」
    架神さん「ええー! テニスも買っていってくださいよー」
    オレ(ダメだーっ! 架神さんが可愛すぎるーっ!)
  • 700円のお釣りを800円と間違えました。申し訳ございません…。
  • ムヒョロジ感想に対し、生人妻ファン様の生激励を熱烈にいただきました。オレの方が感動した! ご主人ともども、今後ともよろしくお願いいたします。
  • Qutさんが軽くご挨拶に。少しだけ会釈を交わした後、ムーさんと感想を言い合う。
    オレ「冬から髪型変わってたよね、雰囲気も違ったなー」
    ムーさん「冬の時はコスプレしてたからだよ!」
    …ごもっとも。
  • ついったーではみんなのアイドル「明日はきっと。」のきよさんからお名刺をいただく。最高の差し入れだ!(精神力回復)
  • 「ゴルゴ31」のゴルゴさんが目の前に登場。なんというイケメン・高身長・高収入。
  • マサユキさんの名前当てクイズにことごとく間違うオレ。釣られて間違うムーさん。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。
  • ハイレベルなカブトボーグのコスプレを発見してムーさんと一緒に大興奮する。架神さんにも知らせたけど見逃されてしまった…残念。そんな売り子陣営は、六人ともボーガーファンなのでした。
  • お客様「打ち切りジャンプ、1冊ください」
    架神さん「打ち切り1!」
    お客様「打ち切りって(笑)」←この反応が多かった
  • お客様「打ち切り1冊ください!」(売り子の略称を真似して)
  • ファンの方に度々、握手を求められるムーさん。オシャベリしながら売り上げ集計表をつける器用っぷり。この人なら腕時計に仕込んだ紙にも名前を書き入れかねないと思った。
  • J影虎さんが長崎からはるばる遠征されてきました! 遠っ! すげえ!
  • 本をお買い上げいただくばかりか、差し入れ&お手伝いを受けました。差し入れはスタッフで美味しくいただきました。聞けば、最後の後片付けも精力的にご支援いただけたという話。オレは一次会誘導組だったので何ら御礼を言えなかったのですが、ここで改めて…本当にありがとうございます!
  • だやんさんから昔の『りぼん(雑誌)』と、最終回の『男坂』といただきました。
  • ムーさんのゲスト原稿にも入っている名シーンが最終ページに! 「未完」の筆文字にも爆笑しました。ろくにお話もできず、申し訳ございません!
  • 「774さんいますか?」「蒟KITさんいますか?」特にお二人の人気は圧倒的でした。
  • 後にムーさんも言ってたけど、名前控えるとかメッセージ用のメモを渡すとか、もっと上手い対応策はあったんですよね。
  • お客様「774さんの本ってどれですか?」
    ムーさん「? ああー、『初』ですよ」(一瞬固まりながら)
    お客様「じゃあそれ一冊ください!」
    架神さん「待ってください、この『テニス本』の表紙に描かれた血のりも774さんの仕事です!
    お客様「え… それじゃあ、そちらも一冊…」
    オレ(これまたすごい交渉力で生活費を確保した!!)
  • 774さんのファンパワー、恐るべし。架神さんの商売上手、恐るべし。
  • 午後を迎える頃には、エッジさん黒鈴さんジャンプ感想戦士(!)が、続々と助っ人として売り子に参戦。背後には心強い味方がこんなにも!
  • 「私が女子高生だったら絶対応募してたのに…」と言い残す美人なお姉さんが続発した件。
  • というか、テニス本(というか架神さん)に集まる女性客は例外なく、美人なお姉さんだった件。
  • 架神さんの女性人気に嫉妬。超嫉妬。
  • ある時には、女性客が連続して「私が女子高生だったら…」と、天丼芸が始める始末。
  • 架神さんが席を外した後も女性客が続いていて、そのお客様は「私も言おうと思ってたのに…」とでも言いたげな、すごく残念そうな表情をされていました。
  • 来年は女子大生以上を募集してハーレム海水浴にすればいいじゃないか!!
  • 当然、綺麗な女性に人気ナンバー1の同人誌は『テニス本』でした。ガッデム!!
  • 総じて、ものすごい敗北感を味わいました。
  • 机上のグリード様ペーパークラフトは一度も倒れませんでした。安定性抜群!
  • 見本誌用のカバー付き同人誌が途中でどこかに消えてしまう。間違って売っちゃった…。
  • 前日にネットラジオで宣伝と激励を下さったシータさんも駆けつけてくださいました。ホントは一緒に売り子になってほしかったけど、スペースには売り子で人が溢れていて、ゆっくりしていただくことも適わず…。
  • シータさんも売り場の状況を察して、あちこちで時間を潰しながら、間を置いて遊びに来てくれました。知ってる顔が応援してくれると元気が出ます。差し入れもありがたかったです!
  • 一度人集りができると、連鎖反応で絶え間なく売れるのだけど、人が掃けるとなかなか売れなくなる現象が見られました。
  • 男性客が圧倒的かと思いきや、意外にも女性客が目立ちました。
  • 男女比は感覚で4:6といった感じ。「お日柄」なのかバランスがよかったです。
  • お客様「お使いを頼まれてきたけど、面白そうなのでもう一冊ください」という言葉に感激しました。お買い上げありがとうございます!
  • ちょっとした言葉にも簡単に胸を打たれてしまう。歳なのかなあ。
  • 楽しさと嬉しさで疲労感はまったく感じませんでした。できればフルタイムで売り子をやってたかった! 残念!
  • だけどこの面白さと感動は、他の売り子にも体験してほしくって、オレは2時過ぎにはスペースを抜けました。空間に比べて人員過多になっていましたし…。
  • しまざきみさえさんが来たことを後で知り、ショックを受けました。SnowSwallowの黎明期からお世話になっていたWJ感想サイトの一つで、ご挨拶すらできなかったのは悔しい!


売り子に話しかけたかった皆様へ

本をお買い上げになる際、売り子陣に話しかけたそうな目をしていた方が時々いらっしゃいました。恐らくは「忙しそうだから…」と遠慮した方が多かったように思います。中には、J影虎さんのように遠方から足を運んで、ムーさんや架神さんみたいな、有名サイト管理人へ挨拶をしたかった方もいたと思うんですよ。

そうした方々のために「メッセージボード(スケブ?)」を用意すればよかったと、今回はつくづく思いました。こちら側でもあらかじめ「誰はこの時間フリーになる」というスケジュールを組んだり、告知ボードを別途張り出しておくなどすれば、都合をあわせて対話も適ったはずなんです。その辺の準備を完全に怠った、すっぽ抜けていたと猛省させられました。申し訳ございません。

何が残念かって、この件は「本を買いに来てくださった人」だけでなく、「本を出した人」にも大きな痛手なんですよ。この手のちょっとした挨拶が別の知り合いを生み、何気ない接点が新たな可能性をもたらすことを、自分はこれまでのサイト運営から深く実感しています。

今回、本を買ってくださった方々と接点を持つ「きっかけ」を取り逃したのは間違いなく失策でした。オシャベリは無理でも、何らかのコミュニケーションを取り次いでおくべきでした。その辺りは大いに心残りがあります。二度目はないだけに、ハッキリ言ってすごく悔しいです!


差し入れをくださった皆様へ

売り子中はほとんど手を付けられませんでしたが、休憩中や後片付け、二次会でごちそうになりました。体内に取り入れなくても、そのお気持ちだけで元気一杯に働けました。差し入れをくださった皆様、ごちそうさまでした!

「1714. 2008年夏コミ・オフレポ! - その4」へ続く。