1657. これで攻略! 四系統のWebコミュニケーション

誤解を恐れず提案しますと、コミュニケーションツールは二種類に分けられます。ここではそれを、以下のように総称します。

  • 接触型コミュニケーション
  • 接触型コミュニケーション

接触型コミュニケーション」は更に、(1)直接的な評価を受けるサービスと、(2)直接的な対話を要するサービスへ分類できます。翻って「非接触型コミュニケーション」は更に、(3)間接的な評価を受けるサービスと、(4)間接的な対話を要するサービスとなります。具体例に直して整理しますね。

  1. 直接的評価サービス接触型) : ブログ、個人サイト、...
  2. 直接的対話サービス接触型) : mixiMSNメッセンジャーSkype、...
  3. 間接的評価サービス(非接触型) : はてなハイクニコニコ動画(投稿者)、...
  4. 間接的対話サービス(非接触型) : TwitterIRCニコニコ動画(閲覧者)、...

結論を急ぎますと、Webに蔓延るコミュニケーションツールは、上の四系統いずれかのタイプに属すというお話です。そしてまた、各系統は人を選び、サービスと利用者には相性があるのです。

…以上が、本記事で掲げるテーマです。早速、血液型診断のような怪しさが漂ってまいりました。


二種類のコミュニケーションツール
まずは『接触型コミュニケーション』と『非接触型コミュニケーション』、それぞれを紐解きます。

接触型コミュ」のキーワードは『自分だけの居場所』です。例えばあなたと関連深いコミュニティを探して、そこで「居場所」を見つけ、定住し、発表し、表現し、アイデンティティを確立する。これはつまり、『他者から認識されたい』という目的です。

あなたの存在を、主張を、意見を、大勢の他者から認識される。認められる。共感される。それはたいそう嬉しく、気持ちがいいでしょう。かくして「自分の居場所」は拡大されます。この過程で、多くの他者と触れ合い(直接的な対話)、あるいは、多くの他者から様々な意見をいただく(直接的な評価)ことになります。

「非接触型コミュ」のキーワードは『既存空間への参加』です。特定人と仲良くする必要性には迫られません。名目上はコミュニケーションツールですが、全体を取り巻くは「付かず離れず」の空気感。微妙な皮膜が透けて見えます。

しかしながら、あなたは誰かさんと言葉を交わし(間接的な対話)、誰かさんに評価される(間接的な評価)機会を得られます。ここで一般に『誰かさん』とは知らない人(半匿名)です。もちろんキチンと調べれば、人物像はぼんやり垣間見えます。名前やWebサイト、誰経由からの知り合いか。それを調べても構わないし、調べなくとも支障ありません。

『自己表現』という磁石を使い、「接触型コミュ」は他者に引力をかけ、「非接触型コミュ」は他者に斥力をかける感覚です。


接触型コミュニケーション
接触型コミュニケーションの二系統を解体します。

直接的評価サービス(ブログ)のスタンスは、大きなコミュニティ(例えばWeb全体)に対する『発表の場』です。発表を繰り返せば、あなたの意見をより大勢に反応してもらえます。

直接的対話サービスmixi)のスタンスは、閉じたコミュニティ(例えば友達グループ)に対する『表現の場』です。表現を繰り返せば、あなたの人格をより奥深く理解してもらいます。

あなたと他者が面と向かい、直接的に意見交換する点において、両サービスは同類します。そしてまた、接触型コミュの最たる特徴に、「○○疲れ」の発生があります。散々に語り尽くされた話題ですが、完全に割愛するのも忍びないので、甘撫で程度に触れておきます。

ブログ疲れは、「自分だけの居場所」が「ビジターを意識する居場所」へ変異することで発生します。アクセス数、更新頻度、話題性、ネタの純度、固定客の趣向、SEO……。安住の地はいつしか軍事国家へ。心を磨耗し、時間を消耗し。挙句にキャパシティを超え、その末にパンクします。

mixi疲れは、「自分だけの居場所」が「対人関係を意識する居場所」へ変異することで発生します。密室で密接なコミュニケーションを促すSNSは、特定相手の顔が見えやすく、常に人間関係を意識させます。特にSNSネットとリアルで体面を切り替えるのがタイヘン。差し障りないテキストを書いたり、複数アカウントを管理したり。プライベート時間まで人間関係を煩い、パンクします。


接触型コミュニケーション
接触型コミュニケーションの二系統を解体します。

間接的評価サービスはてなハイク)のスタンスは、大きなコミュニティに対する『投稿の場』です。投稿の際、あなたという人格の大部分が消失します。自ずと、エントリの内容に対する純然な反応を得られます。

間接的対話サービスTwitter)のスタンスは、閉じたコミュニティに対する『参加の場』です。コミュニティに溢れる発言の流れを観察しながら、自分も適当に発言するなどして楽しみます。時にはあなたの発言にリアクションを受けたり、対話も発生します。

流れる情報に注目し、情報の発信・受信者が隠れる点において、両サービスは同類します。単純に、面白いかどうかの世界。あなたはさながら、仮想世界を楽しむプレイヤーです。ところで、こうした非接触型コミュは昔から存在しました。ただし、RSS基盤の整った Web2.0 で開花したと思います。俗っぽく言うとコミュ2.0ですね。仕組みはいたって簡単。

  1. あなたのエントリはすべて個別にRSSフィード化される
  2. 特定のRSSフィードに対しリアクションを受ける
  3. \(^o^)/

最たる特徴として、相手はRSSフィードにリアクションしたつもりです。つまり情報の遷移は「相手→RSSフィード」であり「RSSフィード→あなた」となります。これすなわち『非接触型』です。

裏を返せば、あなたの次の一手なくして、新たなリアクションは起こりません。リアクションが欲しい時だけ顔を出し、何もしなければコミュニティに煩わされない。実はこちらの方がよっぽど「あなただけの居場所」という皮肉。その代わり、周囲とのつながりが希薄です。まるで、一人用ゲームをやりこむプレイヤーですね。


四系統のサービスまとめ
四系統のコミュニケーションサービスについて、ここで一度まとめます。

直接的評価サービス

  • (外部環境)大きなコミュニティ(最大はWeb全体、大きいほど有利)
  • (外的変化)自分だけの居場所 → ビジターを意識する居場所
  • (スタンス)発表の場、大勢に認識してもらう
  • (ストレス)サービス精神の向上に努める
  • (+の作用)知名度の上昇
  • (−の作用)プレッシャー、モチベーションの低下

直接的対話サービス

  • (外部環境)閉じたコミュニティ
  • (外的変化)自分だけの居場所 → 対人関係を意識する居場所
  • (スタンス)表現の場、自分を理解してもらう
  • (ストレス)対話や人脈作りに努める
  • (+の作用)人間関係の充実
  • (−の作用)人間関係の煩わしさ、安らぎ空間の欠如

間接的評価サービス

  • (外部環境)大きなコミュニティ(大きいほど有利)
  • (外的変化)既存空間への参加→仮想世界のプレイヤー
  • (スタンス)投稿の場、投稿内容だけに反応してもらう
  • (ストレス)注目を集めるネタ作りに努める
  • (+の作用)肩書きに左右されない評価なので、自信に繋がる
  • (−の作用)モチベーションの低下(反応がない時など)

間接的対話サービス

  • (外部環境)閉じたコミュニティ
  • (外的変化)既存空間への参加→仮想世界の傍観者(兼プレイヤー)
  • (スタンス)参加の場、適当に観察して適当に発言する
  • (ストレス)注目を集める話題作りに努める
  • (+の作用)暇つぶしになる、賑やかで寂しくならない
  • (−の作用)時間の無駄使い

四系統のサービスと四系統のタイプ
ここからは、利用者のタイプを四系統に分類します。

本記事では「ブログ=直接的評価」と決め付けて進行しました。実際には、ブログを「直接的対話」に活用する方も、mixiを「直接的対話」に活用する方も、大勢いらっしゃいます。そこで、利用者のコミュニケーションタイプを問わなければなりません。

ブログは「直接的評価サービス」として活用すれば最大の効果を発揮します。ならば、ブログを「直接的評価サービスと相性のいい人」が活用すれば、おそらく素敵な結果を生むでしょう。個人サイトの平均寿命は3年と言います。長続きする人は『直接的評価タイプ』なのでしょう。

mixiは「直接的対話サービス」ですが、実際はブログ的な利用で成功する人もいるでしょう。これは、利用者が『直接的評価タイプ』で、自己流の使い方を続けた結果です。サービスは器に過ぎず、利用者次第でどんな料理を並べられるのです。

Twitterが3日で飽きた方は、単に「間接的対話サービス」と相性が悪かったという話です。または、TwitterSkypeMSNメッセンジャーのような「直接的対話サービス」の代物だと誤解し、理解を得られなかったのです。運営側視点で考えると、サービスの系統は、利用者に伝わりやすい方が有利です。

あなたの場合、どの系統のサービスなら長続きするか。成功するか。有意義に活用できるか。以下を見極めることが、プレリサーチの好材料になるでしょう。

  • ツールのサービス系統を見極めること
  • あなたのタイプ系統を見極めること

なお、ここまでは説明優先のため、ブログは「直接的評価サービス」とかテキトー吹きましたが、実際は「直接的対話サービス」としての要素も高いです。つまり、複数の系統を備えたサービスということです。そしてまた、複数のタイプ系統を備える人もいるでしょう。


四系統のコミュニケーションタイプ
というわけで、本題です。(前置き長ッ!)

利用者のコミュニケーションタイプについても、傾向分けは可能と思います。そこで、ここまでに述べた四系統の分類から、逆説的に利用者のコミュニケーションタイプごとに傾向を導きました。7問のうち、まあだいたい5個以上当てはまれば、あなたはそのタイプだということです!(超適当)


直接的評価タイプの傾向診断
このタイプの人は、自分だけの空間をイチから形成し、そこで自身の主張や感想を表現したり、イラスト、マンガ、音楽、映像などの作品を発表するサービスに向いています。

  1. 発表の場がほしい人
  2. 発表した作品の意見や感想がほしい人
  3. 大勢の興味関心を惹きたい人
  4. 同じ趣味を共有する場所がほしい人
  5. 実力の近い人と切磋琢磨したい人
  6. サービス精神旺盛な人
  7. Web上で一花咲かせたい人


直接的対話タイプの傾向診断
このタイプの人は、自分だけの空間(mixiメッセンジャー等)の中で、友人と対話したり、自己を表現したり、人脈形成のため何らかのコミュニティへ参加できるサービスに向いています。

  1. 閉じた場の方がモチベーションが高まる人
  2. 仲良しの友達に、もっと自分を知ってほしい人
  3. 仲良しの友達を作りたい人
  4. 同じ趣味を共有する仲間がほしい人
  5. 何でもいいからたくさん返事がほしい人
  6. 人付き合いが大好きな人
  7. 知人・友達は100人でも1000人でもほしい人


間接的評価タイプの傾向診断
このタイプの人は、既に形成されたコミュニティエリアを利用して、自分のネタやイラスト、音楽や映像などの作品を公表できるサービスに向いています。

  1. 投稿の場がほしい人
  2. 人が大勢集まる場所に投稿して、作品を見てもらいたい人
  3. 投稿した作品の率直な評価がほしい人
  4. 類似ジャンル共有できる場所がほしい人
  5. ハイレベルな作品に感化されて燃える人
  6. 周囲に左右されず、好きなタイミングで投稿したい人
  7. 投稿した作品で大勢を虜にしたい人


間接的対話タイプの傾向診断

このタイプの人は、既に形成されたコミュニティエリアを利用して、その空間に絶えず流れるコメントやログを鑑賞し、時に発言し、大勢の中に参加できるサービスに向いています。

  1. 参加の場がほしい人
  2. いろんな人の意見、行動、発言、感想を読みたい人
  3. 暇つぶしがてら、楽しい気分になりたい人
  4. 面白くて賑やかな雰囲気が大好きな人
  5. ごく稀に、自分へのリアクションがほしくなる人
  6. プライベート時間を束縛されるのがイヤな人
  7. ゲーム感覚の雑談が好きな人


傾向の分析
複数のタイプ系統を備えていたらラッキー。色んなサービスを楽しめる素質があるということでしょう。ちなみに、傾向診断(1)〜(7)の内訳は、このようなカテゴリになっているのでした。あなたが該当した項目番号と、下のカテゴリ番号を照合すれば、違った意味で自分の趣向を分析できるかも…?

  1. 場について
  2. 目的
  3. 期待する結果
  4. ほしいもの
  5. 良い刺激
  6. 相性のいい性格
  7. 野望


はわー、長かった。こんな記事を仕上げるために、プライベート時間を二日間も費やしたのでした…。そんな自分は、実は「間接的評価タイプ」です。はてなハイク、面白い!