1604. 先行感想 - エム×ゼロ M:27「魔法部解禁」

いつもあっさり目の扉絵だったり、先週なんかカードのロゴだけで誤魔化したり、とにかく扉絵に地味な印象があったエム×ゼロ。しかし今週は違いました。明らかにCG塗りですけど、このクオリティはTVアニメ以上のデキだなあと惚れ惚れ。勿論、動画のアニメ絵と扉絵の制止画を一緒くたに評価する方がおかしいんだけども、キレイすぎて一分くらい眺めてました。

カードのレベル
一学期の魔法試験をクラストップで通過した愛理愛花(誤字指摘ありがとうございます)たちが、現時点最高位のホワイトアイアンまで地味に昇格してるところに嬉しさがこみ上げる。この辺の設定はコミックスで補填されてるのかな? いずれ作者の内輪解説が入るだろうし、この際コミックスも買ってみようかな…。*1


タイトルがエム×ゼロ
九澄の持つカードの今後について、柊先生「どうするかはお前の自由だ」とかなんとか言っちゃってますが、タイトルがエム×ゼロなだけに今後の展開は見え見えです。そこで読者の興味は、九澄がどのようなきっかけから、「M0プレートのまま」学園生活を過ごす決断を下すのか、という一点に絞られますね。

この流れを受けての「魔法部解禁」でした。プレートの選択と魔法部の選択。一見して全く関連性のない二つの事象が、九澄の「魔法を使えない」という起因の下、キレイに紐付けされるまでの展開の流れが素晴らしいです。やはり叶先生、本作の連載に入ってから脚本力の切れ味がオカシな具合に昇華されております。


薬品で似非魔法使い
RPGによくある「北極の風」「ボムのかけら」「大地のドラム」みたいなヤツね。使うと○○の効果、みたいな。ゲーム上では使いどころがないままクリア後まで残るアイテムの代表格なんだけど、魔法を使えない九澄にしてみれば絶好のアイテムなわけ。今後M0のまま学園生活を送るにしても、最低限の保険はこれで代用することができそうだ。

今まで魔法使うことを嫌ってたのに、急に(薬品で誤魔化して)魔法を使い始めたら、それはそれで違和感があるんだけれども。多弁で難を逃れて精神的に疲弊し、その行き着く先は『ドラッグに頼る』という絶望的な展開も、「魔法学園モノ♪」という夢と希望のオブラートで包み込んでしまえば、こんなにもファンタジーな少年少女向け漫画になるんだなあと感心しっぱなしであります。


魔法部解禁
これがエム×ゼロでなく絶望先生だったら、血眼になって『魔法ゲンシケン部』を探したに違いない。今まで、魔法色とラブコメ色を強調しすぎた分、割を食って色褪せていた学園色が、ここ最近の「魔法試験」「魔法部」で一気に鮮やかさを取り戻しましたね。ホントはもうちょっと、一話完結的な短編で、日常の学園生活を覗いてみたい気持ちなのですが…。

愛花の反応
九澄の暴走を目撃して、ものすごーく微妙な表情で嫉妬めいた反応を見せた愛花、この絶妙な歪み具合がめちゃめちゃ可愛かった。これは惚れた! 「プレート選択」「魔法部選択」だけでなく「ヒロイン選択」までを、たった一話に混ぜ込んで、キチンと整合性まで整っている!

あな恐ろしや… 新生・叶先生の脚本力……ッ!!

*1:普段漫画本を買わない人間なので、一巻を買うまでが億劫。