1599. 「自分だけの物語」を楽しむ行為、それがレベル上げ

自分は、自他共に認めるレベル上げ大好きっ子。レベルと名付く代物は、やれるトコまで貯めたがるのが性分です。ROもオーラを吹いてから引退しました。現在はテトリスDSのエンドレスモードでLV999を目指しています。MMORPGテトリスの場合は少し内情が異なるけど、家庭用RPGのレベル上げも大好きです。

RPGってのは、制作者側が仕込んた筋道に沿って、シナリオ(物語)を解き明かすコトが、ゲームの本質です。オレの場合は物語至上主義なので、ゲーム性や操作性を問わず、物語がよければ良作と判断します。もちろん、物語や世界設定の雰囲気にあったゲーム性・操作性であれば、なお秀作ですが。

小説・ドラマ・マンガにおける物語は、制作側から与えられた情報をダイレクトに受け止めるしかありません。参加者(読者)はこれを受け、登場人物に感情移入することで、作中世界を疑似体験します。より物語至上主義の観点でいうなら、物語の整合性に裏付けをとったり、作中テーマの解明したり、各局面での作者の思惑を読み解こうとします。

その観点からいくとゲームってのは、小説やマンガとは異なります。なにしろ、自分の意思が本編に介入できるのです。意のままにプレイヤーを操ることで、物語進行に融通が利きます。『レベル上げ』という行為は、参加者(プレイヤー)からすると、『自分が物語を作ってる感覚』を味わえるわけです。

ゲームの次元構造

上図で話をまとめます。小説等の次元構造は『一層(制作側)』『三層(「作中世界)』の二層構造です。読者は三層を読み解いて作中世界を堪能します。あるいは、三層の物語構造やメッセージ性を調査し、一層の思想を理解しようとします。

一方、ゲームの場合は上図に示す通り、次元構造が『二層(プレイヤー)』を交えた三層構造です。第三層は、二層目のフィルタを通して構築されます。完全な介入こそ不可能ですが、ある程度の影響力を持ちます。このフィルタこそ『レベル上げ』の正体です。

お金貯め、アイテム収集、経験値稼ぎは、物語を読み解くという本質行為から外れた内容です。自動車で例えれば、それは『アクセルの遊び』の部分。すなわち、プレイヤーの自由意思で物語進行の緩急を制御できる要素。ゲームクリアだけが目的なら、レベル上げも装備集めもいりません。しかしながら、”その行為”に没頭すれは、自分のペースで物語を進行できます。何よりシナリオの幅も広がります。

例えば、Aシナリオ〜Bシナリオの間に、レベル上げをしたとします。すると、プレイヤー意思によって編集された『お金を貯めて修行した』というA'シナリオが追加されるのです。ごく個人的な意見だと、レベル上げに代表されるオマケ要素の遊び方ってのは、自分だけの物語を楽しんでいる感覚を強く実感します。

この説を突き詰めると、ゲームにおいて『主人公に感情移入する』という表現は、微妙に違ってきます。言わば『物語に感情移入する』ということ。だからRPGってのは、自分がやり込んだ分だけ、強く思い出に残ります。