1594. 週刊少年ジャンプ - 47号

週末、秋葉原でショッピングしたら抽選券を貰って、リポビタンDを3本ゲット。仕事の忙しさで時間・体力共に底をついてる今、『これでも飲んで今週も感想を頑張れ』と、神サマから施しを授かったような気分です。今週は何曜日に仕上がるかなあ…。

 
 表紙はONE PIECE。厳かな衣装からは王者の貫禄が漂うなあ。黒旗に浮かんだ「ジャンプ」の文字が、布の上でで波打ってて、この演出はニクイね。
ドラゴンボールZ 遥かなる悟空伝
 過去のリメイクを思わせるカードバトル式ゲーム。マップ移動にLV概念、アイテムやキャラクタ召喚のお助けカードもさり気なく復活してて、懐かしい気持ちになりました。ハードにNDSを選んだのも納得。ボード画面とカード画面は分けた方が便利そう。
ジャンプスカウトキャラバン
 四コマ漫画まで投入して、地味なところで営業活動。大石先生って本当にマメな人だなあ。マスコットキャラ「キャラバニー」は、果たしてスカウトイベントに必要なのか。それが最大の問題だ。
 だけどこのページ、一番の笑いどころは「お待たせしたぜ!! 各会場大決定だ!!」で紹介される、各会場名のシュールさだ。『名駅ガーデンビル401号室』『広島リーガロイヤルホテル』『きょうさいサロン松の間』など、明らかに個室で面接を受ける状態。ジャンプフェスタと似たようなイベント紹介のくせして、緊張でドキドキしちゃうよ!

健闘枠: ONE PIECE
特集枠: なし

* 1(-) ONE PIECE ワンピース
章の区切りで話が一気に進むONE PIECEの先行感想はこちら。

「劇場版○○」とかによくある、一番美味しい場面を冒頭に持ってくる王道演出でたー!

ゴーラ・モスカの正体
ゴーラ・モスカは見るからに人間離れしてたけど、中身は絶対に乙女っ娘だと期待してたのになあ…残念。純然たる兵器なのか、それともサイボーグなのか。設計図を見ると「キカイ100%」って感じだね。つかこの設計図、手が込んでいて、ついつい見入ってしまう。リボーンは、些細な背景・小物も手を抜かず、緻密なデザインを欠かさないサービス心が素敵ですよね。

ヒバリ戦と今後
ヒバリ戦の勝負の行方は『引き分け』で終わり、ボス対決で締めるのが無難か。『ゼロ地点突破』の修行は、その伏線だろうし。ところで、並行進行してるイタリアの裏パートが、いよいよ本編と絡み出した。ディーノはヒバリ戦の日の午後にはイタリアに発った様子。

ともすれば、ボスバトルはイタリア対決って可能性も示唆できる。だけど、リボーンは今まで『学園』の枠を逸脱していない。おそらく天野先生が、そうした作中ルールを定めてるんだろう。「ツナ達が国外に飛び出してバトル」って予想は、その想定から脱するわけで、かなり違和感を覚える。できれば、リング争奪戦は国内だけで、裏パートはイタリアだけで完結していただきたい。

リボーンにおける「リアル」
一度でも学園の枠を超えると、例えばBLEACHのようになりそう。つまり非現実な世界観を見せすぎると、リアルな世界観が希薄になってしまう。イタリアやマフィアの世界をどっぷり描いた後では、「学校」が再登場しても盛り上がりに欠ける現象が発生する。結果、すぐに別の『異世界』へ飛び出すことになり、アンリアルの悪循環にハマってしまう。せっかく、現実世界の繋がりを保つリボーンなのだから、その長所は最後まで発揮していただきたいところです。

* 3(1) BLEACH
『カッコイイ台詞』一つを1オサレポイントで換算するなら、昔は「5オサレP/話」ぐらいだったのが、今話は「40オサレP/話」のレベル。一ページ当たり2オサレPを稼がないと、むしろ担当から差し戻しを要求されるの。担当「貴様のその心と躯は 一体何のためにある? 信じろ! 我等が筆(やいば)は砕けぬ!」とか、アシスタントを巻き添えに円陣を組みながら檄を飛ばしてくれるの。今週は終盤、怒濤のポイント巻き上げを見せました。「展開が遅すぎる」とか「パワーバランスのインフレ云々」なんて課題、端から久保先生や担当編集の眼中には無かったのですね。

* 4(3) 銀魂
天丼芸に始まり天丼芸に終わる…冴えまくりのギャグパートでした。もはやタイトルで撃沈だった。「カーテン」「ゴスロリ」「ロフト」って三単語のいずれかが登場するだけで吹いてしまう状況。後半も「バベルの塔」やら合コンネタやら、まったく失速せず、むしろ(下品な)ネタが等加速度運動する始末。気が休まる間もなく19ページを突き抜けた! これが率直な感想です。一種のトランス状態に陥ったもの。今話は「鍋レオン」や「雪祭り」に居並ぶレベルで、思い出のマイベストになるハズだ。

大河ドラマにありがちな死に方とダブりました。弟子とか家族とか生徒に、一人ずつ言葉を与えて過去回想を交える演出なんてガチです。これ、お年寄りには大ウケの演出なんでしょう。あれくらいクサくてクドい方が、かえって「分かりやすい」んですよね。最後まで人前で涙を流さないシカマルが、「タバコの煙」と「大雨」を口実にして号泣きを誤魔化す演出は、極めてカッコイイ場面に思えました。

先週紅が水を差して散った白バラ(?)は、今週の回想でアスマが贈った花束だったのか。だから紅の思考は咄嗟に、花とアスマをリンクさせたのね。こっちは分かりづらいし確実性はないけれど、そう考えると切なかったりする。で、最終的に残った玉の謎だけど…

【ナンバー316:修行、始め!! より】

  • 「上手相手に”玉”を守る為には 犠牲もやむなしってやつだ」
  • 「今頃になって”玉”の大切さが分かってきたのさ」
  • 「”玉”は誰だか分かるか?」「火影だろ?」
  • 「オレもこの前まではそう思ってた けどそうじゃなかった…」
  • 「お前もその時が来れば分かるさ」

当時はナルト修行編の流れから「火影を継ぐ者(里の若者・幼子)」なんて漠然と予想をしてた。だけど、アスマと紅がここまで親密に描かれた以上、その予想はもっと具体的に絞り込んでよさそう。「お前もその時が来れば分かるさ」って言いぐさは、シカマルを子供扱いしてるわけだし。玉=、家族、恋人、妻、我が子(だからカカシに報告したんだねえ)、そんなところに落ち着くんだろう。

なぜこのタイミングでいとり先生の長編だったんだろう…。事前に断りが無かった分、もの凄く深読みしてしまうよ。四コマなら全く許せるレベルでも、長編になると途端目に付く画力の乏しさ。何もかも台無しにしてる印象…。

王城大との試合はしっかりクローズアップしてほしかった。宿敵の割には、王城っていつも試合は流し気味なのが腑に落ちない。煽り文『真の力解放』ってのを、紙面で表現して納得させて欲しいよ。王城の学園祭は、クイズ大会あたりからアメフトの学園祭に限定されてるのも強引。せめてあのクイズ大会が、アメフト部主催だったら、十分に納得感あったのに。あと、ヒル魔の隠密行動に栗田を連れたのはダウト! あんな巨体を曝してスパイ活動しちゃ、見つけてくださいって言ってるようなものだ!

破天荒のワニワニパニックまでの間の取り方を読んで、澤井先生本来の切れ味が戻ってきたと安心できました。銀魂で桂さんが「攘夷でJOY」とか言ってたら登場したJOY名人。空知先生と澤井先生は、宇宙電波を受信するアンテナの方向が近いのかも…。

* 9(10) D.Gray-man
「何回殺せば死ぬんだ お前」って台詞を語っておきながら、最終的に死んでないスキン・ボリックさんの矛盾思考に萌えた。「ノアは人間」だと主張しながら、一方で「不死」を主張する矛盾思考に萌えた。三幻は命を吸う替わりに、超高速で傷を癒すらしい。この設定、よくよく考えてみると、ものすごく矛盾してる気が…。命を吸われながら生命力が漲ってる状態って一体。

* 10(11) P2! -let's Playing Pingpong!-
メジャー競技・卓球と、マイナー競技・ハンドボールの差が、ここにきて明確に表れた印象。野球・サッカー・卓球など、誰もが経験するであろうメジャー競技は、基本的なルール説明を省いても、読者は問題なく読み解ける。だからスポーツ性に依存せず、人間ドラマに集中した進行ができる。

碁やアメフトやハンドボールなど、マイナー競技はこうもいかない。『未経験者の主人公』を読者の等身大にあてらい、競技の基本説明を交えながら少しずつスポーツを描く必要がある。江尻先生、板倉先生の両名は、その点をよく分かってマンガ作りしてるなあと感じます。

* 11(18) エム×ゼロ
じわじわと掲載順が上昇中。今の掲載順は試験編開始頃のアンケートに依存してるのかな。先々週までの掲載順を考えると、『エロ×ゼロ』展開はよほど読者の期待離れだったのかと頷けてしまう…。叶先生のドラマ作り、伏線や細工の盛り込み方に魅力を感じてる自分としては、エロやパンツがゼロだろうと、一向に構わないんだけど。打ち切られるくらいなら、エロに走ってでも安定を望みます。

例えば、愛花がスケボーに変身する口裏合わせなんて、あの時点じゃ誰も予期できない細工だ。叶先生はあの時点から、事の顛末を明確に決定していて、今週までの展開を描けていたと言える。行き当たりばったりじゃない、物語の基盤がしっかり練り込まれ制御できている『安定感』こそ、叶先生の漫画家としての一番の魅力だと思います。この安定感は「脚本付き」としか思えない…。今後も精一杯のファンでいたい作品。

分身チヨを眺めてる右側のギャラリーがエロすぎる。大人版に戻った男子生徒の背中に、半身の男子生徒が寄り添って…こいつらはガチだ!!

いつになく弱々しい握力で頭をつかまれながら「そうなんです…」と羞恥プレイを受けて赤面する弥子。ネウロ力強くされないと満足できない身体に飼育されちゃった弥子。今時の女子高生はエロ過ぎます。

スフィンクスとの肉体戦はネウロが打破し、パスワード入力は弥子の『内面を視る力』に委ねる演出が熱い。ネウロは弥子の人類進化能力をちゃっかり見抜いてたんだね。春川のパスワードは、今までに作中ヒントが出てたんだろな。サッパリ思いつかないダメダメ読者がここに。脳の研究者にちなんだキーワード? 愛人や恋人、尊敬する人物が居そうなタイプの人間じゃないし…。次週いきなり解答編とはいかないだろうし、パスワードの解も含め、じわじわ表れそう。

* 13(-) BABY DEVIL エピルくん(読み切り)
風間先生といえば集英社生粋のハードSMマンガ家だけど、エピルくんは「宇宙商人ポメットさん」ほどの迫力もなく、平凡古風な少年マンガに纏まったのが残念。「ルシパー」と「ポメット」の造形が激似(というか同じ…)で、むしろ気分が萎えてしまった。ハードSの女性キャラが登場しないと、ルシパー(ポメット)というキャラクタは全く見栄えしないんだなと実感できた。

* 14(6) HAND'S
「おみまいに来てるときはずっとああして待ってたんだよ」って、そのゴールポストも含めてだよね。これがホントの駐車迷惑。そのゴール、絶対西岡父のクラブからガメてきたんだろなあ。『大吾くん…』と感極まる西岡父に、感動とは異なる意味の涙を感じました。なんて大迷惑なヒーローなんだ…。

西先生お得意の『逆転に次ぐ逆転』によるバトル展開開始。一つの戦いが長引く欠点さえ何とかなれば、意表を突かれる展開は面白いんだけどなあ。細かい点だけど、ミックは髪の毛をぶち抜くんじゃなく、指をナイフ化してカットすればいいのに…。

「速攻で剣を折る」作戦は、現在六氷たちの手持ちカードの中に存在しないという結果に。六氷は魔法律書がない。毒島さんも梅吉しか使えない。この時点でミックを打破するには『肉体の契約』を用いる以外に手段なし。とはいえ、ここで毒島さんを失えば、六氷らはトラックという足を失う。これ以上の戦いは無意味だから、負けを認めて退散するしかない展開か。

しかし今週の引きを見ると、六氷の方にも隠し球があるみたいで。少なくともミックの見せ場、六氷の見せ場、双方を描くだけで、あと二週はバトル展開が続くんだろうか。ああ、うんざりだ…。

新キャラ・沙姫のパンチラ(パンモロ?)は、「惜しげもなく」というよりむしろ「余裕がない」ように感じる。可愛らしい新キャラはすぐにサービスせず、数週間引っ張って読者を焦らす方が、より人気を維持できるんじゃ無かろうか。とはいえ、単純さが最大の売りのToLoveるだから、そんな器用な真似は応えて考えない方針なんでしょう。単純さ故の弊害である「底の浅さ」が浮き彫りになれば、今後の人気低迷に拍車が掛かってもおかしくない。

パンチラの次は脱がすことを第一に考える長谷見先生の脚本なら、次週は「沙姫のシャワーシーンで見開きぶち抜き」も十分ありそう。次点で、沙姫にお付きの二人がパンチラサービス週かな。

『頭ごなしに叱る部長を、両さんが実力込みで見返すプロット』の話は、いつ読んでも爽快感ある。ガンディーニ来日の回があまりに懐かしくてジンときた。世界最強のバイオリニストのテクを、まるで車輪眼持ちの忍者の如くコピーする両さんは実に壮絶。サイレントの所為で過大評価されていく光景も滑稽で、ギャグも効いてた。オチに至るサボリ癖も両さんらしくて、今週は様々な『こち亀要素』が詰め込まれた素敵な一話だったと思います。

さすが『テニスのバイブル』こと白石さんだぁーっ。その知識量たるは、テニスだけでなくテーブルテニスの領域にまで及び、ついには『東京大学物語』の卓球勝負でおなじみネットに引っかけてインするあの技で、不二の百腕巨人の門番を攻略打破! 誰もが思い知った、村上直樹は偉大であると。

丸男の帽子のマークが「3」なのは、「Mだとマリオで逆さだとワリオになるから」という苦肉の策! 同じ理由で隆次も「7」で誤魔化したのは笑。しかし今年はDSにしても、ゲーム売り上げにしても、完全に任天堂天下だったなあ。なんてことを、太臓を読んでいてひしひしと感じました。大亜門先生はその時々の時事ネタに敏感すぎる。

* 20(19) OVER TIME
女の子に乱暴を働いたり、野球中にハイキック放つなど集団暴行を起こす方が、よっぽど「高校球児にんなモンいらねー」ですよ。ニュースで「この男子生徒は、女子高生に乱暴を働いたとして…」と紹介されたら、金属棒ボルタは大肉棒ボルタと誤解されてもおかしくない、そんなギリギリの状況。こいつら元々、暴行事件が引き金となって廃部に追い込まれたのに、サッパリ反省してなかったり、目も当てられない…。今回の試合で目が覚めたと言えば聞こえはいいけどさ。

* 21(20) 斬
いつにも増して傷の回復力がもの凄い皆さん。斬が、貫木が、月島さんが、ほとんど無傷の状態まで自然治癒しております。刺々森「こいつを殺していいのは俺だけだ」という爆弾発言により、斬の恋愛模様は4角関係に発展。斬が戦った敵は漏れなく斬に恋をする現象だ! このまま連載が長期化した場合、斬は史上稀に見る多角関係の恋愛マンガに昇華されるのではないか。

今編の当初から裏で立ち回っていた謎の乱入者二名。男の方は討条と因縁があって、二人の対決が見所になるんだろうか。女の子の方は、もっとお姉さんだった気がするけど、胸の谷間だけお姉さんでした。「ふとももの月島」VS「胸の谷間○○」みたいなキャットファイトも実現していただきたいところ。討条VS謎の男よりよっぽど興味ある!

刺々森は金のために坊ちゃんに付いてたとか言ってるけど、とても「家庭が貧乏で…」というファッションじゃないよな。武具にしたってファッションにしたって一流の対価を払ってそう。後付け設定で「実はシャツやパンツを穿く金もなかったんだ…」と語ってくれれば納得するよ。その制服やピアスは坊ちゃんの情けで支給されたものって事で。

* ピューと吹く! ジャガー
開運法でも外れってあるんだなあ。後半は読んでてかなりどうでも良くなった。ある意味ではジャガーさんピヨ彦の気持ちとシンクロできたのかも知れないけど。女性アナウンサからの「虐げられ開運法」が見られたら、ジョン太夫さんのドM根性も相まって、面白さに相乗効果が上乗せされたかも。

  • 【一番印象に残った台詞】「ただ今 一部に不適切な表現があった事をお詫びいたします」

 

  • 尾田栄一郎先生
     あんな中途半端なところで、アニメ打ち切りの局もあるのかー!!
  • 大亜門先生
     音楽を聴かなくなるとカラオケに行きたい意欲がなくなります…。
  • 杉田尚先生
     むしろ杉田先生が喫煙していたことにショックを隠しきれません。

ジャンプ感想を初めて二年と少し。今週号の感想は、かつてなく遅い仕上がりとなりました。単刀直入に、仕事の忙しさが理由です…。