1592. 先行感想 - ONE PIECE 第431話「愛の拳」

今週号の「ONE PIECE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。
誤字指摘の数々をありがとうございます。20:30に一字訂正しました。


メリー号を弔った前話。号泣きで感動した一方、船でできることを人じゃできないのはどうしてなのか、不思議に感じました。

ところであの週、ジャンプは土曜日発売でした。最寄りのコンビニで、ジャンプを立ち読みする人の何人が泣くかカウントしたかったのですが、あいにくその日は旅行中で、企画倒れとなりました。次のワンピ感動名場面では、実現したい企画です。


ゾロの雪走と1億ベリー
錆び折れた雪走を見つめて、ローグタウンの出来事を回想するゾロ。まあ戦いの中で消耗したんだし、刀屋のオッサンも納得してくれるハズだよね。メリー号と同程度とまでは言わずとも、キチンと雪走にも事後のフォローがあって嬉しかった。

三刀流でないと本領発揮できないゾロは、新しい刀を入手するまで、しばらく苦戦を強いられそう。これはもう、名刀『鼻嵐』を復活するしか。なるほど、ウソップは刀として再仲間化を果たすのか! 一時は「象剣ファンクフリード」入手とも思ったけど、スパンダムは悪役として再登場の線が濃厚だし、別の刀になるだろうな。

刀伏線といえば『鬼徹』。ゾロが三代鬼徹を所持してるってことは、順当に行けば、初代や二代もいずれ登場するハズで。それがゾロの刀になるかは未確定だし、敵の剣士が所持してる可能性も高い。*1もしもゾロが1〜3代の鬼徹を揃えるなら、連載ペースから考えても次あたりで入手しないと、厳しい気がする。

麦わらの残り財産『一億ベリー』の使い道は、現時点じゃゾロの新刀となる可能性が高い。他に主だった使い道もないし。だけど、良業物以上の刀なんて値段を付けられる代物じゃなさそうで、『金で解決』とはいかないんだろうな。一つ言えることは、そこで研無刀の登場ですよ。


ウソップの今後
巨人族のエルバフ島に誘われ、浮かない表情のウソップ。ルフィ達と一緒にメリー号を追悼した手前、ルフィと決別の理由もなくなり、あとは仲直りを残すのみです。とはいえ、あれだけの大喧嘩をして別れを誓ったウソップだから。キッカケがないと、寄りを戻すのも難しそうだ。まるで恋愛模様のようだな!

ルフィも「ロビン救出戦にウソップは居なかった」と認識してるし。こりゃ、もう一波乱ありそうです。エニエスロビーにいたことは認識してましたね。というわけで取り下げそげキングの正体を悟ってる組が上手く動いてほしいところ。仲間の大切さを思い知ったロビンが仲介役になるのかな?


アイスバーグの理想
アイスバーグとフランキーがこうして仲良く談話してる場面を見るだけで、ホロリと来てしまう。尾田先生の過去回想補正は強烈だ。

「不可能を可能に帰る偉大な男の背中をおれ達はずっと見てきた筈だぞ」

中でもこの台詞は、ウォーターセブン編を締めるにあたり、今編のテーマを集約した名言に感じます。アイスバーグはW7を浮かべる夢の船を。フランキーはどんな海も乗り越える夢の船を。それぞれトムさんに魅せられ、一つの成果物を築き上げようとする姿に、胸が熱くなります。

ところでアイスバーグさんが、W7編冒頭に「拾った」というネズミ。こいつは鳩のハットリと同じく、ミスリードを誘うための単なるマスコットだったとは…。絶対に裏があると予想したのになあ…。


ルフィの食事
『寝たままメシを食う技』は、兄エースとの血のつながりを感じずにはいられません。今週はホント、小ネタが充実してますよねえ。きっと父親やガープのじいちゃんも、この技を会得済みに違いありません。夕飯時の食卓も、家族の団らんもなく寝ながら食事!


2億ベリーの使い道
当初の「黄金を換金してメリー号を修理する」目的は断念したものの、2億ベリーで新しい船を得ることができたルフィ達。あれだけの大イベントをクリアしたのだから、この位のご褒美はないと、ルフィ達も浮かばれないよね…。

ここまで大がかりに「2億ベリーの使い道」を引っ張った割には、なんてことない。やっぱり船の材料だった。フランキーの『二度と船なんて造らない伏線』はあっさり撤回し、驚くべきスピードで次の船の話が決まりました。というかこれ、先週まではメリー号がいたから、次の船に関する様々な伏線を一筋も露わにできなかったんだな…と思えば納得いった。


ガープ中将、再登場
バスターコールの仕組みを明かされた頃から、SnowSwallowでは度々「ガープ中将」に触れてきましたが、まさか本当に本編再登場です。そして、ついに! ついに! ONE PIECE最初の大伏線であるコビーとヘルメッポの再登場です! ワンピのコミックスを第一巻から追う読者は、一人残らず歓喜に沸いたことでしょう。

第一巻で(画力不足から)不細工に描かれていたコビーが、来週はどれほどのイケメンメガネ男子に大変身を遂げたか、そこんとこが非常に楽しみです。下手するとあのヘルメッポすら、急激にイケメン化してそうだッ…! 彼らの再登場が確定したってコトは、芋づる式にジャンゴも再登場するのかなあ。

コビーが再登場する頃には、ワンピも終盤に到達してるだろうとおぼろげに予想していたけど、全くそんなコトなかったですねえ! バギーと再会時、シャンクスと再会時にも、同じ事を言ってそうだ…。


ガープの目的について
新しい船の造船すら未着手。ウソップの再仲間化すら未達成。そんな最悪のタイミングで、海軍ガープ中将の到来。しかもガープは、ルフィが怖れる祖父だった…。これら材料をまとめると、ガープはルフィを見逃すばかりか協力してくれるんじゃないかと。コビーもルフィの味方だし。

例えば海軍には、悪い正義思想を持つ派閥と、良い正義思想を持つ派閥が共存するのではないか。前者は歴史改竄、世界支配、兵器復活を企む勢力。後者は、海軍のそうした危険思想をよしと思わない抵抗勢力。スパンダムは前者で、ガープは後者で、両派閥の存在すら知らないのがスモーカーで、両派閥を静観するのが青キジ…といった分け方ができそう。

五老星は「世界の均衡」とか言いながら、結局は自分たちの「何らかの事情」に都合の悪い出来事・勢力を抑え込んでいる節がある。手に負えない海賊を『王下七武海』と政府公認に仕立てあげ飼い慣らしたり。それに従わない白ヒゲや赤髪を『三大勢力』と呼称したり。

つまり『悪い正義思想を持つ派閥』の黒幕は、今のところ五老星が有力で。その支配に浸かりきった海軍は、内部からの抗いでは手の打ちようが無くて。だからガープは、『新しい勢力』である麦わら一味と孫のルフィに、海軍が名語る「正義」の未来を託しに来たのではないかと、半ば妄想気味に予想しておきます。