1548. 先行感想 - エム×ゼロ M18「M0プレート」

今週号の「エム×ゼロ」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。

いろいろ的中した予想
先週までの予想内容が気持ち悪いほど的中してる。長らくジャンプ感想を書いてきたけど、こうまで『数打ちゃいっぱい当たった』のは初めて。エム×ゼロファンを自称してるだけあり、嬉しい結果に!

  • 「エムゼロ」という名前の本当の由来 = 『魔法を無効化する』
  • エムゼロ発動はポイント制
  • ポイント=単位
  • 今週は柊先生が再登場して解説する回
  • 今週は女性陣がわんさか登場する回(テコ入れ)


九澄の戦い方
エムゼロの脚本は、魔法バトルを決して、力押しや勢いばかりで解決しない。特に魔法が使えない九澄は、戦闘中にひたすら動いて悩んで考える。結果、何らかの心理変化・魔法的特徴・伏線に起因した勝敗を描く。

ここで九澄は、言動にハッタリを交えつつも、結果的にはいちいち男らしい筋道を選択する。こうした『普段はヘタレ精神を抱きながらも、ここぞの場面では芯が真っ直ぐな主人公』にオレはたいへん弱い。ツボキャラだ。


普通のジャンプ主人公との違い
普通のジャンプヒーローは、片や自意識過剰、片や最強を目指す屈指の精神力と、とにかく心が強い。

そういう意味では、セナやツナのようなキャラクタ性は、上に挙げた理想像に近かった。しかし彼らは作品性の都合、ヘタレマインドを乗り越える描写が省略されがちだ。『必殺技』や『肉体的成長』を重視する余り、さほど心の変化を唱えない。この辺りで、いつも残念な思いをしていた。銀さんも理想像に類似するが、彼は既に成熟した大人。「青年の成長性」とは違ったニュアンスになる。

本作の九澄やToLoveるのリトは、普段、自分が「本当はヘタレ」と自認してる。そうでありながら、誰かのためなら自分を投げ打つ行動ができる。急にゴールドの魔法が使えたり、トランスボーイに変身するわけでもなく。特殊なパワーアップが無くとも、自身のヘタレマインドに打ち勝つ行動ができる。この点、かつてのジャンプにはなかった性質に思う。肉体的な成長より、精神的な好転を読む方が、よっぽど共感できる。


九澄とリトの特異性
だから彼らは、二人とも嫌味がない。異様にモテても応援したくなる。普段はヘタレだけど、大事な場面では心を奮い立てて何かを達成しようできる。これってつまり、現代社会の男子が抱く『精神的変身願望』を叶えてるんじゃないかなあ。普段は気持ちが弱いけど、大事の時にはくじけず頑張りたい! ってヘタレ男子、実は潜在的に多いと思うんだ。みんなホントは、そんなに強くないもんね。

だからオレは、九澄とリトを今後も応援し続けたいです。