1476. お手軽な絵本を作る七つのコンセプト

この記事は「1473. ペギープロデュース - やさしい絵本の作り方」の子エントリです。

ペギーの絵本は幼児や女性に読まれますので、活字マニア層が慣れ親しむ文学とは隔たりがあります。

例えばページを開いたら文章ビッシリの絵本を、幼児たちは好んで読むでしょうか。絵本の最大の売りは、ページをめくるたびに変化する世界だと考えます。キャラクタや世界背景のイラストがコロコロと変化する面白さ。これこそ、子供たちの好奇心を刺激するに最たる視覚効果です。

一ページ中の文章が長いと、次の「視覚変化」までに時間を要します。これでは絵本の売りが損なわれます。ペギーの絵本は、視覚変化を最重要視したい。絵本のトキメキは、グラフィカルな変化にあるのですから。

コンセプトは「お手軽にすらすら読める絵本」です。


お手軽な『絵本』を作る七要素

  1. 用紙サイズは「郵便ハガキ」の大きさ
  2. スケッチブック型の体裁
  3. 一ページあたりの文量を少なく、文字を大きく
  4. 左ページに絵、左ページに文章
  5. 画集としても楽しめる
  6. ボリューム感たっぷり
  7. 携帯しやすい


「これって絵本!?」
スケッチブックのような絵本

(1)で本の表面積を小さくし、(2)でページを開きやすくする。(1)と(2)であたかも「手のひらサイズのスケッチブックのような絵本」という独創性を狙う。結果、(7)の携帯しやすい(誰かに紹介しやすい)絵本となる。→セールスポイント「オシャレな独自性」とリンク


「パラパラ漫画みたい!」
左右の役割分け

冒頭で触れた通り、文章の多い絵本は読む気力を損うので、(3)で「文章の威圧感」を極力抑える。自ずと、次々に視覚変化する絵本ができあがる。さらに一工夫。(4)で左右ページの役割を持たせ、視覚的に絵本のルールを刷り込む。直感で読み方を悟るので、より「お手軽」に読解できる安心感を抱ける。イメージとしてはパラパラ漫画風の絵本。→セールスポイント「女脳向きの読みやすさ」とリンク


「絵本? イラスト集?」
画集としての機能

(1)〜(3)の体裁を採ると、結果的に(6)ページ数が増大する。これを逆手に取り、(5)画集として楽しめる要素を取り入れる。ここで、(4)「左ページ=絵」の規則付けが生きてくる。スケッチブックを片側に折り、左側だけ楽しめば画集に早変わり。物語を一読した後も、画集として長く楽しめる二面性が備わる。ことキャラクタグッズにおいては「イラスト集」のニーズも高い。『ボリューム感』と『二面性』の二点で、価格以上の価値を補いたい。→→セールスポイント「価格以上のお得感」とリンク


その他
画集としての機能

用紙サイズを郵便ハガキ大と指定したのは、絵はがき等のグッズ化移行を狙ったもの。出版後、絵ハガキで小売りする商用化は、グッズ展開としてはオーソドックスな流れのようで。ならば最初からサイズを合わせて絵を描けば、余計なコストは掛かりませんよと。


以上、ペギーくんを大宇宙にプロデュースするための、絵本のコンセプト七点でした。グッズ展開のプロデューストークについては、また別の機会にプレゼンしたいと思ってます。