1382. 先行感想 - DEATH NOTE page100「対面」

今週号の「DEATH NOTE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。


大盛り上がりだった先週の感想ができず、一週間悔いました。今週はやり残しの無いよう「page100の考察」と「page90〜100の考察」の二つを言及します。DEATH NOTE第二部、佳境の真最中です!

page100の考察

海砂の生存フラグ
今話の扉絵、さらに月の思案する「死のリスト」の顔ぶれに海砂は含まれず。相沢や松田達でさえ顔が出るのに、海砂の存在を挙げない違和感。ここから、海砂が生存する確率は濃厚と読めます。「ノートの存在を知る者は全て死ぬ」という表現を意識して、海砂が除外された可能性も高いです。

月が海砂を生かす理由は二点。現在はノートの存在を知らない人畜無害な存在であること。いざという時、愛情で縛って忠実な手駒に使えること。もしも第三部があれば、海砂が三度ノートを手にする日が来るかもね。一方、死が色濃くなったのは相沢・松田・模木・伊出の四名。もしかしたら生き残るかも、といった微かな望みは完全に絶たれた格好です。


Xノートの行方
月が”魅上は使える”と明言。これまでのすっとぼけ行動はどれも月の計算通りと確定。

【page93「決定」より】
魅上「あの死神 ノートを渡したきり 現われやしない」

読唇術で読まれると知ってか知らずか。あのセリフはニアに対する罠だったと確信してよさそうです。また、リュークの訪問が最初の一度だけだった場合、本物のXノートは魅上の手元に残ったままで確定します。

【page100「対面」より】
「ニア… SPKメンバー 日本捜査本部の者の名前が… 今日書かれる 書くのは魅上…」

この言い回しから解釈しても、本物のXノートは魅上が所持と考えて差し支えありません。魅上の手中には偽Xノートと真Xノートの二冊が混在した訳です。あの独り言は、深読みしないのが賢明なのでしょうか?

page90〜100の考察
page90〜100の考察ではまず、「page90-97:魅上のノート編」「page98-99:メロと清美編」「page100〜:対面編」の三点に分けて言及。それぞれに月・ニアのどちらが勝者だったか分析します。


魅上のノート
主にpage97「色々」にて、ニアと月の二つの異なる策「魅上のノート」を巡ってせめぎ合いました。今話「対面対決」の前哨戦と言っていいでしょう。

  1. 月:偽ノートの作成を命じた(page90)
  2. ニア:ジェバンニに”何か”を仕込ませた(page97)
  3. 魅上:24日まで変化はなかった(page97)
    • 月:魅上から「確認」を取った
    • ニア:変化がないことから”何らか”を察した

1〜3は全て(ニアの仕掛けすら)月のシナリオ通りです。一方のニアも「敢えてキラの作戦に乗りシナリオを進めた」可能性がありますが、そう感じさせる演出は現在まで見られません。素直に読めば「魅上のノート」の一戦、月が一歩リードしています。

結論:「魅上のノート」に関しては月の策が一歩上手(SnowSwallow予想)


メロと清美
メロと清美に関しては、月・ニアの両方に大きな損害がありませんでした。

【page100「対面」より】
月「余計な者の排除ができただけくらいしか 考えていない」
ニア「問題は解決しました」

双方、メロや清美に対して一切の感傷を抱かないところがいかにもDEATH NOTE。どこまでもクール。それでこそ大場つぐみ先生、そして死を軽々しく扱うデスノートの作品性です。

一方で、月にもニアにも、強いては第二部の物語にも何の影響をもたらさなかった「page98・99」。捉えようによっては完全な蛇足です。なぜこのような蛇足が必要だったか? それは偏に原作者がさじ加減を誤ったと推測できます。

月とニアの最終決戦が近づくにつれ、大場先生はメロの使いどころを失ったのでしょうね。シータさんが「メロは生還して第三部で活躍する」と弘法筆を誤ったのも、納得なのです。メロと清美の死は、第二部のシナリオ中に不要だった。

しかしながら、こう考えることもできます。主要キャラクタが同時に三名も死ぬことで、クライマックスの盛り上がりをお膳立てしたと。第一部でいう『火口の死』に相当します。あの直後、ワタリ・レム・Lが続々死んだ展開を考えても、page101以降の第二部クライマックスは、怒濤の如く死臭に溢れるサバイバル展開が期待(?)できます。

結論:メロと清美の死は、メロの殺し所を見誤った苦し紛れの展開だった(SnowSwallow偏見)


ニアの仮面
今週のラスト、ニアは対面の場で仮面を付けて登場しました。この場で月とニア以外の全員が死亡したら、「夜神月=キラ」と確信できる寸法です。もちろん月はそんな暴挙に出ないでしょう。確かに、ニアを残した全員を殺害し、ニアだけは力尽くで殺害することも可能です。しかし、それは月のプライドを著しく傷つけるのです。

ニアの仮面は、確かに月の想定外のものでした。しかし月は、互いの策が軌道から外れても「最後には自分が勝つ」と自信を持って宣言しています。想定の範囲外になってからが本番戦。アドリブで知略を効かせて勝利を掴んでこそ、真のサスペンスドラマと言えましょう。

結論:「ニアの仮面」はニアの策が一歩上手


まとめ
ここまで、「魅上のノート」「メロと清美」「ニアの仮面」の三点に絞って、月とニアの勝敗を判定しました。結果は1勝1敗1分。両者は拮抗状態にあります。最後の総仕上げ、互いにアドリブを効かせてどちらが頂点を極めるか?

個人的な予想は、前哨戦だったpage97「魅上のノート」の戦いで一歩リードしている月が、かなり優位にあると読んでいます。はてさて、大場先生はどのような波乱をぶつけてくるか。超期待させて頂きます。


ジェバンニリュークが見えるか?
次週に向けて、もう一つ重要なポイント。この対面、リュークも同伴しています。

魅上のノートに触れたジェバンニリュークを目視できるか? ジェバンニが触れたノートは偽物です。つまりジェバンニSPKリュークの存在に気付けません。これに対して、ニアがどういった采配を揮うかが見所となります。同時に、page97の真の勝敗もここで判明するはずです。

ああ、楽しみだなあ。