1380. おいでよ、ただ働きの森! - 003

【これまでのあらすじ】
森の奥底にひっそりと佇むユキツバメ村。
その村では平然と人身売買が行われていた。

脂っ腹のタヌキ野郎から仕事を受ける。奴の言いつけは「店の前に木と花を植え付けてね」というものだった。早速ベッドで辱めを受けると覚悟していた分、大きく安堵する。預かったのは木の苗と花の種。意外とお茶目な趣味だなと口元が緩むが、次の瞬間ハッとした。

──この花って、麻薬の原材料……? まさかこっちの木も!

何も考えないようにしよう。自分にそう言い聞かせる。日当たりの悪そうな店裏に植え付け、『絶対に育ちませんように……』と願を込めた。店に戻るとたぬきちが「キチンと植えたかい? まあ君のセンスを信じよう」と冷徹な死線を放った。こいつ……エージェントの目だ!

一仕事を終え労働の対価を期待したオレがバカだった。脂っ腹タヌキはすかさず次の仕事を申し付ける。野郎、オレをアルバイトに雇うと豪語しながら、1ベルも渡さねェつもりか? 金の亡者め! 根っから腐ってやがる。

その脂ぎった腹を油揚げにして「キツネ風タヌキうどん」にしてやろうかァァ!