1379. おいでよ、人身売買の森! - 002

【これまでのあらすじ】
スロースターターで慣らしたDS部隊の俺達は、
気が付くと薄汚い河童のオッサンに拉致されていた。

名はユキツバメ村といった。河童のオッサンはオレを車から出すと、村役場で偽の戸籍の手続きをした。その足で小汚い小屋まで案内される。村人のやり取りから察するに、オレはタヌキの【たぬきち】に買われたらしい。

脂ぎった腹を揺すりながら、たぬきちは『19,800ベルの借金をローンで返済しろ』と凄んだ。こんなテカテカの脂タヌキから借金した覚えはない。そう主張するとたぬきちは「ああ? じゃあこの小屋の代金が19,800ベルな?」と無理矢理言いくるめやがった。

河童といい、タヌキといい、この村は完全にとち狂ってやがる……!

「金が無いならうちで働け」と、強引に作業具を押し付ける。仕方なくその場で着替るが、脂ぎったタヌキはこちらをニヤニヤと凝視し続けていた。

──この脂タヌキ、そっちの気があるのか!?

雄タヌキが男の人間を飼った理由を、この瞬間に悟ったのだった。