1378. おいでよ、ユキツバメの森! - 001

スロースターターで鳴らした俺達NintendoDS Lite部隊は、
早朝から並んで当日に入手できたが、
ぶつ森を抱き合わせ購入し自宅に籠もった。
しかしたぬきち商店のアルバイトで燻ってるような俺達じゃあない。
筋さえ通りゃあ桃以外のくだもの次第でなんでもやってのける命しらず。
不可能を可能にしWi-Fiコネクションでネット接続して、
他の村の花壇を粉砕する。
俺達『ぶつ森野郎DSチーム』!

目が醒めると河童のオッサンに拉致されていた。ヤツの口調は穏やかだが、言葉の節々でオレを探ろうと必死の様子だ。名前、性格、誕生日── 次々と奪い取られる個人情報。

しかしここで暴れても無事に戻れる保証はない。しばらくはヤツらの猿芝居に調子を合わせ、隙をついて脱出すればいい。オレはそう考え、この身の拉致を許した。

つい、お金がないことを漏らすと「働いてでも返してもらうだ」と、河童のオッサンの目が細くなり、鋭く光った。こいつ……ヒットマンの目だ! もしもオレが女だったら『金がないなら慰めてやろう』といやらしい目付きで全身を舐め回すように観察するに違いない。

この河童からは、薄汚れたどぶ河童の気質を感じた。

キュウリの青い部分は平気で吐き捨てる、最悪の反吐河童だ。