1336. 先行感想 - ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 第58条「ありのまま」

扉絵の草野は首が長くて気になります。結局バレンタインデーネタは一切絡まず。表紙の日取りからいって、その手のネタを否応なく期待させられた側の人間にとっては、非常に残念…。


強化合宿のその後
当初ペイジが組んだ20日間の強化合宿は、ブイヨセンのトラブルで廃止され、研修生も開放された模様。ペイジは「院長をクビになっても得たモノは大きい」と言うが、失ったモノも計り知れない。ペイジに巻き込まれ死傷(死者は0?)したほとんどの研修生からは信用を失ったろうね。「得たモノ」=草野だけ、というのもなかなか厳しい理由付け。せめて他の研修生達があの体験を元に何かを勝ち取り、研修に納得できた描写でもあれば、こちらもフォローのし甲斐があるんだけど。

書記官の実務研修に今井さんの勉強会。六氷との共同生活では、どちらも体験しがたい訓練です。この間の「赤マルおまけ漫画」では、草野は魔法律家よりも六氷の家政夫だったし、サボリ癖が目に付きました。誰かの監視下で研修・教育を受けることは、今の草野にとって貴重な体験でしょう。先週が精神的成長の描写とすれば、今週は知識面の成長描写か。草野は今後もびしばし知識を付けて欲しいけど…六氷と一緒じゃ実質一人の勉強になって、難しいだろうな。まあ一読者的には、のんびり平和な生ぬるい日常が読めれば、それでもいいんですけど。


魔法律院・事務局
初めて「1〜2級書記官」の仕事に触れたのは嬉しい点。通例の書記官は、魔法律院の「事務局」などに務めてサラリーマンする訳か。院内の事務局には「霊対策課」の他、どのような部門があるか知りたいところ。また、事務局は「魔法律院」だけに留まらず、「魔法律学校(MLS)」「魔法律図書館」「魔法律病院」や捜査本部にも、個々に事務局が設置されているのでしょうか。毎年かなりの数の『1〜2級書記官』が必要になりそうです。


勉強会
今井さんと草野の勉強会が「幼馴染みのお姉さんが家庭教師してる図」にしか見えません。普通の恋愛漫画なら、ここで二人の仲が急接近してもおかしくなかった。だって草野は青年で、今井さんは女の子で、年頃の二人が一緒のソファに腰掛けてるんだよ? 誰の邪魔も入らない二人っきりの空間だよ? むしろ今井さんの部屋なんだよ? そして今井さんは素足だよ? このシチュエーション、今井さんは絶対期待してたぞ!(童貞×眼) どうして何もしないばかりか、何の下心も顔に出さないんだ草野さん。

なるほどアレか。君ら二人は既に姉妹(スール)気取りか。読者様がみてないところで既に契りを結んでいたのですか。「普通の恋愛漫画じゃない」ことは最初から常々判ってましたよ…。


パートナーとして一番大事な事
「パートナーとして大切な事」は気持ちを一つにすること。草野と六氷のパートナーシップに足りなかったのは、草野の『一緒に戦う覚悟』でした。きっと草野は今まで「同じ地に足を揃えて戦う」ことに、自身も勇気もなかったんでしょう。果たして六氷の足手纏いになりやしないか。凡人が出しゃばっても天才の邪魔にならないか。

そうした考えは自ずと、「並んで戦う」行為がおこがましいという、謙遜の意識を生みます。いつからか草野は、「六氷から一歩下がった戦い」「六氷に認められる戦い」をする様になったんじゃないかなあ。弱気な草野だから、一つの可能性としてあり得ると思います。六氷も言葉数少ないし、草野のそうした心理に気付いていても、全くフォローしないだろうし。


助手試験に合格した理由
六氷と草野の過去回想編から始まった検定修行編。その締めくくりに「草野が助手試験に合格した理由」を明かしました。今までにも何度か言及していますが、ムヒョロジは物語全体の流れを遠目で眺めると、その展開運びが芸術的です。こと検定修行編では、大きなエピソードの最初に幾つかの疑問・問題を提示し、最後でそれぞれに解を出す構成。キャラクタも活用法も、設定の解説タイミングもなかなかに絶妙。

義之先生が「思い付きで描いてる作家」というのは驚嘆で、本当に信じがたい。少なくとも設定面やキャラ作りは適当に組み上げてる作風を感じますが、こと物語に関しては、最終回付近までの筋書きが仕上がってるんじゃない?


リリー&マリル
リリー&マリルの引き際は、まだまだ計り知れない謎を感じさせました。キーワードは「草野に目を付けていた」こと。彼らは当初から草野を知ってました。その理由は「六氷の助手で有名人」だけではない様子。双子は一体何者か、現状考えられる候補を挙げます。

  • 魔法律博士以上でも以下でもない(二人が独自に動いてるだけ。今のところコレが妥当)
  • 魔法律協会の新勢力(図書館に隠し部屋作ってるくらいだし、協会サイドの勢力?)
  • 魔法律研究関係の新勢力(「魔法律博士」と名乗るなら、それに相当する研究機関がありそう)
  • 禁魔法律家(判断材料無し。円の手先だったら面白い。身勝手な妄想)
  • 調査本部の人間(ペイジ側の人間なら、健康診断の真意を知っていたはず。可能性は低)
  • 五嶺グループの人間(詳しい事情も知らずに五嶺批判をしていたので、可能性は低)

あまり判断材料がないですが、個人予想としては「素質ある魔法律家を研究対象としている魔法律博士」ってところか。或いは「円に命じられて草野をマークした禁魔法律家」の線も否定できません。マリルが捨てキャラじゃなかった事に一番安心しました。今後活躍の機会があるなら、マリルもリリーのように特殊な能力を持っていそうです。


五嶺と恵比寿のその後
五嶺と恵比寿の和解シーンは是非読みたい一場面ですよ。SnowSwallowからの本命は、偉そうな態度のままと理不尽に叱りつける説。

<偉そうな態度のままと理不尽に叱りつける説>
「全くオマエは…アタシの飼い犬の分際で、今までどこいってたんだい! もう勝手は許さないよ!」

どうしてもツンデレになってしまうんですが。あと、五嶺の口調がどんなだったか、細部を忘れてしまったよ。確か、カマっぽい口調だよね。(大暴言) SnowSwallowからの対抗は、五嶺が偉そうな態度のまま微妙に照れつつ謝ったりする説。

五嶺が偉そうな態度で、微妙に照れつつ謝ったりする説>
「アンタはいつもうすのろなんだから…! この間の一件は、その…アタシにも…非があったから……許してやるよ。次は容赦しないからネ! 覚悟しなさいこの…ダルマァ〜!」

最後は『ムヒョォ〜』っぽく。こんな五嶺様、想像できない……! どっちに転がっても、飼い犬・恵比寿は悦ぶ仕様です。


その他小ネタ
今週は小ネタも多くて大変だー!(嬉しい悲鳴)

  • 玲子嬢は自室じゃ異性が居ても素足派のようです。見ていて危なっかしい。
  • 恵比寿「オレがいねーとダメなのかよ結局…」とモジモジ。一コマに草野が二人おるゥゥゥ!!
  • 草野の紅茶の趣味はペイジも折り紙付き。きっと草野は、魔法律家よりも紅茶に才能があるよ。
  • 茶店『Ever Green Cafe』の店員さんがペイジに憧れの眼差し。
  • ペイジさんに過度の期待を寄せちゃダメですよ。
  • ペイジ「もういいよ」って、草野の惚気トークはもううんざりと言わんばかりだ。
  • 魔法律図書館に回転扉の仕掛け。一般人が間違ってキーの本を抜いたら大騒ぎですよ!
  • 地獄の使者との契約時には「契約助手」なる役職が存在する。
    • 契約戦において、当事者以外に戦いの介入が許される存在なのかな。
  • 冥王の契約後、10日間も他の契約に明け暮れた六氷達三人。えーと、六氷さん…寝なくて平気…?
  • 六氷と草野の再開再会が2P見開き! 2P見開きッ! 2P見開きィィ…!
  • バレンタインデーのファンサービスですか。
  • 17Pの1,3コマ目、草野と六氷の身長差を表現した描写が今週のイチオシ。
  • コマ枠に見切れてる不機嫌な六氷が可愛すぎ。見切れてて不機嫌になってるみたいだもん。
  • 六氷と草野のコンビ復活を無邪気に喜ぶ洋一。元助手候補が、こうまで純粋に祝福できるものなのか。
    • 洋一は端から六氷の助手になるつもりが無かったとしか思えない。
  • ラスコマ、六氷と草野の絡みに全く反応しない優は、今週の最たる笑い所だ!
  • 彼女の趣向属性は百合一筋ですか。理緒先生以外は興味無しですか。