1214. 第48回 - 北の王者の死

奥州平泉

佐藤継信宮内敦士)・忠信(海東健)兄弟の死を伝えると、二人の父・佐藤元治(大出俊)は「元より討死は覚悟の上」と逆に義経を慰めた。ここで弁慶(松平健)、忠信が一木堀りで彫った仏像を取り出す。皆口々に「その仏像の顔は継信に似ている」と言います。でもオレにはその仏像、秀衡さんにしか見えない。仏像と秀衡さんを並べて撮さないで。感動シーンで吹いちゃうから!


夢の国

  • 規律に縛られた武士の国・鎌倉では果たせなかった国作りを、平泉で築きたいと訴える義経の姿に、秀衡は心打たれた。

郎党達の平和な日常が帰ってきました。籠作りのやり取りが長閑で、喜三太(伊藤淳史)に和まされます。弁慶の髪形イメチェンに驚愕。彼が髪を解いたのは、後にも先にもこのシーンだけ? 一方義経は秀衡に、屏風を見せながら「新しい国」の理想を訴えます。

異国と交流し、民の暮らしを豊かにし、争いをなくせば、家族は平和に暮らせる。

これが、大河ドラマ義経が今日までの48話を通して、義経が思い描いた「夢の国」です。以前は上手く言葉に表せなかったけど、今では立派に理想を説ける。主人公の成長を垣間見ました


吉次の言伝

静が頼朝の前で舞ったこと、その後京で戻ったこと、出産があったことを伝えた吉次。「子は姫」と嘘を伝えたが、堪えきれず涙を流す。この吉次の涙は唐突すぎます…。劇中と視聴者側の温度差が大きすぎて、泣くくらいなら初めから言わなきゃいいのに…と、冷めた感想を持ちました。

その後義経は弁慶に、静の真の顛末を打ち明けます。一を聞いて十を知る。こんなにお察し良いくせに、女関係はどんだけ鈍感やねん…。自分の子が鎌倉に殺されたのに、事象を冷静に分析しすぎだよ…。いつもテンション低い義経が、もっと怒り奮ったり、悲しみに暮れたり、激情を見たかったです。一人お経を上げるだけでは…。確かに時代感は外れてないけど、残念…。


鎌倉、京、奥州

  • 鎌倉:朝廷に献上する貢ぎ物を、鎌倉を経由して届けよと、平泉に使者を送る。
  • 京 :奥州に歩みを寄せつつ、鎌倉の機嫌を損なわない事が寛容。今は鎌倉の言いなり。
  • 奥州:奥州の豊潤な財力を鎌倉に見せつけ、奥州にはうかつに攻め入れない事を見せつけた。

慎重に事を謀り確実に一手ずつ進める頼朝(中井貴一)の小心者の性格。どっちつかずで自身の保身が第一の後白河法皇平幹二朗)と朝廷の面々。法皇院宣にも毅然と対応し、若造の頼朝に一杯食わせる北の王者・秀衡。三者三様の性格が、そのまま行動に反映されているのが面白いです。頼朝と秀衡が、互いの思惑をすぐに勘付くのも格好いい。さすがは頂点に君臨する者同士ですね。


藤原四代目

  • 宴の席で、泰衡(渡辺いっけい)の四代目継承を宣言した直後、秀衡は突然倒れる。

源氏と藤原家には宿縁があり、戦いは必然であったと語る。その上で、義経は息子と思い、奥州藤原の全てを賭けて戦うと誓いました。その直後、秀衡が床に伏せ、へなちょこな泰衡が四代目就任。気の弱い泰衡は、長男・国衡(長嶋一茂)と三男・忠衡(ユキリョウイチ)に土下座まっでして、助力を訴える。あれー…おかしいなあ…。序盤の泰衡は、もっと冷静沈着な肝の据わった男だったような…。なんか急に、心の病を発症してません!?

白川の関より北を死守、義経の保護を三兄弟に命じて、世を去った秀衡。それにしても、清盛(渡哲也)も秀衡も、継承者の選定を間違えすぎですよ…。世継ぎを国衡や知盛(阿部寛)に譲っていればなあ。結果論だけど。さて、頼朝は、藤原四代目の秀衡が気弱なことをいち早く見抜き、東西の御家人を集めて奥州へ挙兵した。義経・国衡・忠衡は藤原家の誇りを賭けて戦う所存。しかし泰衝は一人、情緒不安定です。絶対こんな人に国を任せたくない…。


次週最終回! …の割りには、ちょっと盛り上がりきらない、煮え切らない回でした。先週が良すぎた?