1153. 第43回 - 堀川夜討

今話より徐々に、義経の悲劇が目に見える形で実感できるようになってきました。郎党らが明るく振る舞っても、見てるこっちは気持ちが乗り切れず。その明るさは、逆にしんみりした気持ちを増長させます。晩年の大河ドラマって、凹み続けるのみですよねー…。


頼朝の策略

頼朝の先手により、伊予は義経の思い通りにならず。法皇は「他の良きところを与える」と義経に約束したが、これも叶う事はないのですね。視点は鎌倉サイドへ。伊予に地頭を置くなど、なんと全ては北条政子財前直見)の謀略でした。最近すっかり彼女の鬼策が見られず燻っていたのですが、それでこそ政子様ですね。ヤッパリやる事えげつないぜ、政子様!


堀川夜討

弁慶(松平健)は昌俊と面識があったようですが、何の縁かは分からず終いでした。重要な情報だと思うけど…。今までの話で二人の絡みはあったっけ? 弁慶が昌俊の居場所を突き止めると、「よーくここが分かったな!」と堂々登場する昌俊。このセリフ、いかにも棒読みで、大根役者っぷりがたまりませんでした。何度も聞いてみたい演技!

顔の広い弁慶は昌俊に言伝を頼み、彼の本意を探る。序盤は義経のストーカーでしかなかった坊主が、ここに来てお偉いお坊様のようなポジションを確立してます。なんだか騙された気分だぞ。今の弁慶に序盤の彼自身の姿を見せつけてやりたいぞ。


萌を監視?

  • 萌は、郎党らに身振りを探り怪しまれてると義経に相談した。

「その様な事はない」と返答する義経。この時点で萌が疑われる理由が分かりませんでした。おそらく郎党らは、昌俊の襲撃を警戒して萌を警護していたのでしょう。


義経と静

  • 国作りの実現が難しくなり気持ちが折れかけた義経を、静は一晩労り癒した。

義経と静の間には、一片のいやらしさも感じさせない神聖さが漂っています。恋愛が清潔すぎて、全く現実味のないカップルなのです。恋とか愛とかを超越してます。なんかもう、二人の間を取り持つのは笛の音だけですもの。さもなくば枯れた老夫婦のようなまったり感。この神々しさには、演技的な白々しさもなくて、雰囲気作りが見事としか言いようがない。だけど反面、人間らしい愛情が見受けられないのは、少し物足りない…。


夜襲
夜襲の殺陣はダイジェストで。

  • 昌俊は義経の命を狙い、検非違使の館に夜襲を仕掛けた。
  • 館の警護に当たった郎党達が襲撃を阻止。斬り合いが始まるが、当初劣勢か。
  • 意外と活躍する喜三太(伊藤淳史)。へっぴり腰が微笑ましい。
  • 最強なる義経様登場。
  • 義経様一人でも、夜襲に来た全員を八つ裂きにできたと思うよ。
  • 義経駿河次郎うじきつよし)、伊勢三郎南原清隆)で三匹が斬る!
  • 義経、必殺ワイヤージャンプが炸裂!
  • 数多の吹き矢を刀で弾きながら全避け!
  • なにこの3Dアクションゲーム。
  • 弁慶と佐藤忠信海東健)が合流。弁慶VS昌俊の坊主対決は、実際にヤられると濃かった。これは想像以上にキツい…。
  • 事態が優勢になったところで往家おじさん登場。絶対、登場のタイミング狙ってたよこの人。
  • そして、なにこの重装備! ジャガーさんのハマー的ポジションを確立しつつあるヘタレっぷり!
  • 最後に登場したくせして、捕らえた昌俊に足蹴りを見舞う往家おじさん。
  • 更に往家おじさん、義経には「この仕打ちこそ頼朝の真意」と発破を掛け退散しちゃった。
  • 見事なまでにやりたい放題。


昌俊斬首

義経は昌俊の人柄を見抜いて「口を割らない」と断言。対して昌俊「言わずとも、おそらくはお察しの筈」と返す。割ってるやんけ! まあ、冥土の土産ですからね、百歩譲りますよ…。

東国では義経を討つ者を募ったが、誰一人名乗り上げなかった。戦上手の義経を恐れたか、人望が厚かったからか。梶原景時中尾彬)なんかは反義経派の一角なのに、どうして景時は名乗り上げなかったんだろう。やっぱり戦上手を目の当たりにしては、勝てる気がしなかったんだろうか。

昌俊は、年老いた母のために褒美の所領を託したかった。すごくいい笑顔で湿っぽい事情を語る昌俊! その昌俊に同情すら抱く義経。女性視聴者はそんな義経に、うっとり胸キュンですかそうですか。月を眺める義経もまた、亡き母への想いを抱いていたのかもね。律と情は切り分け、義経自ら刀を握り昌俊を斬首したのは成長したなあ彼も。だけど義経の人を惹き付ける魅力って、この「人情」にこそあったのでは…(突っ込んじゃいけないポイント)


頼朝追討

昌俊の死罪、頼朝追討の院宣を受けて、優柔不断な頼朝も気持ちを固める。自ら十万の兵を引き出陣した。政子様、全て思惑通りのハズなんですが、話を聞いたときの驚き様は何だ。演技だとしたら白々しすぎる…。

義経はこの戦いを「頼朝と私の新しき国を賭けた戦」と語る。一方で都を戦場にするのを躊躇った。味方の数が少なければ狭地で戦うが定石。いかに策で翻弄しても、戦は都を焼き、孤児を生む。都に住む皆を苦しめる、と。

鎌倉の兵10万に対し、義経陣は兵が集まらず300弱。いくら戦上手の義経もこの兵力差は叶わない事を知った法皇さん。急にえ始め試案を練る。と言うか、お気に入りの義経を切り捨てる以外、策はないよねぇ…。そうとも知らず義経は都を去る決意。さて、この会議に静は誘っても、萌さんは呼ばななかった義経。これが愛情の差か!