1090. 先行感想 - ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 第38条「五嶺登場」

今週号の「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。

誤字が酷かったので大幅修正しました。ファンの方の気分を害しそうな発言も一部修正。ついでにオレの就業時間も修正して欲しい。修正パッチ希望。


よーしみんな、表紙に注目。ネットラジオで散々ネタにした「草野のショートパンツをローアングルから覗き上げるように攻める絵」が、ついにカラーとなって実現だァァ!! 西先生あんたァ、コアなファン層が求めてるモノ理解しすぎだ。しかもカラーで仕込むなんて、とっておきかよ。草野のショートパンツは夏の終わりのとっておきかよ。そしておめでとう、その手のファンの人達!

今度で四度目の巻頭カラーでしょうか。ムヒョロジの巻頭カラーは毎度特記感想ですが、ムヒョロジはカラーになると少年漫画的燃え描写が光るのです。しかし今回の巻頭は一転。キャラメイクで印象付けした話となりました。カラー=燃え展開のジンクスが消滅したのは、非常に残念。

また、短編が前後編で決着しなかったのも残念です。今話が新章の下準備と考えれば仕方ない構成。個人的願望としては、もうしばらくのんびり日常編を読みたかったです。物語には「急展開」が求められる、これがWJの宿命か。

五嶺 陀羅尼丸
男女の見分けがつかない五嶺。中性描写は西先生の得意技ですね。これを「貧乳のお姉さん」と見るか「冷静沈着なお兄さん」と見るか。名前や言動は男性。見た目や一人称(アタシ)はやや女性寄り。「アタシ」はBLEACHの浦原も該当するので男性でも問題なさそうです。本編を何度も読むと、五嶺は非常に男性らしく感じられました。

恵比寿はともかく、五嶺は一般人に対する真摯な姿勢からも、根は良い人のようですね。六氷や草野への態度は刺々しいけど、「協会の噂」や同業者に対する厳しさのようにも感じられます。次期エピソードとして事務所対立を仄めかすも、その対立を乗り越えた後は、少年漫画らしく「良き理解者」の立場へと傾いていくのかな?

恵比寿 花男
カラーの3コマ目で五嶺さん、なんか隣に悪霊がいますよ…」とツッコミ入れた読者多数。アンタその目で人間かい!

「弱者を見下し強さに媚び売る」痛烈なイヤキャラ登場ですよ。まるで天の助のような変わり身の早さ! 裏切り者となる要素は豊潤に含まれていますね…。彼のような姑息者を『裁判官』と認めているのも、協会の腐った性質の顕れなのですか。

ただし、草野に対する当たりが強いのは、草野を「裁判官」と勘違いしてのライバル意識なのかも? しかしながら六氷は業界名売れの執行人みたいだし、助手が裁判官でない事も有名そうですよね。ああ、フォローしようがない…。

チーム力
次期エピソードのテーマとなる『チーム力』。ライバルの五嶺事務所を抑えて苦難を乗り越える、草野の新たな成長イベントのようですね。チーム力と戦略によっては、魔法律家の能力は関係ないと結論付けた五嶺。裏を返せば未熟な草野でも六氷の力になれるという見解が可能。「チーム力」のエピソードを逆手に取り、草野の能力底上げが図られるのかな?

『本を三回叩けば注意を惹き付ける合図』などに代表されるチーム力や戦略の基本知識は、MLSに通っていれば学ぶのでしょう。MLS落第の草野は魔法律の基本知識を全く知らない(=読者視点)。それなのに、魔法律エリート組(MLS出身者)から罵声されてばかりでは、元より落ちこぼれの草野が哀れに感じます。

MLS出身者でもなく、裁判官じゃないのに、なぜか執行人の助手。その上天才・六氷が草野を助手に選んだ理由は不明のまま。草野って通例の魔法律家からすると相当イレギュラーな存在ですよね。ますます謎が深まります。

口寄せ
六氷に”霊媒体質”と指摘されていたナナ。この度『口寄せ』という正式設定が下されました。作中ヒロイン候補としてテコ入れ強化でしょうか。なんだか日常以外でも話に首を突っ込める理由作りに見えて、仕方ないのですが...。

六氷の噂
六氷は反逆者に通じている」という噂。かつてペイジ・六氷・円は師弟関係にあったので、事情を知らない人間ならそんな風に考えても仕方ないか。この分じゃ、ペイジにも各方面から圧力が掛かってそうですね。

この噂は協会の腐った体質が原因か、円や反逆者内通者が仕込んだモノか。そもそも、協会が腐ったのも反逆者の手引きと謀略に思えるし、全てが一元的な原因に見えてしまう…。

事務所の謎
現在圧倒的に絶対数の少ないとされる執行人。なのに事務所の担当地区が被るなんて、何らかの理由があるとしか思えません。そこで、幾つか説を考えてみました。

  1. この地区は悪霊の出現数が多い
  2. 協会サイドが「六氷の噂」を懸念して、六氷監視に五嶺を送った
  3. ペイジが「円と六氷の敵対」を認識して、六氷援助に五嶺を送った
  4. 円が六氷への新たな刺客として五嶺らを送った
  5. そもそも担当地区は協会が管理してない(執行人の自由意志)
  6. そもそも西先生はなーんも考えてない!
    • 数々の設定ミスを考えると、この説もあり得そうで怖い…。

最後のはネタとして、有力なのは「2〜4」のいずれか。これらは魔監獄編の流れを受けているので、五嶺六氷の地区に参入した脈絡も生まれます。個人的に推したいのは「3」ペイジの思惑。あれだけ熾烈に草野批判をしたのは「ペイジが五嶺に草野の能力底上げを依頼した」とかだったら、いいなぁ(完全妄想)。

魔法律事務所の権限とは?
他人の家に無断侵入する五嶺と恵比寿。他にもリカのベッドのシーツに陣を描き、初対面の女の子のベッドに潜り、他人の家の天井に釘を打つ。悪霊を魔法律で執行するのは結構。でも、こんな無茶な活動ばかりだと、そのうち普通の法律で執行されるぞ。

「今までのお勉強がムダだったって事をね」
五嶺先生、草野ってそこまでお勉強熱心じゃないッスよ! 家事全般に追われて勉強時間が無い気がします。六氷が草野をパートナーに選んだ理由は「執行業務は一人で出来るから、家事が得意なヤツを助手を選んだ」でオッズ倍率1.1倍。ありえない。

いつも以上にミスが目立つ
細かい指摘だけど、今週は特に誤字・誤描写のミスが目に余った。

  • [1P1c]ユミの名前。カラーページで「ユキ」と、1コマ目から早々誤字ですよ西先生!
  • [6P8c] 「魔法律特令法」は魔法特例法が正記。この誤りは今回で何十回目ですか西先生?
  • [7P1c] 「魔法特令法82項 根の国返し」と「魔法特例法82項 銀の鎧」の存在。
    • 『82』がダブる由々しき事態。
    • 「例」と「令」の違い。
    • そもそも『特令法』と『特例法』は別種なのか?
  • [11P1c]「呼び出せる使者のレベルも〜」のコマ、五嶺の襟合わせが逆ですよ西先生!
  • [12P6c] ここでも五嶺の襟が逆ですよ西先生!
  • リカの「家がお寺」設定が無かったことになってますよ西先生!*1

カラー仕事で忙しかったにしろ、人名や設定の誤りは頂けないなあ…。一部に突発アイデアで話を組み立てる節もあるので、設定が十分頭に入っていないのかも。誤りを訂正するハズの編集サイド&担当さんの働きにも、強く疑問を抱きます。

おまけ
最近の草野は狙いすぎてる件。
男性読者を意識
寧ろ最近は、読者にこび売ってる草野より、その草野を困った表情で見守る六氷に目を惹くのです。これぞチーム力。

*1:実家はお寺じゃないのかな。それならナナも、別の言い方があるだろうに…。