1074. 週刊少年ジャンプ - 40号

夏休みが終わり、もう9月…。気がつけば今年のジャンプも残り一期分。年末に向けてそろそろネタをまとめたいところ。振り返ってみると各漫画それぞれ、色々と進展してますね。

表紙
 表紙は散々見慣れてしまったBLEACHBLEACHの表紙比率多くないです? 久保先生がカラー仕事を手早くこなす作家だから、カラー原稿の見すぎで先入観が働いてるだけか。特に不満ではないけれど、他の中堅漫画にも日の目を当てて頂きたいなあ。最近はDEATH NOTEネウロボーボボの表紙みてない気がします...。(気がするだけ?)
「男、BLEACH!」
 筋肉と胸板のお祭りです。ハレンチ☆パンチもびっくりの破廉恥フェロモン全開です。パンチされても知りませんよ。
「女、BLEACH!」
 様々な小ドラマが見られて面白い。久保先生の虚乳(巨乳にあらず)には興味ないので言及省略。砕蜂ツンデレぷりはなんだ! 夜一の大胆なポージングに「私の夜一様が私を見て下さらない…(百合描写は赤マルで実証済)」という嫉妬なのか? 卯ノ花隊長の監視、一匹狼愛想無しの猿柿、雛森七緒(でした、よく見分け付くなあ…ファンの方には叶いません!)の水着喪失、その水着をゲットするネム…。絵が小さくなるほど小ネタがマニアックです。
TALES OF ABYSS
 新キャラのアニス・タトリン。「ロリっ娘」で「不細工なぬいぐるみ」という個性、どこかでみたような気がするぞ。まあWJ読者以外は気付きもしないから、全く問題ないですね。ジャンプ本誌でもあと一ヶ月しない内に存在が消えるから、全く問題ないですね。
ジャンプフェスタ
 『開催迫る夢の祭典を更木剣八が斬る!!』少年の夢を叩き斬っちゃったよ。

健闘枠: アイシールド21 DEATH NOTE
特集枠: 太臓もて王サーガ 魔法使いムク

* 1(3) BLEACH
探査回路で”ペスキス”というルビの響きが猥褻。間にニが入ると男性を弄ぶ大人の女に豹変。まさに浜娘ですよ。

「ラッキー!!!」にスエルテとルビを振る意図がこれまた不明。これは虚語で「ラッキー」を意味するのか? 虚達は『仮面の軍勢』をスエルテと称するのか? 悟空のカカロットよろしく一護の実名はスエルテなのか? 最近の展開からして三番目と見た。事態はますます著作ギリギリの展開へ加速だッ! そんなこんなで、早くもヤミーがオサレ気味です(押されとオサレを掛けてんだよって説明するのも恥ずかしい)。

一護の霊圧の揺れに対するウルキオラのコメント、すごく分かりやすい。一護が仮面と意識を奪い合う様までが、暗に察せます。ここで浦原&夜一の救援。なにこの超スピード展開。裏原さんは無駄に胸板を見せつける始末。BLEACHにおける胸板チラリズムはもはやデフォなのか。このフェロモン描写は女子中高生の間でオサレブームなのか。

「転生忍術」でチヨの生命をサクラへ。蘇生術と表現せずに『転生』という言葉を使う辺り、サクラはチヨから何らかの能力の類を継承するのでしょうか。その場合、今までチヨの能力をじっくり描いてきた事にも意味が生まれ、無駄がなくなりますね。

ただし現状のサクラは「チャクラ操作の才能有」「幻術の才能有」「医療忍者の才能有」「怪力」「回避のプロフェッショナル」と才能のお祭り状態。まあ、医療と怪力は『チャクラ操作の天才』の副産物だけど。傀儡忍術を伝承しても没個性になってどうだろう…。もし継承するならチャクラだけにしておくれ。

サソリにトドメを刺す構図と、回想で両親が幼少サソリを抱く構図を重ねたのは素敵な描写。その場面で、転生忍術で両親を蘇らせサソリを喜ばせる意図があったことを語るのも、ニクイ演出しますなぁ。サソリがこれで死ぬかは微妙な線。君麻呂の例もあるし、敵は案外あっさり死ぬのかも。これ以上の長丁場は読んでても辛いし、サソリ戦は決着したと思いたいです。

クリスマスボウル
『関東大会』なのに北海道代表、SIC代表国外代表?埼玉(S)茨城(I)千葉(C)の意味という指摘を頂きました。)とはこれいかに。以前からの疑問だけど、クリスマスボウルは『全国大会』として新たなトーナメントが組まれるの? 「クリスマスに試合する」のがクリスマスボウルという大会名の由来。でも一日でトーナメントをこなせるハズないし。クリスマスボウルのトーナメント決勝が、クリスマスに行われるって事? …としか、思えないよなあ、この流れ。先は長そうだ。

鉄馬の意志
思考虚無の鉄馬が初めて意志を見せ、なんだか切ない表情を浮かべるキッド。今まで自分だけを見つめ従ってきた鉄馬が、初めて自分以外の人間に関心を示したことに、キッドは焦燥感と嫉妬を抱いたのでした。…という腐女子専用シチュエーションの用意にも余念がない! さすがはアイシーです。

ゴキキ
ジャンプ擬音界広しといえど、『ゴキキ』だけは進専用擬音として特許申請されてもおかしくありません。相手選手の骨と筋肉をいたぶる恐怖音、まさにそれ…ッ!

仮面
「ウソがホントになるように」前だけ向いて成長を繰り返したセナ。いつしか本物のアメフト選手になっていた事を陸に気付かされ、セナもハッとする。きっと彼自身も今回の雄叫びで確信できたはず。アイシールドはもう不要、と。セナがアイシールドを脱ぐのも秒読み段階なのでは。タイトルの制約もあるけど、もう2〜3エピソード重ねれば仮面を脱ぐフラグが立ちそうです。

本物のアイシールド
本物のアイシールドがあまりに突然の登場。盤戸だからギターが上手い。相変わらず稲垣先生はギャグも怠りません。ヒル魔が反対ブロックの結果を見せなかったのはなるほど、本物のアイシールドの存在を隠してたのですね。栗田がいなされ小結が驚く様などの描写も細かい。セナのフルネームまで知ってるくせに「面白いな…君も『アイシールド21』なのか」と皮肉る本物さん。セナが仮面を脱する時は近いのか?

* 4(1) ONE PIECE
扉絵連載。きっと誰もが冒頭から予感しただろうけど、やっぱり彼女らもエニエス合流なのね。

アニメはいよいよパウリーが仲間伏線全開でしたが、本誌はいよいよパウリーが空気化してます…。なあに細身の刃物が肩を貫通しただけの事。この程度なら三週間で完治するわい。ワンピースはJOJO並みに自然治癒能力を秘めた漫画ですから。

法番隊100名と巨人族を比較すると圧倒的に巨人族のが強い気もするけど、そこは触れちゃ駄目っ。ゾロとサンジが活躍するためある程度の敵数が必要なんですよ。これはもうチャンバラ劇でいうお約束の殺陣みたいなものですから、敢えてスルーしましょう。

さて、麦わら海賊団に『作戦』という存在はことごとく無意味ということ、今回でよぉーく分かりました。ここまで爽やかに作戦をスルーされると逆にすがすがしい。まあ、ゾロが仕切った結果こうなったんだけど…。お願いだから「作戦」とか頭脳プレイが必要な場面では、ナミ>ロビン>そげキングの順に決定権与えてー!

  • 樺地は純粋であるが故」全米が吹いた。
  • 『手塚ゾーン』の能力が図解されてました。どんな球威・方向に飛んでくる球もゾーンへ吸収され、球速も弱まる訳か、なるほど。って納得できるかァァァ!!!
  • 突然手塚プロモーションビデオが流れ出しましたよ。CM? これCM?
  • テニヌ中継(お笑い番組)手塚プロモDVDに差し替えたヤツ、出てこい!(※許斐先生です。)
  • 最初の方音声の配線ミスったろ? 全く音が出ないから放送事故かと心配したぞ。
  • 病院の映像が二回出たのは編集ミスですか? 細部までしっかり編集チェックしろよ真中〜!
  • お、ラスト4Pでやっと音が出たよ。
  • 『えっ、女の子(レディー)!?』 ルビのレディーで笑わす気満々の許斐先生。
  • 笑いの前振りだけで10P使用。これほど無茶で豪快なハジけっぷりは、ボボボーボ・ボーボボにもできない境地。
  • まさに”無我の境地”。恐るべし手塚プロモ映像。

* 6(7) 銀魂
万事屋三人のコントも充実し、真撰組レギュラーの妙な個性も十分に発揮され、万事屋&真撰組の絡みもたっぷりの内容でした。お腹いっぱいです。

  • [2P6c] 皆が反省し始めてしんみりしたのに、ダマされた…。
  • [3P4c] 山崎の活躍が余りにも地味で、されどこの地味さが山崎の魅力を発揮する! さすが空知先生、キャラ作りに無駄がありません。
  • [6P1c] 「シティ派」が復活するとは思わなんだ。しかしなんだ、この「シティ派」という単語に対するダサい印象。
  • [7P1c] ここまでやらないと銀魂のヒロインは務まらないのか。まさに外道
  • [7P6c] 黄金色の変態が増えとるゥゥ!
  • [9P6c] 「銀髪」か「白髪」かでかなり格好良さの印象は変わるんですが、本人は「白髪」で通してるのね。
  • [11P4c] 近藤さんの行動全てがフリになってる奇跡。今週のMVP!
  • [14P1c] 「嫌な予感」は読者一同が同じ思いです…。
  • [17P1c] やるときゃきっちりと締める、そんな侍達がカッコイイ。
  • [19P] 黄金色の変態な近藤さんは、やっぱり大オチへの布石だったか...。

様々な小ネタは「号外! マニアックアイ」でまるっと紹介。とりあえず通常感想。

ムヒョロジの本領は短編でこそ輝く。久々の短編ホラーが嬉しいです。霊の恐怖感はインパクトが大切ですよね。コックリさんプレイのシーンは、敬語で親しみを見せつつ核心部分が「死」の一字で止まる恐怖。こりゃ肝が冷えますよ。動物霊の狐・狗・狸の背景描写も不気味で寒気が走りました。いやー、久々にホラー漫画してて嬉しいなあ。

霊媒体質のナナが騒動を起こす話は、遅かれ早かれ投入される予感がありました。これを大衆認知されるコックリさんと絡めたのは絶妙。通常起こりえない霊現象を「ナナの体質」で引き起こした「起承」の部分は、物語のきっかけ作りとして巧いまとめ方でした。

「コックリさんの終わり方」「五嶺事務所の二人組」「ユミの生死」「リカの安否」「次の舞台はお寺?」様々な楽しみはすべて次週に持ち越しです。ホラー漫画に長丁場は似合いません。次週で「転結」までまとまると期待したいです。

号外! マニアックアイ

  • 事務所のおとなりは『パンドラビル』『麻雀トロ』。
  • 久々に登場したジャビンの表紙は「パグマン」。野菜キャラじゃない表紙は初めてでは?
  • 草野愛用「トマトのエプロン」はもちろん健在でした。
  • ナナのバイト先は「Happiness Barger」。
  • 事務所は東京都某所に存在。(※都指定ゴミ袋より)
  • 新キャラ「五嶺」で七人目の数字入りキャラ投入。残り三名。*1詳細はムヒョロジのまとめ参考。

  • [2P1c] 元ネタは高橋名人VS毛利名人の「GAMEKING」。高橋名人の『16連射イカ割り伝説』を、まさかWJで再び見られるとは。
  • [4P2c] 変貌するに至る全部のキャラが、あまりに違いすぎる…。
  • [5P5c] 天の助のやりたい放題に、このボーボボのリアクションは可愛いなあ。
  • [7P3c] 竜骨かよ! 軍艦弟の○の生命体が可愛すぎる。
  • [11P] ○×問題と掛けたのか。テンションだけでやってるように見えるけど、しっかりダジャレで攻略してて、こいつら立派なハジケリストだなあと感心してしまった。…多分ボーボボに毒されてるだけ。
  • [15P8P] 『浜娘』の煽りがサイコーにツボ。

花見大会の話でDr.シャマルが打った「桜が嫌いになるウイルス」まだ治ってないんかい! そもそもヒバリの桜嫌いがシャマルの病気の所為なんて、一般読者の何人が憶えてるのか…すげー際どいネタだよなあ。マフィア絡みとなれば、骸や千種を従えるのはリボーンと敵対する新たな赤ん坊か。久々に骨のある赤ん坊が現れると嬉しいんだけど。

フゥ太の並中喧嘩ランキングにツナが入るとは到底思えない。かくして「1位ヒバリ、2位山本、3位獄寺」で決まりか。ランク外のツナが変貌して並中最強という例外は彼らも予期できなそうで、これが逆転の切り札となりそう。しかし山獄の順位扱いは気になるな…。ファンを刺激しないよう、同着処置が良かったのでは?
今はもう少し、この緊張感を楽しみたい。普段のだるい空気より今の方が好みです。

* 10(18) DEATH NOTE
大局は先週の感想で予想した通りの展開。しかしデスノの予想が当たっても、ちっとも嬉しくないのです。本来デスノート凡人が予想できる展開の圧倒的上方を突く天才サスペンスでした。凡人に的中されちゃデスノも末ですよ…。

「パズルを解くための道具じゃない」
遂にMNの直接接触。二人が互いをどう思っているか、生の声が聞けました。普段のデスノは人間ドラマを内面まで事細かく描かないので、今話は意外な印象でした。

メロはニアの天才性を恐れているのかな。自分の行動全てを見透かされ、あるいは手駒のように利用されて、そうした被害意識を抱いてるのかも。自分より頭の冴える天才を目の前にすると、こんな気分に陥るのも頷けます。メロがニアを出し抜きたいのは「ニアに勝ちたい」という単純な闘争心じゃない。『ニアの想定の範疇』から解放されたいというある種の逃避願望が、メロの原動力として働いているのかも?

→メロがニアと張り合う動機は後に詳しく語られそう。

メロの写真
「メロの写真」はMN再会の橋渡しアイテムでした。これは大場先生お得意の「幾つか選択肢を用意しておき、その中から一つの展開を選ぶ」手法に過ぎず、結果論としかいえません。物語的には「メロの写真」と「ノートと偽ルールの情報」が等価交換されており、双方にも読者にも納得行く取引だと思います。

→「メロの写真」は「偽ルール」をメロ&ニアに知られるキーアイテムとして働いた。

「そこで先に待っている…」
この一連の会話より、「一瞬早くキラに辿り着くのはメロ」「メロはニアを待つ」というクライマックスの伏線完成。しかし同時に「先に辿り着く」とは「ニアの当て馬になる」という展開を意味するので、メロの死亡伏線まで際立ちました…。実は第二部の終わりもそう遠くない時期にあるのかも。

→メロはニアより先にキラの元へ辿り着く(伏線)

捜査本部とSPK
「日本捜査本部の人間は殺しておくべきか…」って、今更そんな小者を用心するコマ数がもったいない! 「本部の人間を餌に」メロとニアへ近づく。つまり今後の松田さんは(不幸にも)ますますな活躍する訳ですな。

レスター指揮官はともかく、ハルとジェパンニは米国の独自捜査で次週にも足が付くのでは? 大統領の情報を利用して、本部の人間をSPK人員と接触させる筋書きかな。ニアサイドも、日本捜査本部と接触を図りたがってるので、双方願ったりの展開では?

このケースだとイニシアチブは「偽ルール」を知ってるニアが持ち、月は劣勢を強いられる。その後は、悪境を月がどう打開するかが見所の、いつものデスノ黄金パターンじゃなかろうか。

→今後は捜査本部vsSPKの探り合いが過激化する

おまけ
あれは怒ったんじゃなくて興奮していたんだよ!!
どんどんワシに失礼なこと命令とかしてくださいよキラさん!

「弱点:老い先短い」弥子さんの評価は冷酷すぎる。笹塚のネクタイをガッと引っ張る笛吹にときめく女性陣は多数でしょうか。これ絶対狙ってやって、るだろ、くっ…。

笹塚と笛吹の友情は何がきっかけで崩壊したのか、気になりますね。原因はまた別の事件の時に語られるのかな? 楽しみに待ちたいと思います。そして今回の賭けは、このままだと笹塚か笛吹のどちらか一方が警察を辞める事態に。この賭け、どうやってドローに持ち込む笹塚さん?

異常者の犯人に対し、ネウロがそれ以上の異常性で犯人を暴くのは痺れた。犯人はまさかの5人ともか。とするとヒステリアは集団催眠・暗示の類で不特定多数の人間を潜在的に実行犯として遠隔操作できるわけか。催眠操作で犯行に及んだなら今までの事件も説明がいく。冒頭で演説してたのは独り言ではなく、実行犯達へ語り掛けていたのかな?

大亜門三種の神器である「ホモネタ」「パロネタ」「変態ネタ」が、今週もコンスタントに散りばめられていて大満足。三種の内ひとつでもツボがあればハマる漫画なのかも。

  • 腐女子のお姉さんを喜ばせるネタ
  • とりあえずWJ限定のパロネタ
  • 変態ネタ
    • 世界拷問大全
    • 「さあ股間の本を開いて」
    • 「胸の谷間に汗がたまって大変よ」
    • 「やっぱり男の人ってムネの大きい方が好きなの?」
    • 蝶々の妖精
    • 唾液口移し妄想

とりあえず現状のキャラと環境を小回りにまとめた感。姫乃を含めレギュラーに子供が多いので、次週はびしっとまとめ役になるお姉さんの陽魂投入が必要でしょう。こんなことばかり一話から言い続けてます。

姫乃の母はこの世にいなくて、父は不明で、単身上京して「孤独者」となった。明神、エージ、アズミもまたそれぞれが「孤独者」で、今後登場する陽魂の入寮者達もまた不幸を背負う「孤独者」で、孤独な人達が自ずとうたかた荘に集い『新しい家族』を形成する。そんなハートフルで人情味溢れる作品を目指せば、他の同系色作品と差別化が図れてベストではないでしょうか。方針転換するなら今しかない!

* 14(13) 魔法使いムク(第二回J金未来杯 エントリーNo.4)
レーダーチャートの評価基準はこちら(過去の評価一覧も)。

魔法使いムク

画力(4)
 ムクとニコとがあまりに一般人の風貌で、特別な魅力が引き立たず。ホウキのマギ様も、もう少し愛嬌・魅力・可愛らしさのあるアイテムならなあ…。これさえ改善されれば文句なしの満点でした。背景・演出効果・アングルの使い方、どれも読切作家と思えない技術力を誇っています。
物語(4)
 魔法の恐怖心よりも友達を守る気持ちが勝る、という成長モノのテンプレート。漫画序盤でこのテンプレに気付いたので、終始意外性も感じられなかったのは、もしかすると素直に読めない自分の所為かもしれない…。教科書通りのお話でした。
構成力(4)
 風呂敷を広げすぎず、与えられたページ数の中で全伏線を消化。描くべき事がまとまっていたのは好感触。ギャグの唐突性も、この構成力で制御してくれればなあ…。もっと情報と展開の整理がつけば、キャラもギャグも楽しめたはず。
キャラ(3)
 ムクの感情描写が希薄すぎて、次の行動へと至る動機が唐突に感じた。結果、コマからコマへの繋がりがぎこちない。この唐突感はリボーンの「作者思い付き描写」とは全く違う現象。物語だけを練り込んてキャラを駒扱いした結果、キャラの描き込みが手薄になったのでは?
 そんな中、個性が光ったのはムクの両親。美人スマイルで鬼発言を連発する母に惚れました! 各キャラこれくらいハジけていれば…。
ギャグ(2)
 唐突なネタが多発して、ほぼ笑えず終い。例えば、ムクがニコの家に落ちて「面白い防止かぶってんな…」「おれと友達になってくれ!」は会話がくだけすぎだよ…。奇を衒ったつもりでも、キャラの感情に掴み所がなくて意味が分からない箇所が多かった。
 幾つか笑えるポイントもあって、それは「読者が理解できるネタ」だから素直に笑えたんだと思います。「作中に多数のネタを仕込んで読者を楽しませよう!」というエンターテイナーな姿勢は買い。
読後感(3)
 作品としての完成度は高いんだけど、残念ながら「面白い!」とは感じなかった。悪く言えば「最近の漫画にありがち」というか。

白川翔が初めて普通に扱われた回。…遅すぎる。良い師の下には良い弟子が育ちます。例えタカヤが凡人でも、「最強」の翔に鍛えられたなら、戦闘レベルが格段に上達しても不思議じゃありません。しかし、タカヤの売り(?)だった修行描写の完全カットはマズくない? 前回の展開で「古き良き友情努力勝利」を描きたい人かと思ったけど、単に行き当たりばったりな作風を断片的に評価して誤解しただけなのか…。あ、グルメの友達が『ゆうかりん』のファンに混ざってる。

おまけ
サバイバルレース
ジャンプ漫画の皆さんは、いつも生き残りに必死です。

* 16(16) D.Gray-man
死を意識してなおも生きていたアレンは涙する。スーマンの生きたかった気持ちを思えばこそ、この涙の理由は少しばかり共感できました。後は「使命を果たせなかった悔しさ」と「生きていた安堵感」も涙の理由に含まれるかも。

超回復して既に歩行まで可能なアレン。そこまで傷が癒えてるのに、どうしてスーマンから噛みつかれた右手はどうして傷付いたままなのか? イノセンスは粉々になったとはいえ体内に留まってるのだから、にょっきり生える気がします。超回復して教団の志も骨太になって、アレンはまたもやパワーアップしそうだなぁ。

「半年ほど有給」って、両さんにそんな有給あるとは思えないよ!

歯車アレンジのタイトルからして、今話は気合いの入り方が違いました。こち亀にマニアックな匠の世界を描かせるとめちゃめちゃ面白いですね。腕時計の奥深さやブランド云々はサッパリ分からないけど、精巧で細やかな歯車の構造を見ているだけで芸術的な気分に浸れました。そして秋本先生は、こういう細かい歯車絵を描くのが好きそうだなあとつくづく感じましたよ。両さんが考案する時計のアイデアも面白く、やっぱり世界規模でオチる内容も楽しめました。

* 18(10) Mr.FULLSWING
軽く60ページくらい読み飛ばしたかと思った。まさか準決勝のセブンブリッジ戦で、4回表から9回表に時間が飛ぶなんて、誰が理解できるねん! 剣菱の吐血に隠れてまさか監督の方が先に逝くとか、誰が予想できるねん! 試合に敗北した十二支ですが、漫画が続くならセブンブリッジ棄権、打ち切りなら準決勝敗退と、思わず漫画規模で次回予想するハメに。そこまでフォローして分析・考察する感想なんて、聞いたこと無いよー! 今週のWJで一番の衝撃でした。

* 19(20) 切法師
今までに使った術の応用、そして戦略の駆け引き。毎週このレベルで内容を凝縮すれば、「打ち切り法師」なんて馬鹿にされずに済んだハズだ...。バトルの総まとめに相応しい一戦でした。泥で土紋を描いて印着法で逆転なんて、この知的な逆転劇は燃えるなあ。閻羅槍→破魔剣の無駄のないコンボも絶妙。今週は文句なしに格好良さが輝いてたよ、倫太郎。

覇奴万は一切の慢心がなく洞察力に優れ、数百年間も種の長に君臨した説得力は抜群です。加えてこの手の敵は自ら隙を見せることがないので、倫太郎は真に実力だけで攻略せねばなりません。ともすればいきなりラスボス級の覇奴万。彼女を打破するに、頭巾の奥の切り札だけでは心許ない気さえします。ところで頭巾に隠されている切り札は第三の目とか呪印とか、ジャンプにありがちなネタを封印してるのかな?

* 20(21) カイン
今週は総帥のパンクな襟が五コマも出てきて悶絶の極みでした。オレを殺す気満々か総帥。「ワタクシはガマンできませんわ きのうあんな話聞かされて……」と呟くルゥラン。これは内水先生自身の心情を投影させたセリフではと深読みしてしまいます。やっぱり打切通告受けたんだ…。せっかく六旗将が新たに三人登場してもあと二人足りません。六旗将がオウマ達を一網打尽にするのが先か、本誌がカインを一網打尽にするのが先か。セリフの何もかもが、玉砕を込めたギャグに見えて仕方ありません。

今週は真面目に読めなくてごめんなさい。次週は華々しく散ってください!

我らがアイドル高菜さんの回。白目・ウエディングドレス・ヨーグルト・後半の背景と、白いイメージが続きました。白い液体を食べたのに赤い液体が口から垂れる、奇跡のマジックショー。クドイくらい白のイメージを引っ張ったのはこのインパクトのためですか!(絶対違います)
本来引っ込み思案の彼女は「芸能界」「CM」という大舞台に謙遜してるのか。せっかく社長が増岡並みのドM変態でベストマッチしてるのに、高菜さんご自慢のドSの本領は発揮されず。読んでるこっちは再三焦らされっぱなしですね。「ミモザ」のとんでもなく不要な注釈も、こういう小ネタは大好きです。後編の期待度もひっくるめて、今話は非常に楽しめました。

読者コメント

  • 稲垣先生
     アイシーネタを突いて欲しい願望満々ですね。これくらい心広く受け止めて欲しいところですが。
  • 岸本先生
     絵の印象で感じていたけど、やっぱり二人ともナルトのアシスタントだったか。
  • 許斐先生
     いや、無我の境地は無理でしょ! 侍の亡霊は絶対にCGでしょ!
  • 西先生
     ジャンプでは名前が被る事なんて日常茶飯事なのに、律儀に謝罪する作家さんは初めてみました。被ったから名前を変えるってのも、プライドの高い作家さんだとなかなか出来ないことでしょうし…。腰が低いですね〜。
  • 大亜門先生
     貧乳は己を恥じらう慎み深さがあって良いですよね。自分も貧乳ファンですから、その主張はよーく分かります。


次週はムヒョロジが『大人気御礼の巻頭』ということで、先行の特記感想が早くも予約されました。全力で応援します!

*1:十百千万億…も含むのでしょうか。(嫌すぎる!)