1041. 赤マルジャンプ - 2005 SUMMER
赤マルジャンプを購入したのは今回が初めて。「赤マルの漫画は本誌読み切りの予備軍」という偏見がありましたが、あながち間違ってはないですね。本誌・赤マルの掲載経験がある漫画家さんも居るようですが、ぶっちゃけ全然知らない人ばかり。そういう意味では、まっさらな印象で読書・評価できたかも。
感想内容は、独断評価で上位五漫画までをレーダーチャート感想。残りの漫画もソフトタッチに言及しました。その他、本誌連載陣のゲスト原稿へコメントも。
特集枠
妖怪学校オルフェノ・ライフ
ふぁんしぃ討魔伝
HAND'S
なぞなぞの魔法
トラ!! the goal-d Gravi-ruler
恋次が大人気な理由は、作者びいきが祟ったのか、それとも人気キャラだからファンサービスで登場機会が増したのか。カラブリ読んで、やっぱり前者なのかなぁという印象を受けました。アニメにゲームに引っ張りだこのBLEACH死神陣だけど、今年は現世キャラ中心のカラブリが読みたいです。
- BLEACH
- やちるが女の子だったことを初めて知って驚愕。元気の良い少年か少女か確信できずにいたので、てっきり久保先生は故意に「性別不詳」を貫くものだと思ってました。砕蜂の百合属性が真性だったのも見逃せない。「一般向けって言ってんでしょうが!」という七緒のツッコミはジャンプギリギリの一線だよ。ネムたんのグロヒワイ発想も君もそっちの真性か!と大ボケかましてくれました。やちるとルキアのセンスの類似に納得。つーかルキアを出オチに使いますか、豪勢だ。
- ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
- 西先生の描く弥子がマジ可愛くって驚かされた。いつも爆乳女性キャラばかりだから3倍増し新鮮です。西先生の描く貧乳キャラってサイコーに色気があって、個人的に大絶賛です。草野と弥子を同レベルで評価するネウロが熱い。でも人間性は弥子の方が逸脱してる気がする。ネウロと六氷が意外に気があってるのも、普段のネウロからすると考えられない反応だけど、まあファンサービスなんだし…と割り切れば楽しめる。
- 魔人探偵脳噛ネウロ
- 「魔法律を使うネウロ」という光景に吹いた。「上級魔法律・魔元帥の刑のパロ」「エログロ発言」「あかねちゃんが標的」「松井先生の描く六氷がちょっとイケメン」「近い…だが違う!!」「草野が『ヤバイ』を連呼する違和感とありえなさ」など、ムヒョロジファンには必見の小ネタ満載! これを見なけりゃ、真のファンを名乗れないと言っても過言じゃない! 松井先生は、律儀にムヒョロジの下調べをしたんでしょうか…。
- いちご100%
- 唯の4年後? いや、身体が発育するとかそんな低次元な話をするより、初登場時の唯に戻せばいいやん。
- 画力・構成力
- 絵柄が「魔法陣グルグル」衛藤ヒロユキ先生に激似で先入観を受けた。しかしながら、ヒロユキ先生の影響に振り回されていないのが非常に好印象でした。例えば、回想の脱力絵によって重たい内容をライトタッチに表現するなど、絵柄で印象をコントロールする優れたセンスを持っています。画力だけ見るともう一歩・二歩成長が欲しいけど、この表現の制御力はこのまま持ち続けて欲しい個性です。
- 構成力
- 近眼のウルがメガネをかけない理由、狼人間狩りから生き逃れた理由など、理由付けの仕掛けが見事。夕樹先生が長編漫画に着手する場合、構成力の巧みさから大成するのではと、連載化で大化けする可能性を覗かせました。一方、第一話での「妖怪達が誰も人間を警戒しない」「転校の容認が簡単すぎる」など強引なご都合展開は、尺の都合からして仕方ないので、まあ許容範囲の印象でした。
- 読後感
- まず絵柄のソフトさが、作中のハートフル路線と合致しており読みやすいです。子供だましなハートウォーミングのオチも、少年誌ならではの爽やかさを引き立てます。読前は「パクリ漫画」の印象でも、読後は納得の内容でした。
前二作も陰陽師に義経に歴史物題材が目立つので、「暗闇でサッカー」の人はその手のジャンルが好きなのでしょう。今回は思い切ってサムライそのものが登場。しかしサムライが登場するギャグ漫画は他紙で連載中なのが致命的。こんなの絶対ジャンプ本誌で連載できません…。
ジャンプに必要不可欠(?)のお色気要素を持たせたのは上手い作戦かも。しかし毎回女の子を下着姿にする演出も他紙で連載中なのが致命的。もういっそのこと、サンデー作家に転職すればいいのに!
- キャラ
- キャラの個性で勝利した内容。序盤のシュールさは不安を誘ったけど、読み進めるうち猫のイヌに良い味が出ました。最後は彼の理不尽な関西弁キャラにハマりっぱなし。ギャグ漫画はキャラの力でどうとでも巻き返せるのかと、つくづく感じさせられた作品です。
- ギャグ・読後感
- 後半になるほどギャグにキレが出たので、終盤は怒濤のギャグラッシュを堪能できました。終わりの好印象が序盤の不安を掻き消し、読後感も好印象に。
最もマズいポイントはヒロインがホオクに同行する理由が完全に不明。読後感が台無し。むしろヒロインの必要性からして危うい。お願いだから誰かヒロインの名前を明かしてあげて!
- 物語・構成力
- 前半は恋愛ギャグ、後半はスポーツ漫画と、主題のブレが気になりました。しかしこの漫画、両者が共存してこその作品ってことを、ラストで気付かされました。序盤から両主題を明かした方が、作品としての整合性も出たように感じます。
- キャラ
- 主人公、ヒロイン、ヒロインの父親がそれぞれ個性豊かで、どのキャラも灰汁のない面白い面々。この好印象が、作品全体に良い雰囲気をもたらしたのかも。読み切りスポーツ漫画にありがちな「人間性最悪の敵キャラ」が全く現れないのも、作品の品質を保ったポイント。
- 読後感
- ヒロインの父親が「全部分かってたけど最期まで見届けた」というオチは、ありがちなんだけど爽やか。仁義だよなあこのオッサン。「オレはハンドの出来る奴に優しいんだ」の台詞が終盤で生きる仕掛けも秀逸。いい雰囲気で読み終えられました。
- 構成力
- 「なぞなぞを解いてもらうと魔法が発動」という設定・仕掛けは他にない独創的アイデア。マーケティング的にも子供達は「なぞなぞ」や「魔法」が大好きですし、双方兼ね備えたなぞなぞの魔法は非常にスマートなアイデアに感じます。連載化となれば物語の方向次第で成功しそうで、今後の期待が高まります。
- 物語・読後感
- 現代と異世界の隔たりが終始あやふやなのが落ち着かない。記憶操作で都合良く片付けたり、最後の整理整頓を魔法のズルさで逃げた印象。オチで桜を咲かせて華やかさを演出するも、納得できない設定が目に余ったため、読後感で「?」となった。それを差し引いても「なぞなぞの魔法」というアイデアは生き生きしていて、このまま埋もれて欲しくない作品なのです。
- 構成力
- 「サッカーは未経験」でも「ボールの扱いは曲芸並み」という主人公トラの逸脱性がくせ者。初心者がサッカー経験者をゴボウ抜きするのも、画力とバックスピン技術の説明で十分説得力をもたらしており、これぞ正当派スポーツ漫画! という期待が高まります。「サッカーに無知」「トラがなかなか活躍しない」など、トラが活躍するカタルシスに至る焦らし演出も十分。いわゆる”ストレスゲージ”の溜め方が上手いなあ。
- 画力
- スポーツ漫画を描くに必要な画力は十分。しかしバックスピンを「常にかけ続ける」トラの技術を表現しきれておらず、板倉先生の現在の表現力ではコントロールできなかったのか、単に描き方が不味かったのか。技術を「絵」のみで魅せられれば、スポーツ漫画として大成する予感をひしひしと感じます。そういう意味で、成長の余地を残した4点評価です。
絵柄はキレイで読みやすく、主人公の主義には共感できました。
ヒロインより、2P1コマ目に登場したメガネのお姉さんリポーターのが10倍かわいいよ。彼女をヒロインにして欲しい。
結局ボクはヒデオに勝った。そして最終決戦では…タローと戦うことに…。…ボクと、…タローの。どっちが勝ったかって? ノーパン来日伏線も、もうどうでもいいことさ。
WJの番外編雑誌を買ったのはこれが二回目。初めて買った「ギャグスペシャル」が散々だったので、この手の雑誌はいつも敬遠してるんです。しかし今回は正直、期待より楽しめました。
目玉の武装錬金ファイナルやムヒョ&ネウロコラボも良かったけど、それだけじゃ雑誌全部を読ませるは難しいのがこの業界。そんな中、掲載された各漫画に見所が多かったのか、単に水準レベルをキープできたのか、全てを読み切ることができました。それこそが”それなりに楽しめた”という証拠ですね。