1020. 第31回 - 飛べ屋島へ

今週の概略

  • 平家の目指す九州征服は滞っていた
  • 暴風雨の船出を巡り、義経と景時が「逆路の論争」を繰り広げる
  • 元は平家方だった梶原景時中尾彬)との対立化は益々濃厚に

軍目付

  • 八島攻めの総大将となった義経。遂に鎌倉から総大将の命が下ったとあっては、義経を慕う郎党達の喜び方も頷けます。個人的には、彼らが郎党らの土いじりをもっと見ていたかったですけど。
  • 軍目付には梶原景季。その側に息子・景季(小栗旬)。義経を慕う景季の好青年ぶりは、今話全編に渡って目を惹きました。レギュラー化希望。
  • 梶原景季を調べてみると色々面白いことが分かりました。いくつか抜粋。
    • 弓に優れ、和歌・文にも通じた文武両道の武士だった
    • 『頼朝の寝所に伺候する11武士の一人』に抜擢(1181年)
    • 今話は義経に従い阿波への出航に同伴したが、頼朝の許可なく行動したため、こっぴどく叱られ鎌倉帰還を許されなかった(1185年)
    • 奥州征討で頼朝隊に加わり白河へ。頼朝の命で和歌を献じた(1189年)
    • 御家人らの反発に合い父・景時と共に京都へ上るが、その後北条の手に落ち討死(1199年)
  • 静(石原さとみ)には愚痴を聞いてもらうも、正妻・萌(尾野真千子)は蔑ろな扱い。萌さん、義経に愛してもらえず非常に不満そうな表情です。
  • 夫の居ぬ間に「萌vs静」の熾烈な陰湿系ファイトをお願いしたい。かつての「常磐vs時子」レベルの昼ドラどろどろ展開を復活させて下さい。


  • 猟師の鷲尾三郎長谷川朝晴)と妹・まごめ(高野志穂)が義経を訪ねる。義経の奇策を見て以来猟が物足りず、家来に加えて欲しいと懇願した。
  • まごめに凄まれて「命の恩人を死なせるわけにはいかない」と郎党入りを許す義経
    • 兄より妹の方が頼り甲斐あるんですけど…。
  • 伊勢三郎南原清隆)「三郎が二人もおっては困る!」感想を書くの方も困ります。
    • 鷲尾は熊、伊勢はカニ
    • 伊勢三郎にあだ名が付いてたのは、伊勢と鷲尾と混合しない配慮伏線でもあった?


他の動向

  • 熟女カップルは今週もねちっこいトークを展開。この二人は期待を裏切りません。
  • 源氏の面々は頼朝一辺倒に支持する中、義経だけは法皇も敬っている。
    • 「そのような者を失いたくはないなあ」
    • 法皇さんの場合、失いたくない気持ちには絶対別の理由があるよ…。
  • 平家一門の軍儀。知盛は一人浮かぬ顔。気がかりは西国。
    • 屋島が東西の挟み撃ちになることを恐れ、知盛は西を抑えることに。
    • これが大局にどう影響するか?
  • 母・常磐稲森いずみ)の死に気が塞ぐ義経の妹・能子(後藤真希)。平家奥方らから不審に思われるも、原因は常磐の死と知り一気に同情ムード。展開早ッ!
  • 常磐とかつてのライバルにあった時子。当時はあんなに疎んでたのに、「あの常磐が…」とショックを受けた様子。
  • 回想の時子さん。常磐を見つめる恐ろしい目!
    • 能子の血統に対して「なんとも恐ろしき縁じゃなあ」とコメント。
    • オレは時子さんの過去の方が恐ろしかったです。


戦局情報収集

  • 義経が現地で手配できた舟は40艘。これに梶原水軍の150艘が控える。
  • 双方の舟を合わせても平家の舟数より劣る。海戦経験も平家が上。
    • 梶原水軍の到着には6〜7日掛かる目算だった。
  • 40艘で攻めるのは無謀。しかし梶原水軍を待つと平家の手が回り危険が高まる。
  • 景時は義経の奇策がいかなるものか、しばし観察する様子。義経へ絶対の信頼を寄せる景季。不審を抱く景時。対照的な親子の描写が、以下くどいほど続きました。
  • 義経は水面下で郎党を動かし情報を集めた。
  • 義経は、海戦では経験や数で平家に劣り勝ち目はないと判断し、阿波からの陸路攻めを決意。これに景時は反発。
    • 山々と平家勢に進路を阻まれ、陸路攻めは困難極める
    • 梶原の水軍を待てと反論。


逆路の論争
今話一番の見所が「逆路の論争」。義経と景時が正面衝突。二人の主張が真っ向に割れ、見事に平行線を辿りました。短時間で二人の意見が上手く整理されていて、なんて効率的な口喧嘩してんだと感心すらします。

ここでの真の見所は義経の変化。これまで他人の意見を譲歩しがちだった義経が、今話は主張を一片も譲らなかった。景時に「鎌倉殿の軍勢」と迫られてもいったん申し遣ったら自分の軍勢と反論した態度は、今までの義経になかったものでしょう。頼朝と衝突後「なんとしても戦に勝って頼朝に認めてもらう」強い思いが、義経の主義をも変えたのかな?


景時の不満

  • 景時は景季に義経の戦ぶりを尋ねた。すっかり義経ファンの景季くん。ここぞとばかりに義経のすごさを語ります。
    • 自ら先陣を切って戦う無鉄砲さがありえない。
    • これまでの兵法を遙かに超えた戦術がありえない。
  • 景時父さん、これまでの戦経験にない事ばかりで「わからん!」と連呼して思い悩む。
    • パソコン主導のデスクワークに切り替わった時代のお父さんみたいだ。
  • 景時は、梶原の所領など後方を考えて行動しなければならない。義経には背負う物がないから、ためらいがないと結論付けました。


継信の助言

  • 次週で(略)な佐藤継信宮内敦士)、「殿の思いは家来の思い」と、迷う義経を元気付けた。
  • この辺りで兄さんの見せ場を持たせて目立たせておかないと、悲劇展開にならないもんなぁ。
  • それでも、ちょっと強引な気がする。普段ならこの場面、力づけるのは確実に弁慶ポジションだ。
  • 白い布が吹き飛ぶCG安っぽすぎ…。
  • 嵐の中、海に出ると決断。
    • こんな時こそ敵を欺く好機
    • 西から南に吹く風向きはまさに神風
  • 景時は最後まで反対するも、景季は義経に同行。義経と景時の争いは最後までしこりを残した。
  • 二郎は嵐の海に乗り出せる船乗りを募っていた。150旗の兵を舟五艘に分け、嵐の海を進む。ラストシーンはまたCG合成。
  • 「既に戦は始まっていたのでございます」
    • 義経海上で嵐に飲まれて死ぬ方が、戦中に討死するより確率的に高そう。