872. 週刊少年ジャンプ - 24号
今週は仕事が毎日残業状態だったので、四日がかりの感想となりました。一日数漫画ずつ書いていったので、全体的にいつもより二割り増し程度の文量となりました。すみません…。
- 表紙
- 表紙は新連載カイン。予想以上に画力が上がっていて驚きましたが、かといってインパクトのある表紙かと言えば、至って平凡な印象しか残らず。WJらしくない画風といえばそうなんだけど、イマイチ安っぽさが拭えていないような…。
- JUMP SUPER STARS
- ジャンプスーパースターズに銀魂とテニスの参戦。銀魂からはメイン三名の登場が素直に嬉しいところ。でも神楽はサポートっていうよりバトルキャラの方が栄えるよ絶対。テニスの王子様に関してはもはや、バトルゲームに参戦しても何ら違和感がないあたり、さすがジャンプ漫画の貫禄を感じました。
健闘枠: DEATH NOTE ONE PIECE
特集枠: カイン
内水融さん
サソリの内水先生と言えば記憶に新しく、そこまで悪印象もない漫画でした。しかし、「これは人気漫画になるぞ!」と期待できるような光るパーツも一切無く、結果『隅っこで連載しててもいいけど空気漫画』という漫画のような印象が残っています。
絵が上手いけど、絵が上手いだけ
顔はもちろん、肉体も身体の動きも違和感なく美麗。小物や装飾品も独特で、中華な世界観と雰囲気が伝わります。でも、絵が上手いだけ…と言えばそれまでか。例えば、主人公カインの磁力能力で、金属の物体はどこから飛んできたか、どの程度の勢いがあるのか、物体のルートはどうか、バトルを構成する基本情報が分かり難いです。
敵のライエンも、牙門砲で街をダイナミックに崩壊させるばかりで、ライエン自身がその砲撃の強烈な反動を受け抑えるような描写はない。どうもライエンさんは戦いに関し無機質すぎて、牙門砲に顔が生えたキャラという印象がした。能力者は能力を使いこなすから凄みが出るのだし、「能力を使いこなす」ことに説得力を持たせる一つの手法が、漫画ならではの描写力だと思うんです。
内水先生は本当に絵が上手くなったけど、描写による説得力が手薄で、見所はことごとく肩透かしされてしまいました。見せ場で光る描写力がない、その積み重ねが『隅っこで連載しててもいいけど空気漫画』に成り果てたのかもしれません。次週以降、カインはその辺りを改善できるか動向に注目です。
軍師モノから一気転身
読み切りはあまり良い評価をしなかったオレですが、だからと言ってあの世界観をそのまんまファンタジー世界に描き変えてしまうのもどうかなぁと…。内水先生は相当に歴史や大河が大好きなことはよぉーく分かったし、素直に得意分野で真っ向勝負して良かったんじゃないかと思います。サソリも変にファンタジーが入らなければ、人物造形や人間関係が面白かったのになぁ。
ヒロインの目的がバレバレでお寒い
物語はまとまりよく、独特の世界観や設定も伝わり、優等生のできだと思います。だけど、残念ながら、話の本質はぜんぜん面白くない…。だってこの話、ヒロインの目的がバレバレで、何の意外性もないんだから。
一般市民が誰一人として、メイファの想いを汲めないマヌケどもだったのがまずイケません。読者は全員メイファの真の目的を、開始直後に察せるのにですよ? おまえら一体その国に何年住んでんだって話。話以前に、住民達が無感情すぎて、背景に説得力が見られません。しかも敵兵は一方的な完全悪。敵兵といっても人間だろうよ。そんな残虐無情な雑魚敵像、昭和の時代で終わってますよ。平成の世には全く受けない要素。
話のオチが見え見え、加えて背景の安っぽさがどぎつい。これじゃこの漫画、まるっきり「メイファたんのチャイナ服に萌える漫画」でしかないよ。
内水先生は本来、良いセンス、面白いセンスもたくさん持っているハズなので、連載の機会を有意義に生かして欲しいなと、応援の気持ちで締めくくりたいと思います。
こちらで先行感想しました。戦うのことなく逃走の展開は予想していましたが、まさかのUFOオチ。『反膜』の解説は、小学生にも分かるようでやっぱり原理は理解不能な、いつものオサレ能力でした。藍染隊長、もといプリンス・藍染様は眼鏡を破棄し、しかし完全に没個性。やはり地に落ちてるぞ藍染様!市丸が幼なじみの松本に別れを告げるワンシーンが秀逸。二人が積み重ねた長い年月の終わりを、市丸の寂し気な表情が物語っています。じんわりと切なさを感じました。
ソウルソサエティ編では死神の同士討ちバトルが重なり、この人達はどうして戦うのかと、どうも理不尽な展開が続きました。藍染様が「死神の虚化」を目指すことで、今後の展開は再び『死神vs虚』の分かりやすい構図へ原点回帰しそうです。正直、死神同士の戦いじゃ死神のくせに誰も死なない・殺さないことを悟ったので、これ以上間延びされてもダレるだけ。さっさと新展開をおっ始めて欲しいところです。
先週出題した四択クイズの解答編は次週持ち越し。力押し一辺倒だったあのナルトが、第二部では冷静に「幻術の対処法」を模索するなど、着実な成長が見てとれました。チャクラの解説と合わせて幻術の原理を説くことで、忍術の仕組みに説得力が増します。しっかりと地に足着いた設定の作り込みがあるからこそ、各キャラが披露する必殺技の忍術にも魅力が出ますね。
どうやらイタチは、ちょっとした仕草だけで幻術の暗示効果をもたらすことができるので、かなり作者にとって都合の良い展開を組めそうです。イタチが全身全霊で幻術能力を発揮したら、ナルト達は一網打尽じゃなかろうか。
六氷を温存することで、草野の成長、もしくは覚醒フラグが立ちました。理緒様曰く「──今のあなたの精神状態では 隠された力は発揮できない!!」ということで、これも予想済みでしたが、やはり魔法律の能力・威力は『精神状態』に左右されるものでした。だからこそ、いつも冷静かつ無情に裁きを執行する六氷が、魔法律の天才児となる理由にも繋がります。
故意なのか画力不足なのか判断不能ですが、理緒が草野に特製自作のフダを渡すシーン、理緒様の表情に翳りを感じます。これがシリアスな表情を表すものか、はたまた、あのフダを草野が本当に使いこなせるかは「一種の賭け」だったのか。このワンシーンからしていろいろな推測が飛び交います。妙な誤解を生まないためにも、西先生にはもっと明確に表情の描き分けを心がけて頂きたいです。
- [3P-5c] こう…柔らかい者同士が潰し合ってるのを見ると…無性に両者共に潰したくなる感情が沸き起こるというか。
- [5P-4c] DB絵や川柳じゃ笑わないけど、「ベジータの野郎…」は反則だ! 吹きました。
- [7P-2c] このコマ、ベーベベさんの無気力感と言ったらない。
- [8P-5c] 露骨に元ネタを感じるワサビーフ・カールは正直笑えない…。ネタ切れなのかなぁ。
- [10P-4c] その落石トラップは首領パッチのためだけに描いたろ澤井先生。
- [14P-6c] ワォ!! パズルやってた「だけ」って、パズルやってることにツッコミ入れてぇ!
- [ラスコマ] 田楽マンのラスコマキープ、ついに陥落。
- [2P-2c] 忍者のくせに登場シーンで火薬仕込みすぎ。目立ちすぎ。おまえら人目を忍べよ!
- [3P-3c] お庭番はクビにされすぎだろ。でも一通り読んだら、なぜ彼らがクビになったかはよく分かる。長谷川さんといい、この漫画は無職フリーターが多すぎるよ…未来が真っ黒だよ。
- [6P-4c] 「脇薫(わきかおる)」って、それ女の子の名前じゃ非道すぎる。結野アナくらい非道すぎる。
- [7P-2c] 新八が怒濤のマシンガンツッコミ。ツッコミに回ると光りまくり。どこが地味キャラだよ。まぶしすぎるよ彼。そのツッコミオーラを分けて欲しいよ。
- [11P] おまっ、これのどこが「なんかナルトみたいだー!」だよ大西ィィ!
- [12P-2c] 漏れそうなときにその呼吸法は強制スカトロプレイじゃないですか。WJ至上初の、スカトロプレイ経験ヒロイン。
- [14P-5c] 素手で納豆イったー!!(寒気が…)
- [16P-1c] やっぱり服部さん、月の光で痔が治った訳じゃなかったんだ。読者の大半はほっとしたハズだ。このシーンのセリフ回しを見る限りでは、薫と服部の関係もただごとじゃないよね。
- [19P] えっ、子持ちオチ…って、全然オチてねえよ! 子供喋ってるやん!
無睡で動き続けた挙げ句に、血を流しすぎたキルア。これ以上休息無しで動き続けるのは無理でしょう。幸いにも兄妹はムャンマに「ターゲットを始末した」と報告したので、キルア休息フラグも立ってます。つーか休んでおくれ。これ以上の人間離れした行動は、インフレしすぎて不安だからさぁ…。
「働くのがいやだから海賊になった」とまでぶっちゃけるニートな海賊像を描かれてしまったら、これはもう素直に彼ら海賊達に共感して、ただ笑うしかありませんよ。ニュース元を思うとは不謹慎だから、大っぴらに笑っちゃダメだろうけど…。
すごくトゲトゲしい感想になりますけど、はっきり言って今のリボーンはつまらないです。「マイナーだけど打ち切らないで欲しい漫画」オーラも完全に失せてしまった。今じゃすっかり「地上最速青春卓球少年ぷーやん」のようなくたびれてやりたい放題のこの空気、ホトホトなんとかして下さい。それほど、オレはリボーンに心底呆れてしまいました。同時期のギャグ漫画「銀魂」とは完全に明暗別れてますよ。
来週はマフィアリゾート? へえー…。内藤が人外生物とデートしたり、チビ達がウザい活動に走ったり、獄寺・ディーノのイケメンが顔アップで登場して、ツナが空気と同化したツッコミしてお終いでしょ。せっかく死ぬ気弾の存在が消え失せたのに、ツナは以前成長フラグが立たないし。主目的が迷走しすぎているように思います。
蛇神さんの復活はまだまだ焦らします。だって蛇神さんは「魔球を確実に打つ目」の持ち主ですもの。畑違いの某忍者漫画の某写輪眼や某白眼よりもエグイ設定。あんな最強の瞳術で打てば、どんなファンタジー魔球もたちどころに攻略されますよ。特にセブンブリッジ戦は「一点を勝ち取る戦い」を描くようですから、究極の瞳術ヒッター・蛇神が場違いなのも深く頷けます。
ところで鹿目先輩のお姿が見えないので、またどこぞで修行にでもお戯れですか。準決勝は、犬飼が途中で炎上する役、鹿目先輩が途中から救助する役と、役所を入れ替え変化を付ける狙いがあるんでしょう。
西野との交際ネタはひとまず小休止。「まぐわる・まぐわらない」の話は後に回し、今週は脇のその後で話を固めてきました。特に無意味なお色気シーンもなく安心して読めました。東城の豪快なパンチラも「いちご100%」というお話の本筋からすれば必要なファクターですから、これは許せる範囲。「と 撮ってしまった 風にたなびくスカートからのぞくいちごパンツ…!」センターくんが久々に、パンツへ興味を持ってくれましたね。でもそれは『盗撮』という新鮮さがあってこそのネタ。ただのパンツにはもはやなんの興味も持たないオトナなセンターくんなのでした。
雄斗を取り巻くスケート仲間も増え、トレーニングに最適な環境も確保され、いよいよスピードスケートで氷走するまでの準備がすべて整いました。残念ながら主人公の活躍はもう少しお預けですが、吾川と修の一騎打ちで良いレースを魅せてくれると期待したいです。どうやら後がないですから。
一方、やはりこの漫画に不安要素が多いのは、連載最後尾に落ちたのが何よりの証拠です。スポーツ漫画は「地味な展開が好まれない」WJの法則は、以前より何度か言及しました。加えて、小学生と中高生の描き分けが見られない描写力の足りなさ。リアリティすぎて夢がない少年漫画らしからぬ作風。足がぐるぐる回転して追いかけっこする昭和的表現。
こうした不安要素をどう克服するか。あるいは長所へと転換するか。それら要素の劇的な変化こそ、これからのサバイバルレースを生き残る重要なキーになるでしょう。
- [1P-5c] 父とジャガーさんの馴れ合い方が異常。もはやカップルのオーラさえ見えるではないか。
- [2P-7c] 靴下までグッズ化しちゃヨン様に叱られるよ…。
- [3P-2c] 「そういう事だろがーー!!」最高のフリと最高のツッコミをサンキュ。
- [3P-6c] 『バイバイ』が必要以上に良い詞でびっくりしました。やるなピヨ彦。
- [4P-1c] 脱力系のイラストが良い味出してます。
- [4P-6c] 感動の詞から一転「みんな蒸発しろ」っていきなり荒みすぎ。
- [6P] 興味津々に「気になるイボ」を見つめるピヨ彦の表情が、いちいち笑えました。
- 澤井先生
関東に越してから『オリジン弁当』の存在を知りました。今度食べてみますよあぶり豚とろ丼。 - 空知先生
あるある、WJが凶器に代わるとき。でも別に、ジャンプじゃなくてもいいんだよなこの話。敢えてジャンプで例る空知先生のジャンプ好きに共感。 - 星野先生
キッチンで寝てるのが気持ちいいと叫ぶ星先生は精神荒みすぎ。休載の機会を与えてあげて! - 村田先生
どんな裏ワザを会得したのか、次回のカラーが楽しみです。 - 天野先生
暑いような寒いようなこの時期、掛け布団を一枚にするか二枚にするかで悩みますね。一枚だと寒くてカゼひきそうだし、二枚だと汗がだらだら…。
いつもWJ感想の後半を占めていた「武装錬金」と「Waqwaq」が両者揃って消えたのが、今になって寂しく思います。普通ジャンプの感想は、後になるほど体力も勢いも無くなり、最後にはどうでもよくます(苦笑)。
しかし昨今のWJ感想は、読み応えのある「武装錬金」「Waqwaq」が最後に控えることで、最後だけどしっかりした感想を書きたい! と思わせられ、身が引き締まる思いを受けました。
今、ジャンプの最後尾がいちご、ミスフル、ニートになったことで、今までの緊張感が一気に薄らいでしまいました。次週以降は、これまで以上に尻切れトンボな感想とならないよう、注意しなきゃなぁ…。