862. インプラント

通勤で電車乗ってると、周囲の雑談が聞こえてくるじゃないですか。別段聞こうと意識するわけでもなく、勝手に耳に入ってくるんですよね。一度会話が気になると、聞くまいと壁を作っても雑談がシールドぶち抜いて耳に届いてしまう。こちとらTOEIC対策で英単語覚えるのに必死なのに、聞きたくないと意識するほど聴覚が研ぎ澄まされるんですよ。

大抵はとりとめの無い雑談。学校の課題が難しいだとか、嫌な上司の愚痴だとか、時事ニュースの品評。でも稀に「借金が積もり積もって自己破産しようか迷ってる」「私が二股してたら、相手は三股しててブチギレた」「同僚がどうやらホモらしいことを聞いたんだが、今すごく迫られて困ってる」など、とてつもなく深刻な内容を話してる人たちもいます。

そんな会話を聞くたび、悪いなぁと思いつつも内心大爆笑。声が漏れないよう、ニヤつかないよう筋肉の痙攣を抑えて、TOEICの本を読むふりしてごまかして。…って英語の勉強がメインだろ。何で主目的逆転してんだ! それはそれとして、電車の中で人生相談するのやめましょうよ。英単語覚えられないから。

そんでもって今日の雑談はまた強烈だった。

生徒A「昨日ね、インプラントのオペ見せてもらったんだけど」
女生徒B「インプラントすごくね?」
生徒A「すごくね? インプラントすごくね?」
女生徒B「オペってさー、あの白衣がマジよくない?」
生徒A「助手の人、白衣チョー似合っててヤバカッコよすぎなんですけど」
女生徒B「白衣だと渋くなるよね! 眼鏡で白衣ならよりいいよねっ(興奮気味に)」
生徒A「なにそれ、チョーうけるんですけど!」
女生徒B「普段冴えないオトコが白衣と眼鏡で豹変する、そのギャップがたまんねーでしょ?」

君たちインプラントの話はどこいったんだ。そしてオレはTOEICの勉強どこいったんだ。