857. 先行感想 - DEATH NOTE page.62 「決断」

今週は超早朝便で更新ッス。
今週号の「DEATH NOTE」について、大きくネタバレを含んだ感想記事です。未読の方は閲覧を控えて下さい。
今週の感想は、「感想」というより「読み解く」に近い内容だと思います。やけに月の語りが多かったので、内容を理解しようと熟読するだけでお腹いっぱいになりました。

月の説得
月は、日本警察の実質トップとなった父らを説得。この説得において、月の狙いは複数点ありややこしく、読解に時間が掛かりました。要点は以下三点。

  • キラの長官殺し
  • 粧裕の死を避けた
  • 捜査本部内の信用を得た

それぞれの内容について読み解きます。

キラが長官を殺害した理由
月は、キラが長官を殺したと推理し特定する。理由として

  1. キラは日本警察にノートがあるとわかっている
  2. ノートが悪の手に渡ることは避けたい(警察の手にある方がよい)
  3. 警察庁内にキラの密告者が存在することを仄めかした
  4. ノートの取引を恐れ長官を殺害した

と結論付けた。月自身が不利になる発言の一切を避け、一般論の視点で推理を述べ説得。月さんカマトトすぎです。この辺りは読者もおおむね予想してきた事項ですが、それを月の口からネタ晴らしするとは大胆でした。

粧裕の死を避けた
月の説得により、当面粧裕の死は避けられました。

  • デスノートによるキラ殺しを封殺
    • 今後、粧裕の誘拐は”キラに知られない”設定で進むよう月が仕向けた
  • マフィア側の粧裕殺害を阻止
    • 「警察に大きな動きがあったら殺す」を牽制し、警視庁に誘拐の件を隠蔽した

捜査本部内の信用を得た
月は、キラが未だノートの「所持者」と「隠し場所」を特定できていないと説得しました。同時に、キラと対立する自分たちの立場を整理し、独自のキラ像も指摘することで、あたかも月とキラが別人物であることを皆の前で暗にアピールしています。

  • ノートが世に出ることを嫌うなら…
    • 夜神父を殺せばいい
    • 捜査本部の人間を皆殺しすればいい
    • 分かっていれば必ずやっている
  • キラを追う側の危険性も指摘
  • キラは警視庁に精通している誰か?
  • キラは警察庁のセキュリティを破っている?

以上の説得により、捜査本部内の人間はキラが月や夜神父だとは考えられなくしました。

さらに、「アメリカ警察はキラ捜査を名目にノートを奪いに来ている」とニアの思考まで予想済み。ここまでやってくれると、先週まで(M&Nの見せ場を演出する展開の都合で)後手後手に回っていたヘタレ月くんも、いよいよ名誉挽回と言えますね。このまま体よく逆襲とはならずとも、久々に月の饒舌腹黒な推理が読めて満足しました。

ノートの整理
今回、三冊のノートがどのような状況にあるか改めて整理されました。この場面の要点は以下三点。

  • 夜神父のノート
  • 所有権ルールの整理
  • デスノートは三冊

こちらもそれぞれポイントを整理し、若干今後の予想を。


夜神父のノート
一点目「夜神父のノート」について。父の所有するノートだけはルールが英語記述になっています。また、月が差し向けた例の偽ルールも入っていることから、このノートが別勢力に奪われる可能性は大いにあります。他のノートを奪われても、別勢力の人はそもそも使い方が分からないですもんね。

所有権ルールの整理
二点目「所有権ルールの整理」について。かなりルーズな状態にあったデスノート所有権のルール(これについてはPage55.「創造」の感想で指摘した)が明確化されました。要は海砂の言う通り「持ってる人の勝ち」らしいです。えー。のルールってかなり厳密になってると思っていたのですが…。ホント、レムの方が生きてれば詳しい話が聞けてよかったのに! この場面、ちょっとショック顔になってるリューくんが可哀想でもありました。

この時点で、所有権ルールが持ってる者勝ちだと確定された背景を深読みすると。今後、夜神父のノートが奪われる展開にあるのでしょうね。

デスノートは三冊
三点目「デスノートは三冊」について。ノートが三冊あることは、月と海砂にしか分かっていないこと。三冊目(海砂のノート)の存在が、物語に意外性をもたらす可能性は大いにありますね。ただし、物語の舞台は日本からLAに飛びました。海砂のノートは今後暫く土中に眠ったままとなるようです。

ニアとメロ
ニアとメロと変換したくて「ニア止めろ」と出るのですが、確かにマッチ棒のビル建築は誰かニアを止めろよ。ニアの言葉遣い、性格、態度、目付きがことごとくLとダブります。彼を見てると、Lが死んだ気が全然しない不思議。”一番”の余裕からか、メロの事を心配する思慮深ささえ見せました。これは優しさか、それともメロの不甲斐なさを咎めたのか。この漫画、頭の良い登場人物はことごとく「優しさ」って言葉がミスマッチだ。

マフィアの動向
マフィアと日本人が、普通に喋ってる…! コミュニケーション成立してる…! やはり2009年の世界ともなればグローバリズムまっしぐらなんですか。松田さんでさえ英語ペラペラなのか。うわぁ、信じられん! 凹む! 納得できん!

粧裕を巡ってあたふたと会話するマフィア側がなんだか微笑ましい。こいつら写メ撮るときも、粧裕をより被虐的に撮ろうとして何度も失敗したに違いない。写真がぶれたりして揉めてんの。しょうがないからメロが粧裕を写メしようとしたら『ビクゥン!!』とかいって一目惚れしたり(センターくん暴発現象)。で、この人達、最終的にはフランキー一味みたく……

マフィアA「頼む!!! オレ達も連れてってくれェ!!!」
マフィアB「あたしらメロのためなら命だって惜しくないわいな!!!」
マフィアC「お願いだよ」
月「乗れ!!! 急げ!!!」
マフィア一同「……!!! ライトォ………!!!」
松田「ちょっとライトくん!!!」
月「ま いいよ」
マフィアA「すまねェっ!!! 恩にきる!!!!」
マフィアB「やったー!! メロ救出に行けるぞー!!!」

のような、味な展開が待っているんだろうか。つかおまえら「!!!」多すぎ。こんな熱い展開のデスノート…!!! 予想できないッ……!!!!

舞台はLAへ
海砂がハリウッド映画に出演する話、まさか立派な伏線だったとは。

おまけ
二ヶ月ぶりのコラネタですよー。手抜きが大好き。お題は「藤崎先生お疲れ様」です!
Waqwaq連載終了
コミックスの加筆修正など、まだまだお仕事は残っておりますぞ。それが終われば、暫くは羽根休みできるのかな? 連載お疲れ様でした。