855. 科学常識このぐらいは
そうである原理・理由を問わず、単純な○×選択で合否判定することに些か疑問を感じます。一方、問題が単純でないと統計を得る事が難しく、テスターの協力を得られにくいのも確か。データを得るため短所を「仕方ない」で済ませて指針を作る工程に、失敗が孕んでいるように思えます。こっちを立てればあっちが立たず。指針を作成する側の立場で考えると難しいですね。
だからこそ、チェック問題は二値判定しても角の立たない問いを用意するはず。…なのに、これまた斜めから見るとアヤシイ問題が多くって驚き。
文科省が定めた判定だから信用できるとして、一般人の過半数はこの問題と解答を鵜呑みにするのではないかと思います。しかし例えば、問題の一部は以下のような陰湿な揚げ足取りやダメ出しが可能です。
「1.地球の中心部は非常に高温」は、未だ人類が実測した事はない。地球表面の地殻の下にあるマントルだから高温、と確定でない推測情報(高確率だけど)で問題を作成している。
「3.我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた」は、水の分解やオゾンの放射能反応などからも、酸素は生成しうる。太古、地球上でそうした原因から酸素が大量生成された可能性を踏まえているか。現人類が呼吸に使う酸素を「植物からのみ」と言い切れるか。
科学をよく分からずとも、自分なりの考えで意見を出せる人がいます。常識外の考えを持てる人こそ、科学の新たな発見・発案を見い出せるとも考えられます。この科学常識チェックは、○×判定によって「常識外の考えを持つ人」を潰しかねない。そんな不安を感じます。
実測もせずに予想・推論で「当然そうである」と考えテスト値を決定する。それは立派な改竄だってこと、科学の常識だと思ってました。それって、理系人間の中でも「数学者」と「理工学者」の立場でまた違うのかも。