853. 初給料と母の日

少し前の話になるんですが、初給料が入りました。

会社借り出しのアパート暮らしなもので、なんと家賃の八割が会社工面という家賃手当が付きます。オレが実質払う家賃て激安なんですよ。家賃より光熱費の方が高いですから。結果、給料のほとんどは生活費で減額されずに、まるまる手元に流れ込みます。

社会人の給料を手にすると、学生時代あれだけバイトして稼いだ『お小遣い』がほとほとバカバカしくなりますよ…。バイトなんかせず素直に遊べば良かった。だいたい、今は社会人っていっても研修で勉強してるだけだし。むしろバイトの方が働いてたよ。肝心の研修内容も大学で学んだ内容の重複で、これじゃ働く=通勤の状態。

オレはこの会社入って1円たりとも売り上げてないのになあ…。会社側も素直に”研修費”をさっ引けばいいのに。ホント会社に悪い気持ちでいっぱい。結局、こんなにお給料もらっても、汗水垂らして稼いだ実感が無くて。ぱーっと使うのも気が引けるんですよ。そもそもオレは貯金マニアだから散財するのも難しいし。

そこで初給料を口実に、親に何か買うことにしました。これ、実際にやると凄くこっ恥ずかしい。そもそもオレ、両親は超が付くほど嫌いなんですよ。それが理由で、一人暮らしできる大学を選んだ程だし。で、その超嫌いなご両親様にプレゼントともなると、照れと恥ずかしさの感情がむせ返り悶絶します。いっそ高層マンジョンから飛び降りた方が、気が楽かもしれない。しかも何贈ればいいかわかんないし。不肖息子ですから基本的に家族には無愛想ですし。色々考えたけど、最終的には「母の日」に便乗することで落ち着きました。

で、とりあえず手続きして贈ったはまではよかったんですけど。あとで商品内容を一読すると、『母の日に贈る感謝のメッセージカード』が勝手に入ってたんですよ。手紙の内容は業者のテンプレで発行され、変更は不可能らしい。ヤロー、誰の許可もなしにとんでもない地雷仕込みやがったな!


その手紙内容を見て、この日一人の若者(オレ)が壮絶な悶絶死を遂げました。

おかあさんへ


いつも優しい気持ちをありがとう
毎日の感謝をこの花に込めて
あなたに贈ります・・・


(少しピンボケした一輪のカーネーションが横になって陽の光を浴びる写真)

母 の 日 ワ ン ダ ー ワ ー ル ド 全 開 … … ッ !


穴という穴から流血が止まらない。ボーボボワールドより強烈だ。死にてえ! 死なせて! お願いこのまま僕を死なせておかあさーん! あるいは人類が死ね! 一週間は実家の電話取らないから。着信拒否すっから。