836. 先行感想 - DEATH NOTE page.60 「誘拐」

水曜日に「先行」なんて名乗っても周囲に乗り遅れすぎです。WJの本感想が遅くなりそうなので、先に仕上がった感想だけUP。デスノートは激動の第二部開始となりました。

デスノートポスター
世界を見下すような月の眼差し。この表情で「そら這いずり回れ 粘液出して床を撫でるのがお似合いだぞ」と冷たく言い放ち、海砂をナメクジ呼ばわりしてみて欲しいです。

死者追悼
安らかに眠ってください。

  • メリー=ケンウッド(ウエディ)
  • ティエリ=モレロ(アイバー)
  • 尾々井剛(ヨツバグループ社員)
  • 樹多正彦(ヨツバグループ社員)
  • 紙村英(ヨツバグループ社員)
  • 鷹橋鋭一(ヨツバグループ社員)
  • 奈南川零司(ヨツバグループ社員)
  • 三堂芯吾(ヨツバグループ社員)

L捜査本部と少しでも接点があった人物は、日本警察内部の人間を残し一掃された。ウエディとアイバーは身元捜査が手間取りそうだが、月はものともせず。しかし我々読者は「相変わらず堅いのね」の名言を決して忘れません。

一方のヨツバグループ社員も全滅。理想のためなら一厘の情もない、月の完璧主義が見て取れます。第一部終盤にはヨツバ社員達が社運の希望を抱きながらも、全く救いのない結果に終わったのはいかにもデスノート。ワンピやブリーチのように「死人が出ない」WJ主義を真っ向から逆行しまくるデスノートの性質には心底惚れます。

ただし、Lの死の時と同様、キャラ至上主義のファンには辛い作風か。どんなにメインキャラでも容赦なく殺すその作中性質は、同時にそのキャラのファンをも殺すことになる。そうしたデメリットの逆風を補っても、根強く支持を得られる作品であると思うので、最後まで容赦なく殺すサスペンス路線のまま突っ走って欲しいです。

Secret Provision for KIRA
内気なインドア派とされるニアは、三年分の独自調査をFBIに売り込み、アメリカ合衆国の協力を仰ぎSPKを創設。FBIとCIAの捜査官にニアを加えたメンバー構成。メンバーは「M0」「Y320」など独自の暗号ネームを持つ。「Y320」はメロのスパイ。構成人数は七名で、内一名は女性。世界随一の巨大国家から協力を得たことで、情報戦略はニア達SPKが他勢力に比べ頭一つ抜けて有力か。

第二部では勢力図に『国家』を導入したことで、後の展開は国家間同士の駆け引きも起こりうる。秘密裏にキラ対策本部まで用意したUSAは『キラを認める国々』では無いハズ。現時点で世界最大権力の国家アメリカに対し、『キラを認める国々』が対立する(ように月が呼び掛け仕向ける)構図が想定できる。

一冊の「デスノート」が国家間の政治、社会、文化に影響を脅かし、第二部に入り途端にスケールがでかくなりました。

ギャング
外向的なアウトドアとされるメロは、なんと外見も思想もドス黒く染まったギャング(マフィア?)のボス。ニアが表社会から真っ向勝負で挑むなら、メロは裏社会から泥試合を仕掛ける形に。ギャングの構成人数は六名(現在)で、内一名は女性。スパイも入れると七名以上は確定。中でも髭&アフロの太ったオッサンは幼い頃生き別れた相沢の実父である可能性が高い(ほど激似ィィ!)。要チェックです!

第二部のスケールからして、メロが仕切るごろつき達は単なる小規模なギャングとは考え難い。ここはオーソドックスに『巨大マフィア組織』を牛耳ったと予想したい。また、ニアとは対局に善意の欠片もないメロは、他勢力に比べやりたい放題できる点が強み。月やSPKは表向き犯罪行為が許容されない中、メロ陣営だけはいくらでも手を汚せる。ある意味反則だ。

「ニアより先に…」と焦りを見せ糖分補給でイライラを抑えるメロ。その様子を見る限り、メロとニアは「どちらが先にキラを捕まえるか」を競って遊んでる訳ではなく、メロはデスノートを獲りたい、ニアはLの敵を取りたい、という主義の仲違いが起こったのでしょうね。ノート保持者になり、新たなキラになる気満々のどす黒いメロがめちゃワル。黒光りしすぎてかっこええー。

日本警察
L捜査本部を乗っ取った月。日本警察にも触手を伸ばし、完全に情報操作が行き届いている。今話、多貴村長官が自殺(おそらくは月がデスノートで自殺させた)したことで、日本警察の次期長官は月の父となる。イレギュラーな事態に上手く対応し、見事『長官の息子』を奪取する月、このまま完全にキャリア街道ですね。

粧裕
序盤のアットホームで気の抜けたな空気や、粧裕を巡った小芝居などは、すべて「夜神粧裕の誘拐」の展開に繋ぐ布石。粧裕の成長や周辺環境を、物語中にワンクッション置き紹介することで読者の感情移入を促した。これより「デスノートのためならサブキャラの粧裕なんて…」などと軽視されず、粧裕の誘拐に緊張感が走る。

展開の速いデスノートなら、次週にも粧裕が誘拐され拘束される姿が拝める訳ですね。妹フェチの方なら、次週のジャンプは二冊買って一冊は保存用ですか? この展開に月のみならずニアがどう反応するか期待。