830. 第12回 - 驕る平家

即日感想を仕上げましたが、引っ越し事情により後日UPとなりました。今後の数週間もネット環境がないので、うすのろ投稿となります。早さを売りにしてるのに、それ失っちゃ何も残らないよ、ここの感想…。


ウタノマエ
平家は秀童(かぶろ/スパイみたいな存在)を上手に使って抵抗勢力の弾圧を行った。恐怖政治を断行する平家に、反発する都の者達も溢れ始めていた。


義経の屋敷にて

  • 九郎義経滝沢秀明)の屋敷で家来達がのびのび働く。伊勢三郎南原清隆)の歌がうるさいと怒る弁慶(松平健)の姿が微笑ましい。
  • 奥州藤原家の三男・忠衡(ユキリュウイチ)は、歳が近いからか義経との仲が次第に深まっている様子。
  • そこに長男・国衡(長嶋一茂)が訪れる。義経を自分の屋敷に誘った。
  • この兄弟、泰衝(渡辺いっけい)の一件で心変わり?
  • 長男・国衡、邪険にした者を認める時の「照れくささ」が良い演技でした。
  • 藤原家の嫡子(跡取り)が次男なのはなぜ? 素朴な疑問を口にする三郎。これは第10話感想で言及しました。(※疑問の解釈は10話感想のコメント参考)


木曽義仲との出会い

  • 黒薔薇四人衆の雑談は、歴史観に無知な素人視点で話を砕いて説明しますね。分かりやすくて助かります。
  • 政子様ばりのじゃじゃ馬女が登場。
    • 後に公表されるであろう彼女の名は、巴御前小池栄子)です。
    • 今週はツンデレ姫(政子様)が出なかったので、政子様ファンは彼女に熱狂してください。
    • 矢の名手らしいです。
  • 女性が苦手な弁慶の一面が浮き彫りに。元は僧だもの…。でも、ホモっぽいストーカー行動を治さないとあらぬ誤解を受けそう。
  • 喜三太(伊藤淳史)と駿河次郎うじきつよし)は留守番でした。
    • 海賊が馬取りに魚焼きの指導!
    • 「海賊」カテゴリの利用法があんまりだ。
  • カニが村から栗をもらってくる。これは焼き栗になるそうで。オレは焼きカニの方を食べたい。
  • カニの話を耳にして、義経は従兄弟・木曾義仲小澤征悦)の存在に気付く。
  • なんて都合の良い気づき方。火サス並に強引な推理進行でした。


京の不穏

  • 天変地異が度重なり盗賊も増え、都の治安は悪化。人々は平家に不満を募らせた。
  • 朱雀の翁(梅津栄)は平家の無茶な処刑に反感。戦を仕掛けると宣言。
  • お徳(白石加代子)は清盛(渡哲也)と夜の密会。
    • 朱雀の翁の決断を密告
    • 都の落ちぶれ様は平家の所為だと主張
    • その原因は平家を束ねる清盛の所為だと言及
  • 清盛は強い権力を独占しすぎた。そのため周囲は身内も含めて清盛を恐れた。結果、誰も清盛へ真っ当に意見できなくなった。
    • その上で、先週の奥州・藤原秀衡高橋英樹)の決断(平家を恐れず義経の身柄を隠したこと)がいかにイレギュラーな行為だったか、効いてくるんですね。
    • 藤原秀衡の行為に対する頼朝のリアクションも効いてます。頼朝は時代が見えてますね。
  • 耳が遠くなった清盛には”耳役”が必要だと進言。
  • お徳は五足(北村有起哉)を耳役に抜擢。
  • 六足は義経のため、都の者のために渋々了承。
  • 清盛と五足が対面。五足の身の上が明らかに。朱雀の翁に拾われお徳に育てられた。
  • 「耳役ならば、わしの耳の側におるのがつとめじゃ」「俺が殺すとお思わなしまへんのか?」
  • 清盛に頭を下げる五足が熱い。主に以下二点を強く感じました。感動です。
    • 五足は本来自由人の気質 → 自由を縛られ従者になることを宣言した
    • 五足は孤児の乞食だった → 時の征服者の側近という大出世を果たした


驕る平家

  • 徳子は無事に男子出産。
  • 時子(松坂慶子)が先週漏らした「子が姫でも男子として育てる」ってのは伏線でもなかった訳ね。これ、時子ママの有名な古典台詞なのかな。
  • 平家の宴。今度はカメラ引きすぎで顔見えん…。誰が何を言ってたのか…。
  • 徳子出産後の、皆の身分が整理されたようです。
  • 「平家にあらずんば人に非ず」これを言ったのは誰? 自尊心の高い宗盛(鶴見辰吾)かな?
  • 重盛(勝村政信)はこの時から身体の具合が悪い。
  • 重盛は、自分の兄弟(?)である藤原成親(森源次郎)を父・清盛が殺めたことを知っていた。
  • その上で、父の決断はよかったと告げた。
  • 怒りや苦しみを内へ溜め込む清盛。
  • 重盛は清盛の代わりに「私が夜叉にも鬼にもなって矢面に立とうと」と決意していた。
  • 病は夜叉になった罰か、と悔やむ。ひたすら謝罪する清盛に、涙を流す重盛。
  • 親子愛がぐっときました。
  • おかっぱ五足に吹きました。
  • 六足が清盛の頭に刃を入れて血を採る。痛い痛い痛い!!
  • 泣いたり笑ったり痛かったり忙しいなオイ!
  • 宗盛の子・清宗(塩顕治)が初登場。演技が棒読みで初々しい。
  • これまで重盛の息子達に良いトコ取りされてきたが、重盛の亡き後は次男・宗盛の世だ! と意気込む。
  • 宗盛くん、今後は我が子こそが活躍できると喜んだ。
  • 重盛の喪中、宴を催した宗盛に時子ママはお怒り。
  • なぜ叱咤を受けたか解せない様子の宗盛くん。
  • 「やっぱり僕は愛されてない…」と自虐するのでしょうか。
  • こっちの親子の溝は、ますます深まるばかり。


平家と院の対立化

  • 朝廷の相次ぐ領地没収に清盛は反発。五千の兵を率いて西八条邸に上洛。
  • 徳子と息子・東宮言仁親王天皇の後継者)もそこに迎えた。
  • 法王は清盛の行動に更なる不信感を抱き、使者を仕向けた。「法王へ抱腹の心があるのでは」と追求。
  • 清盛は、法王に嘆きの様子が見受けられないのが遺憾だと反論。
  • 難しい言葉が乱出で、詳しい内容は掴めませんでした(勉強不足ですみません…)。
  • 要は「法王が以前、平家を倒そうと不穏な動向を見せたことに加えて、今回の件はなんだ!」と清盛は反発したんですね。法王は、力を持ちすぎた平家が怖くて怖くてしかたないってところか。


おまけの清盛サイド

  • 義経とその家来達も馬を使いこなせるようになってます。
  • カニは即興で作った歌を歌うのが大好きなキャラで固まってきました。そんなキャラ扱いってない…。
  • 平家の争乱については、まだ義経の耳まで届いていない。


ここ数話「ご都合主義」や「あらすじすっ飛ばし進行」が目立ちすぎ評価を下げてました。しかし、今週の義経は、ドラマ部分よかったです。要は、焦点に当たるものが「歴史全体」か「個人」かって問題なんですよね。

先週までの数話は「歴史」部分が焦点のメインとなったので、あらすじ重視の展開進行となった。今週は「人物」部分がメインにスポットを浴びたので、人と人とのつながり、友情、思惑、嫉妬、策略などが濃密に描かれた。その違いだと思うのです。

大河は「歴史ドラマ」と言えど、ドラマ内容として各々の人物達がどう生きたか、行動したか、何を残したか、どんな主義・主張を持ったか、そうした人間性を(例え史実通りとはいかずとも)描かないと、視聴者には「歴史的事実」以外の何も残らない気がします。「この時代こんなことがあったのかー、へえー」と勉強し納得するだけじゃつまらない。ドラマとして、各人物の生き様から印象に残るものが生まれればと、今後の「義経」に期待したいです。