366. 第34回 - インスピレーション

今週はドタバタコメディだという前情報を耳にしていたので、さほど抵抗もなく受け付けました。つね様の近藤粛正話をメインに、今週登場のほぼ全キャラがギャグで絡みましたね。生真面目に演じたキャラクタは近藤周平くらいじゃないかな。先週あそこまで泣かせて今週がこれでは、純山南ファンは不満が残りそうで心配です。

男性視聴者は、それどころじゃなかっただろうけど!近藤さんに感情移入したら冷や汗を垂れ流しだったろうけど!

コメディでまとめた割には、今後の展開を大きく左右する重要な下準備がこつこつ積まれていました。屯所の西本願寺移転、薩長同盟、伊藤派離脱と、近々起こりそうな大きな山場は多数存在。まだまだ楽しみなイベントは盛りだくさん。…笑顔で楽しめるかどうかは別として。

山南さんの死が結果的に坂本龍馬の世直しの原動力になったという流れは、このドラマならではのフィクションですよね。新選組を題材にしたドラマじゃなきゃ、まず絶対にこんな展開は起こらないわけです。なかなかトリッキーな脚本になっていますよね。

今話はしかし、つね様の勇粛正にまいりました。男なら、悪いコトしてないのに「ごめんなさい!ごめんなさいつね様!」って謝罪しちゃいますよね、本能的に。今回のつね様の恩赦って、現代風に言えば、

旦那が出張先で女を作ってて、その浮気女に対し奥さんが「私はあのとき何もできなかった、旦那がこっちに居る間はあなたにおまかせします」とお願いする

という展開で、こんな話はまずありえないですよ。つね様、あまりにも理解ありすぎ。理解ありすぎで怖さに磨きが掛かってます。いくら「京にいる間だけ」って約束しても、こんな約束はよけい男に都合のいい話になってるやん! まさに男の理想像・つね様。同時に男の恐怖像・つね様。理想と恐怖が表裏一体でした。