334. 第32回 - 山南脱走
小旅行から帰ってきました。帰ってきて一番に取り組むのが新選組!の感想…。完全にどっぷりはまってるよなぁ(書かないと33回が来てしまう!)。時期もずれちゃったので気持ちサクサクと書いていきます。
- 近藤勇(香取慎吾)
- 冒頭、土方をやり方を卑怯だと責め、殴ります。近藤局長の留守中に切腹を行ったのは新見に続きこれで二度目。今度のやりとりは、新見さん切腹のやりとりの時と比べ、組織の統率についてより具体的に述べられていました。人間関係を重視する近藤・山南思想を否定し、法度絶対の組織を目指す土方。新選組の今後を土方に一任したはずの近藤さん、まだまだ甘さが残っており覚悟が足りない模様です。ただ、「新選組!」の近藤勇に甘さが無くなったらそれは「新選組!」では無くなってしまいますね。近藤と土方のこうした場面のやりとりは、今後も一生平行線を辿ったまま完全合意はしないように思います。
松平様面会の部分については佐々木又三郎の項で。
面会から屯所に帰ってきて早速山南さんに声を掛けられます。あなたの思うようにやりなさい、と檄を飛ばす山南さんにはとてつもない死相。このシーン、山南さんが立場上&精神上ピンチになっていることを近藤局長は全く悟っていないのだと、再認識させられます。これでも山南さんの弱点が露呈しているんですよね。人間関係に疎いばかりに自分の弱みを見せられない、助けを求められない山南さん…。そんな山南さんだからこそ、組のトップであり信頼を寄せている近藤局長には、自分の弱さや脆さをひた隠ししたのかも? しかし、近藤さんの今度の鈍さにはあまりにも歯がゆい!
- 土方歳三(山本耕史)
- 人間関係を重視する近藤・山南思想を否定する土方。人間関係の組織=「甘さ」が通じる組織で日本一の組織を目指すには限界がある、そうした土方の考えは正解だと思います。前話・前前話で描かれていた「近藤・土方の両者にとって最も大切な人間」である沖田でさえ、法度を破れば切腹にする。局長が脱走しても法度にする。土方は私情と公務を完全に切り替えているので、とっても立派に見えました。
- 沖田総司(藤原竜也)
- 冒頭シーン「土方さんは永倉さんや佐之助さんに死んで欲しく無かったから、葛山さんに…」なんでこんなこと言うかなぁ総司は。命の重さを軽々しく口にして近藤さんをなだめられるわけもなく。
結局ひでにまで自分の病のことを打ち明けてしまったのは意外。今後もずっと隠し通すものだと期待していただけに残念。
一人稽古していたところ山南さんに声を掛けられ「頑張ってますよ」と言い返しちゃったり、今週の総司は全く気持ちに余裕がありません。命がけで近藤さんに付いていく覚悟は好印象。
- 山南敬助(堺雅人)
- 8月の主役。大河ドラマのタイトルを『山南敬助!』に変えた方が良いと思います。今週で多くの人間と関わり、ことごとく死亡フラグを立てていました。更には数々の色気場面、明里に怒鳴りつけ誠心誠意謝罪する山南さん、あのまま濡れ場直行かと思いましたよ、アブないアブない。
酒飲み相手がいないと漏らしていた山南さんが、最後の最後、永倉&原田と酒を酌み交わしながら本音を晒し…あの場面ぐっときちゃいました。脱走する最後の最後まで総司の面倒見ちゃうし、もう性格良すぎですっ!
今週の山南さんを見ていて思ったことを。先週の龍馬の夢語りを聞き、内輪揉めばかりの新選組に対する情熱は冷めたと思ったんですが。今週の山南さんは、新選組のために死すら覚悟しているご様子。確かにここで山南さんが切腹すれば、現在の人間関係中心な組織体制とは完全に決別できそうで、そうなれば土方への最後の餞にもなるわけで。もちろんそれらはオレの考えすぎなんですけどね。脱走で逃げ切れても、掴まり連れ戻されても、山南さんは自分の身の振り方を決めている感があって。万策考えてから行動しているところが、いかにも彼らしいです。なんとか明里を富士まで連れて行ってあげて欲しい。
- 伊東甲子太郎(谷原章介)
- イケメン参謀伊藤先生、早速その溢れる知才を発揮し、土方の推薦する西本願寺への本拠地移転をバックアップ。これで土方に恩を売ったつもりなのでしょうか。それにしても伊藤さん、誰が権力者で誰が蔑ろにされているか素早く判断し、誰に取り入ればよいのかをよく分かってます。武田を知的にした感じ? 性格は武田ほど下品ではないですけれど。土方には煙たがられているので、伊藤先生も内心むかむかしているはず。
伊藤先生が台頭した所為で平助がまったく表に出てこなくなりました。完全に伊藤派で囲われているご様子。平助の良いところを一緒に探そうって近藤先生と熱く約束した割に、そうしたシーンが全く描かれないのが気になります。8月は主人公が山南さんだから仕方ない?
- 坂本龍馬(江口洋介)
- 勝先生が抑えられ、計画はいきなり中折れしてしまいました。やる気を無くした坂本さんが痛々しい…。山南さんのセリフじゃないけれど、こういう坂本さんはぜんぜん坂本さんらしくなくて、悲しい気分になりました。
来週は「友の死」。番組終幕の「友の死 お楽しみに」って、お楽しめるかー!