063. 第19回 - 通夜の日に

実は、ドラマ「新選組!」を見る直前までCLANNADというPCゲームをやってまして。このゲームがもう、どうしようもなく泣けるお話でして。こっちは人体の穴という穴からいろいろな汁がだだ漏れ状態になっているのに、これでもか!これでもか!と、追い打ちをかけて泣かせてくるんです。もう泣いてます!泣いてますから!って言ってるのに聞く耳持ってくれないの。飲み込まれて貪り尽くされて干からびてるのに血の一滴まで持っていかれるぅ! ってところで8時になったので、急いで新選組! に切り替えました。その結果、ドラマ開始一分で……

嗚咽出して泣いた。

ああっもうっ! 涙が熱いぜっ! 鼻水がぐじょぐじょだぜ! 嗚咽っつーか悲鳴に近いぜッ! オレの汁を存分に吸ったティッシュ(嫌な物体が練金されました)が机の上に山盛り! おばあちゃーん!!(明らかにCLANNADのせいです。)

ではまじめ(?)に感想。

左之助関係。やはり泣かせどころは美味しく使う。ドラマ全体の流動性が早いので、たっぷり感動シーンを描けないものの、美味しいトコ取りで泣きネタを小出しする当たり小賢い演出。正向きに立て直したほうき、葬式シーンでの佐之助一人泣き、線香立てる時に普段とは正反対の寡黙な表情などなど。ところで佐之助の恋人役である甘味屋の娘・まさとも初対面? 会話がなかったので、期待しちゃった分がっかり。

魁さん関係。でっかい人間が家の柱におでこをぶつけるのはもはやお約束か。馬鹿でお人好しで豪快なんてステレオタイプなキャラ、そういや今まで出てこなかったのか。お坊さん背負いながら迷子で半泣きになってるとこ、この人の人間性が現れていて好感触です。こういう人は死なないで欲しいなぁ…。それと、名前変わりすぎだろ!

鴨梅カップルの総司いじめ。芹沢さんはアレだ、○○のために命を投げ打つ! だとか、△△のために仕事に生きる! なんて強烈な情熱は、若いうちに卒業しちゃった人だ。芹沢という人間の過去を調べてみないと何とも言えないけど、きっと数多くの修羅場を経験し、努力や情熱ではどうにもならないことを悟っちゃって、熱くなれないんだろうか。今じゃ自分の好きに、今日を楽しむために生きることしか考えてない破滅的な生活。熱意に枯れた芹沢さんには、総司のような「若くて強くて純粋で志が高くて世間知らず」という汚れ知らずな人間こそが最高のオモチャなのか。あるいは、これ以上ない嫉妬の対象なのか。そのどちらだとしても、はやく汚したくてうずうずしてる。今はその感情をなんとか抑え、どうすれば総司を”最もどす黒く染められるか”を思考中、というところか。今回の、総司が思いを寄せる女の前で嫉妬心を揺さぶる行為は、その煽りだったかな? 初めて人を斬るのは誰か→総司「芹沢さんだったりして」というやりとり、明らかに伏線では。白々しくて、むしろミスリード誘ってる?

斉藤関係。先週の殺陣は正直どうかと思ったけれど、今週は見違えるほどカッコイイ! 敵が多かったしチャンバラシーンも長かったからか、たっぷりと動けたのが幸いだったかも。おまけに刀を持たずに現れるところで緊張感倍増。こんなところで手負いになるとは正直思わないけど、「どうやって刀無しで切り抜けるんだ?」って緊迫感が出る。なんとか返り血を浴びずに済んだけど、雨でびしょびしょに濡れたらあんま意味ないよなぁ…。

近藤、土方、芹沢の三者談話。皆で同じ道を歩みたい近藤、芹沢を利用しながらも排除の機会を伺う土方、浪士組を利用してやりたい放題の道楽を貪る芹沢。それぞれの思惑が、この短時間に凝縮されている。もはや衝突は免れられないことを匂わせるには十分。さすが大河ドラマ、さすが三谷、時間の使い方が上手い。