1785. 世界に一冊(で発禁になった)だけの「けっこん!」本

大親友のムーさんが総指揮!

オシャレデザイナー夫妻の774さん&相方さんが製作!

この鉄板コンビの下、意外な人から案の定な人まで総勢28名の名立たる面々より、ご祝辞メッセージ&イラスト&コラム&マンガ&小説&写真&ペギーのキャラ弁を頂戴いたしました。28個分のオリジナリティが1冊だけの本に結集、凝縮、これを独占ッ! なにこのオナ禁効果…。

このサプライズ本をいただいたのは6月上旬でした。当時は(ノーヒントではないにしろ)結婚の話を誰にも打ち明けておらず、水面下で粛々と準備していたつもりでしたので、突然届いた小包を開けてこの本を開いた瞬間、「驚き」や「感動」よりも「してやられた」感が圧倒的でした。これが一人の個人プレイなら、まあちょっとしたサプライズで済むじゃないですか。ところがネット越しの友人たちにスクラムを組まれ(ニヤニヤされながら)、綿密な仕込みと計画性をもって(ニヤニヤされながら)、怒涛のケッコンオメデトウ責め(ニヤニヤされながら)ですよ。

うわぁ、素直に喜べない……。

この完全に見透かされてる感、もう辛抱たまらんのですよ。「秘密を明かさないギリギリの一線を踏み越えない部分で、でも明かしたいもどかしい気持ちを素直に明かさずに今の関係性を悶々と維持するフェチ」のオレですが、そんなオレの気持ちを手前方々はさもありなんと手玉に取って観察され続け、あまつさえ手のひらで玩ばれていたという話ですよ。恥ずかしい、くやしい、でも感じちゃう、びくびく! こんなエンターテイメントを魅せてくれたら、完敗の投了のヘブン状態ですよね、まったく。なんてこと仕出かしてくれるんだムーさんは。

声掛けを始めたのは4月頃からだったと伺いました。この記事の最後の一文が引き金になったようで、これがホントに単なる死亡フラグネタだったら企画に賛同した28人の皆様は途方に暮れるしかなかったですよね? 彼らへ逆サプライズを提供すべく、婚期を先延ばししようかと悪戯心すら芽生えますよね。

そのあたりの事情を伺ってみたら「仮に予想が外れてもどうせそのうち結婚するから、その時使いまわせばいいと思ってた」なんてシレっと言われまして。そんなムーさんがカッケー! と惚れ直した訳ですが、曖昧な憶測だけを頼りにここまでの手間暇かけておいて、なにしてはるんですか。

それでまたこの本がスゴイのなんのって!(もはや自慢話ばかりになってきた)

例えばページの色使いが、虹の色彩順に並んでいたり。レイアウトもデザインもクールでシック。イラストとテキストも適度に分散されて観賞しやすい。ちょっとした小物のアイコンや枠がいちいちキュート。774さん&相方さんの目的が途中から本を楽しく作ることにすり替わってたとしか思えないほど細部まで遊び心満載! 製作することへの生甲斐と情熱がこもっていて、品質へのプライドやこだわりも備わっていて、そこに十分な技術も備わっていて、「けっこん!」本への愛情がひしひしと伝わってきます。

内容の方も、これがもうね、見事なまでのまとまりのなさ。

でもだからこそ、一言では語り尽くせない感動力を秘めています。28人いたら28人が皆バラバラの視点からメッセージを発信していて、不必要なほどに濃すぎるオリジナリティを発揮してるんですよ。ところが各作品とも根底部分では「結婚をお祝いする」という共通テーマでしっかり繋がってます。それらが「一冊の本」という容物にキチンと収納・整理され、作品群が共存して連続性を帯びた途端、28という数値は加算ではなく乗算としての価値を発揮するんだと思います。

普段はWeb上でしか繋がりえない、無形の情報伝達でしかコミュニケートできないような脆弱な関係性ですが、こうして一つの目的で結集し、一つの形を成した本を改めて見ていますと「目に見えない友情とか絆とか繋がりってモノが結晶化した」とも思えてきます。この本を手にとって思わず泣けてきたのは、個々のメッセージに感動したとかはまた別次元にあたる「繋がりの視覚化」にあったのかなと、今になって実感しています。

ずっしりと重量感のあるこの本を手にとって、人の繋がりの重さを再確認できました。

惜しむらくはこの本、至る所に「Yukimiさん」「アイオライトさん」という名前が入ってる点。これは結婚式で飾れない…。火事になったら確実に持ち出すべき記念品であるにもかかわらず、この素敵な作品を誰にも紹介できないのが切にもったいないです。同じく夫婦共著作となった「週刊少年打ち切りジャンプ」も飾れない…(タイトル的にも不吉…)。気がつけば、お天道様の下ではお披露目できないモノばかり手元に集ってます。

この本に参加された皆様。前エントリでお祝いコメントを下さった皆様。スターを下さった皆様。ブクマを下さった皆様。直接アクションこそしないものの、温かく見守って下さった皆様。背中を後押しして応援下さった皆々様のお気持ちを大切に背負って、妻と二人で手を取り合い、家族としての新たな旅路を歩んでまいります。