1764. 週刊少年ジャンプ49号 - バクマン。 12ページ『10と2』

言ってる端から澤井啓夫先生が脱落するという生々しい現実。作中のドラマよりシビアな気がする…。

今話の要点

  • 編集長「君達の作品は面白くない」当分連載は無理と断言
  • 「面白ければいい 面白いモノは連載される」は川口たろうの最後の言葉
  • ジャンプの年間契約について解説(契約料・原稿料・戦力外通告
  • 川口太郎に引導を渡したのは編集長(当時・副編集長)だった
  • エイジと最高たちの最大の戦力差は「マンガをどれだけ愛しているか」
  • 新妻エイジは当分ジャンプで一番になれない
  • 次は赤マル掲載狙いでネームを作ることになる
  • 香耶が仕事場に訪問、亜豆の進学情報をリークする
  • 最高の王道な主人公ラフ、秋人の王道なネームは「普通すぎる」
  • 最高たちは反王道で大博打することに


ポイント考察 - エイジの王道、最高たちの反王道
先週のポイント考察で『最高とエイジの境遇対比』を話しました。そして今話、またしても従来「王道」として扱われてきた打倒ライバルマンガとは正反対の演出が入りました。

王道を進むエイジと、邪道を進む最高たち。

真っ当勝負して「ジャンプで一番人気を狙う」のがエイジなら、死角を突いて「良くも悪くも話題作を狙う」のが最高たちです。特に後者は、否応なく『DEATH NOTE』を連想させます。かつまた、王道を描かせるとすごく普通で面白くないって評価は、否応なく『BLUE DRAGON』を連想させます。なんというか…自虐色が強かったです。


ポイント考察 - 川口たろうとガモウひろし
自虐色で言うなら、今週語られた川口たろうのエピソードもそう。いちいちガモウひろし先生を連想して止みません。戦力外通告を受けて持ち込みから再出発したり、それを編集部の人間に煙たがられたり、「面白いモノは連載される」と希望を捨てなかったり…。読んでいて勝手にガモウ先生かわいそう! って気分になりました。

これがガモウ先生の体験談ベースに語られているなら、実際は原作者として成功したし、わくわくキッズブックでリベンジも果たせたのです。作中の川口たろうは不幸のままに死んだけど、本物のガモウひろし先生は再び幸運を掴んだと思うと、読んでいて勝手にガモウ先生よかったねー! って気分になりました。

マンガを通して作家に感情移入してしまうってのも、福満しげゆき先生のマンガみたいで妙な感じです。


ポイント考察 - 赤マルの締め切り
赤マルの締め切りは2月16日。その日程はおそらく高校受験の時期とバッティングします。

今までのように、勉強を捨ててマンガ一本に集中という手は使えないでしょう。秋人は受験勉強を捨てても合格確定ですが、最高は結構なピンチを迎えると思います。奇しくもマンガ原稿の追い込みは、絵描きの最高に負荷が高いですからね。赤マル原稿のスケジュールに注目。


ポイント考察 - 香耶の役割
第7話で予想した内容が、早くも実現しました。

  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手する

「秋人は香耶を使って」の流れは違いますが、香耶が自ずから進んで亜豆情報をリークしてくれました。おそらくは「高校進学以後」も最高たちは、香耶から亜豆の情報をもらうことになりそうです。


ポイント考察 - タレントの道

亜豆にタレントフラグ発生。高校生編に入ってからの、亜豆の波瀾万丈ぶりが楽しみで仕方ありません。

今でこそ「地味に可愛い中学生ポジション」ですが、化粧を覚え、着飾り方を覚え、女の魅せ方を覚えれば、グラビアでもタレントでも十分に生き残ることでしょう。「声優」って職業もタレントの一種ですもんね。今や声優は裏方の仕事ではなくなったので、いずれにしても見た目は重要です。

最高の不安は不運にも的中してしまい、亜豆はマガジンかサンデーあたりで水着グラビアを飾るのではないでしょうか。その際のカメラマンが、福山雅治さんバリにイケメンでねちっこくてエロスな人だと個人的にはすごく盛り上がるのですが。そうでもなくとも、カメラマンにはちょっかい出されてほしいよ。

グラビア話をもらった時は、亜豆には実力もなくて抗う権利さえもないハズです。これを断ると声優の道も断たれ、渋々承諾するしかないでしょうね。ですが、グラビアデビューをキッカケに大ブレイクしたら、その人気を逆手にとり、事務所に「声優一本でやりたい」と意思を通してくれる気がします。


ポイント考察 - アンケ2割で人気マンガ
読者10人のうち、確実に2人からアンケート票を獲得したら人気漫画になる法則、略して『10と2』。また、『今のジャンプの読者層は中高生』の真意は、アンケートハガキを出す中心層は中高生と読み替えてよいでしょう。

これを踏まえ、現連載陣のうち『確実に2人から支持されるマンガ』は何か。独断と偏見で、失礼を承知で予想してみます。

同人活動している中心層は中高大の女子学生。これは、アンケートハガキを出す中心層と一致しています。従って、圧倒的な同人人気を占める『家庭教師ヒットマンREBORN!』『D.Gray-man』『BLEACH』は、一般読者が考えている以上のアンケート評価があるとみてよさそうです。

長期連載を経て固定ファンが充実する『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『銀魂』『ONE PIECE』『NARUTO』『BLEACH』『アイシールド21』『HUNTER×HUNTER』『ピューと吹く!ジャガー』のアンケは安定していそうです。彼らが『10人のうち2人』のラインを割るとは考えられず、円満終了まで連載が続くとみて間違いありません。

新連載陣では『トリコ』『ぬらりひょんの孫』『バクマン。』が頭一つ抜き出ています。表紙、巻頭カラー、センターカラーを獲得するなど健闘し、アンケ争いの勝ち組といえます。とはいえ、『ダブルアーツ』の例もあるので気が抜けません。

新連載陣で逆に危険な位置にあるのが『チャゲチャ』『バリハケン』『アスクレピオス』。まあ、『チャゲチャ』は終わってしまいましたが…。『いぬまるだしっ』も編集部のプッシュが少なく、苦戦してるのでしょうか。

そうした最下層に守られ、かろうじて踏みとどまる『SKET DANCE』『PSYREN』『魔人探偵脳髪ネウロ』『ToLoveる』。ネウロToLoveるはアニメ化・ゲーム化も実績あり、無下には扱えません。境遇的にみて最も苦しいのは『PSYREN』か『SKET DANCE』です。

逆に、最近打ち切られたマンガ『ダブルアーツ』『勇者学*1』『サムライうさぎ』『初恋限定。』あたりを振り返ると、『10人のうち2人』のラインを割ったのか…などと、切なくなりますね。


今週のバクダン
「面白ければいい 面白いモノは連載される」→チャゲチャ』が8話で打ち切り。


次回予想
まだ終わってません…クリスマスイベント…。急展開が持ち味の大場先生なので、まさか三週間もクリスマスを言及させられるとは予想外でした。

次週は巻頭カラーでお目見え。巻頭掲載ともなれば、新規読者を獲得する絶好の機会です。バクマン。」の二本柱である「マンガ」と「恋愛」のどちらも半々で描かれると予想します。

「マンガ」サイドは、赤マルに向けてネーム作成とキャラクタ作成がスタート。二学期・期末テストというシーズンに、最高と秋人は別の意味で目のクマを作りそうです。「恋愛」サイドはいよいよクリスマスでしょう。せめてプレゼント交換だけでも! そのプレゼントが後々、お互いを勇気付けるアイテムになると思うんですよ。


残存するキーポイント

以下、これまでの感想で予想した内容をまとめてます。

  • [高][08-] 最高も秋人も挫折しない。「挫折しない不幸」を味わうことになる。
  • [高][12-] 美保は少年誌あたりで水着グラビアを飾り、ブレイクする。
  • [高][12-] グラビアのブレイクを逆手に取り、事務所へ声優路線の意向を強気に示す。
  • [中][06-] マンガ雑誌『少年スリー』は今後も何らかの形で再登場する。
  • [中][07-] 高校進学以後、秋人は香耶を使って「美保の情報」を入手する。
  • [中][09-] エイジと最高の評価に並び、エイジのプライドが傷つく。
  • [中][09-] エイジは最高のマンガを打ち切りに指名する。
  • [中][11-] 最高と美保のクリスマス! プレゼント選びで初恋限定。的な流れ。
  • [低][06-] 中学の同級生「石沢」は意外とプロになっちゃう。
  • [低][11-] 秋人と香耶のクリスマス! デート現場を岩瀬さんに目撃されて…。


これまでのバクマン。感想

*1:センターカラー終了なので打ち切りではなく円満と思います。