1760. 週刊少年ジャンプ - 47号

先週の関西オフ(「初オフ」の方)で、「初」に収録されてるジャンプすごろくを、ジャンプ感想界の錚々たるメンバーで楽しみました。その折、金銀パールさんが『巻末コメントで他作家(他プレイヤー)に話しかける』コマに止まり、「全感想してくださいよ、Yukimiさん」と声を掛けられたのが運の尽き。

割と強制力の働く発言に聞こえたので、今こうしてキーボードを敲いてます。べっ、別にパールさんの所為じゃないんだからな! オレが書きたかったから書いたんだぞ! むしろ、いいキッカケとモチベーションを作ってくださり、感謝しているほどです。この週末は彼女さんも休日仕事だったので、タイミング的にもバッチリでした。間男的な意味で。という書き方をするとジャンプと浮気してるみたいで切ない。

 
 表紙は家庭教師ヒットマンREBORN!。ツナの無線機「27イヤホン」は、こんな時くらい「47」とか「40」にアレンジしたらいいのにね。そしてよく見たら、眉毛のラインえらいことになってて、オレの眼がダメになってると思った。
JUMP CARDival
 ナルトの「ゼッ校長」さんが身に付けてるかぶり物、これ一張羅なんだろなあ。間違えて壊しちゃったら大変だろうなあ…。降板させられるんだろうなあ…。なーんて悪しき感情が沸き起こりしました。銀魂の「ギンタマン」カードだけ記念に欲しい。
 BREACHのカードなんですが、織姫が身に付けている下半身からキノコが生えてるみたいな衣装、カラーで表現されると余計にいやらしいですよ。ご丁寧にも「前から」と「後ろから」の両方を紹介してますし。クッ…、編集部はこのチョイス、絶対に計算してやがるぜ…。
 BLUE DRAGOINの「ドラムス」さんは、ここまで露骨にユーモラスな表現が出来ていると、ああ、プロの劇団の人か…と気持ちが萎えます。もっと素人を採用してちょうだいよ!(なにこの風俗嬢っぽいニーズ)
JUMPトレジャー新人漫画賞発表
 「全作品に言えることですが、内容に対してページ数が多すぎます」って。星野先生から直々にソレを述べられては、こりゃ一本取られたわい、ハハハ。 …笑うしかないよね、うん。
ジャンプボウル大会結果発表
 強力キャラを少数精鋭で集めたチームよりも、特徴的なキャラクタを多人数で集めたチームに分があったようです。ベスト8入りのチームは皆そんな構成。大亜門先生が初戦敗退するというアクシデントに笑。こんな突発的な形で太臓が本誌に載るなんて! 多分、太臓ファンの半数以上は気付かないまま終わると思うんですけど…。

健闘枠: バクマン。 SKET DANCE
特集枠: なし

リボーンの立体ホログラムとイクスバーナーのブラフを仕込み、まるまる一話使って、ようやっと幻騎士の一太刀を防ぎました。そう、もはやボンゴレ10代目をして、超直感をしても、攻撃に転じることもままならないのです。『巻頭カラー』で主人公の見せ場が描かれる、この圧倒的なホームゲームをしても、防御に専念するばかりです。一体どんだけ強いの幻騎士さん。このエピソードは全盛期のイチローなら…のガイドライン入りしてもいい程です。

白刃取りに成功したツナですが、この状態、この後どうするんですかね。

  • 白刃取りしたまま会話する。説得、交渉、情報を引き出す…など。
  • 白刃取り状態で『幻剣』を焼き溶かす。
  • 近距離攻撃向けの必殺技を放つ。(冷凍攻撃?)
  • 残念、それは私の幻さんだ!!

最後の案は、ナルトのサスケvsイタチ戦でお披露目した『これがほんとのイタチごっこバトル』の幻騎士バージョン。これをやられてしまうと、ツナの心が折れるより先に、読者の心が折れます。もう既に3回くらいボッキボキですけど…。

ナルトの修行がペインの襲撃に間に合う? という時系列に奇妙な感覚を覚えました。オレはてっきり、暁は「サスケの八尾狩り」「ペインの九尾狩り」を時系列的に同時攻略してると思ってたんですよ。ところが、実際の時系列はこうです。(多分)

  • ナルト:(1)修行に入る→(2)仙術の訓練→(3)仙術を会得→(4)戦線復帰
  • サスケ:(1)八尾と戦闘→(2)八尾と決着→(3)傷を癒し中→(4)次は雷影戦?
  • ペイン:(1)力をためる→(2)力をためる→(3)力をためる→(4)ヒャッハー!

ペインさんサボりすぎじゃないの。いいや、実際にはオレが誤読してるだけかもしれません。ペインさん達は木の葉襲撃ミッションの前に、別の仕事がありましたっけ? まさか木の葉まで移動するのに手こずったんですか。「移動に時間が掛かってナルトの修行を見過ごしました」て、現実の戦争ではありそうだけど、漫画展開としてはかなり情けない説明だと思う…。それなら仕方ないよね…、としか言えない。むしろ…

天道「木の葉の里が遠すぎる件ww助けて小南ww」
小南「移動中はモンハンでもやろーぜwうぇっww」
餓鬼道「ちょw充電するとこww3つしかないww」
人間道「うはwwww俺すでに電池切れそうww」

…とか言い合っててほしいくらいです。7人もいればパーティプレイには困らないよね。思考を発信器で情報共有できるから協力プレイは強そうだし、賑やかで楽しそうだ。旅先のゲームに盛り上がりすぎて翌日の予定が狂ったりするのも、旅行にはありがち! それが遅刻の言い訳でも納得感はあります。

先週号で修羅道が「機械」のような描写もあり、6体は人型兵器説が濃厚化。彼らはすべて「容れ物」で、そこにペインの意識(チャクラ?)を憑依させる感じなのかな。顔に刺さってる黒柱パーツも、「機械」を匂わす表現の一つだったのか。

真面目に予想しておくと、ペインが出遅れた理由は、自来也から負った傷を修繕していたのかな。傷の修理には、ナルトが仙術を会得する期間と同程度の時間が必要だったと。そう考えれば、自来也は良い仕事したなあと、ますます好感度アップです。あるいは、自来也の死体をも改造して7体目の「容れ物」を創っていたとか。師弟対決へ繋ぐには絶好のシチュエーションです。

BLEACHって、物語が進展してる時はすごく面白いけど、バトル展開に入ると途端にどうでもよくなるじゃないですか。例えば「東西南北4つの柱を守る戦い」って全部読み飛ばしてもまったく問題ありません。その一方、BLEACHを支えるメイン読者は、『各登場人物にスポットが当たってる回』にこそ熱狂的に楽しめてるんですよね。

そうしたBLEACHの特徴を、オレは端的に「オーディションマンガ」と提唱したいです。いわゆるモー娘。AKB48のようなアイドル商法と同じく、『BLEACH』というユニットなんですよ。そこにはたくさんのメンバー(構成員)がいて、メンバー個々にファンが付いてます。

檜佐木修兵や日番谷冬獅郎のような「稼ぎ頭」を出せばアンケートは跳ね上がり、男性読者向けに乱菊、夜一、砕蜂といった鉄板のフォローも怠りません。その合間に、従来目立たなかったキャラをクローズアップしたり、新キャラを猛プッシュして、ファン層拡大を狙うのです。この商業方式こそ、まさに「アイドルオーディション」。

何が当たるか分からないこのご時世、デブサイクな大前田をクローズアップするのも必然の流れだったのです。実際に大前田は、心の廃れきったオトナ読者の興味関心を一身に引き受けていると思うんですよ。久保先生は大前田をどこまで格好良く描けるのか? それが楽しみで仕方ないです。

先週号の扉絵なんて、街頭突撃クイズで「この中で敵キャラは誰でしょう?」を尋ねたら、大前田の票数が他を圧倒すると思うもん。オーディションの案配に関しては、ちゃっかり計算して描いてる節があるから、ホントすごいよ久保先生は。

* 4 トリコ (島袋光年
前話まで男だらけの作品だった本作に、まさか女の子が二人も初登場! うち一人はバトルウルフですが。一人というか一匹ですが。このバトルウルフがメスだと分かった途端、なんだか急に興奮してきましたよ。たいへんお上品で、お高くとまった態度で、世間知らずなお嬢様に見えてきて困ります。くそうっ、いっぱいなでなでしたいぜっ! まずは首輪プレイからお願いします、バトルウルフさん!!

バトルウルフが闘(バト)らない理由は、「アタシは肉食だけど、肉の種類にはこだわりたいグルメ肌なのよ!」(ツーン)って感じでどうですか。コロシアムの敵は、きっと「養殖産のお肉に興味はありません!」(ツーン)とか思ってるの。牝ウルフはとってもグルメだから『一番美味しい肉を狩ってきた雄ウルフと夫婦になる』習性があるとかね。いかにもトリコの世界観らしい予想と思うのですが、はたして。

こうまで大々的にバトルウルフを掘り下げたなら、いよいよ読み切り版を踏襲し、彼女はトリコに同行するのでしょう。先の予想を膨らませれば、彼女がトリコに恭順する理由も生まれますよね。トリコならきっと美味しい肉を貢いでくれますよ!

ああ、トリコにお肉をもらって尻尾をフリフリしまくるバトルウルフの姿をはやく見たいなあ。「ア、アタシがこんなお肉で満足すると思ったら大間違いよ!(///)」とか言いながら、ツンと立っていた耳が骨抜きになって、へにゃへにゃに垂れまくるの。冬コミバトルウルフ擬人化本がきっとくる!!

これで次週、バトルウルフが闘らない理由は「実は想像妊娠していて、身籠もってると闘らない習性がある」とかだったら凹むなあ…。いいや、それはそれで興奮しますけど。

土方と沖田に首輪装着とは、あざといにも程がある展開。この調子で色んなキャラに首輪を装着させると、むしろ突き抜けたギャグとして通用しそうです。連載初期の空知先生は「土方には尊敬と憧れがあってキャラを崩せない…」なーんて悩んでたのになあ。あの頃の空知先生が初々しいですよ。今や土方さんのカメックスが出血ですからね、三滴も。

さてこの展開ですが、冒頭から大きな違和感があります。そもそも、真撰組の二本柱・土方&沖田が同時に夜襲を受けて意識を失うなんて、非現実すぎます。現状の銀魂世界でそれを実現できる武力を誇るのは、攘夷派か春雨派くらいのモノでしょう。ですが主犯格は、そういった組織とは関与していないと宣言しました。つまり、きっかけが不自然なのです。

ここで一つ、最もらしい予想を立てるなら、この騒動はすべて沖田の仕込みという展開です。これなら「沖田が妙に落ち着いてる」「普段なら悪乗りするところで乗らない」「マジになるところでならない」理由も納得がいきます。読者側も、そろそろシリアスパートなんだろ? と勘ぐりを入れる時期。その読みを巧みにいなして、実は丸々ギャグパートというトリックプレイも悪くないと思うのです。むしろ読者を騙してください、空知先生!

でもまあ、沖田は普段から何考えてるか読めない奴だもんな。つか、土方さんの方も、沖田のことを信頼しなさすぎだよ。読んでてちょっと寂しい気持ちになったヨ。

Tamoさんもたまこ先生にお熱で嬉しいのだけと、オレもお姉さんキャラのたまこ先生が大好きだ!

姉属性」持ち自分には、たまこ先生が眩しすぎます。リアル年齢ではオレのが年上だけど、マンガ内ではいぬまるくんに感情移入しているので、彼視点から作品を楽しめばキチンとお姉さんキャラなのだ。ジャンプにも世間にも「お姉ちゃんマンガ」は圧倒的に枯渇しているので、 大石先生には今後も期待を寄せたい。

いぬまるだしっ』は、いぬまるくんのいたずらなギャグに笑うのではなく、 いぬまるくんのいたずらに慌てたり、困ったり、 その破天荒っぷりにもちょっと慣れてきて心が擦れてきたり…。そんな「たまこ先生のリアクションと心理変化」を楽しむマンガだと、断固思うのですよ。

今週は「裸でウンコ漏らしてるオブジェ」に怒り震えるたまこ先生が可愛くてたまらなかったです。頭をなでなでしてあげたい。

紆余曲折ありましたが、本来の展開に戻ってきて一安心しました。近頃のDグレは、バトルしてる時が一番安定してるって思えるんです。他のマンガは「バトルで間延びさせずに物語を進めてよ!」って不満が噴出する時も多いのに、Dグレは逆なの。不思議です。

Dグレのストーリーパートはゲージから逃げ出したハムスター並に危なっかしいと思います。放っておいたら簡単に見失うし。奇想天外な行動で煙に巻かれる時があるし。一度手放すとちゃんと捕まえられる自信がないワケ。だったらいっそゲージの中で、円いハシゴをくるくる回してくれる方(=バトル)が心地よい。なにぶんこのハムスター、寿命だけは確かな、絶倫ハムスターのようですからね…。

とりあえず対アクマ戦で2ヶ月は安定軌道に乗ってくれそう。せめてノアメンバーが介入してくれれば、もちっとテンション上がるんだけどなあ。今何やってるんだっけ、ノアの皆さん。千年伯爵と社交パーチーに忙しいんだっけ。(ジャンプファンとしてあるまじき発言)

* 8 チャゲチャ(澤井啓夫
今週は明確にボーボボ路線へと戻してきましたね。担当編集と相談の末にテコ入れでしょうか。初回や二話目は割と挑戦的な取り組みを繰り出し、そこそこ感心した箇所もあったのですが。ぶっちゃけ、相当ダメダメだったのかなあアンケート…。

結局ボーボボ路線でしかウケないなら、残る選択肢は澤井先生のギャグと相性の良いキャラを量産するしか、生き残りの道はありません。いえ、チャゲチャの生き残り云々ではなくて。澤井先生が今後もマンガ家として生き残れるかという話なんですけどね…。

今の澤井先生は、ギャグ漫画を100%のパワーでエネルギッシュに作ってる印象です。その「力みすぎてる感」が余計に笑えない状況を生み出してる気がするんですよ。『ギャグマンガ日和』とか『ジャガー』とか、明らかに手抜きがある(ように見える)し、そこが逆にファッションになってる=ギャグとして笑えるんですが。全盛期の澤井先生も、手抜き(のように見える)ファッションで笑いを量産していた作家先生だったのですが。

例えばチャゲチャは、背景をものすごく気遣ってます。単なるギャグマンガではなく、「作品」を作り込んでいるきらいがあるんですよ。すごく頑張っている片鱗は見られる一方、そこは読者に見せつけちゃダメだろうと思うんですよ。コメディアンが努力の姿を見せたら、純粋に笑えない気がします。無論、プロの芸人は物凄く頑張ってるけど、それ以上に「バカに振る舞う演技」が卓越してるわけで。

クリスマスボウル・クライマックス! セナvs大和はこれでひとまずの決着。大和が「抜かれた 完璧に」「ただ純粋な疾さに──」と完敗を認め、圧倒的な速さで完璧に抜かれちゃった大和くんでした。

このマンガでは総受けに見えるセナですが、実力上は完全に総攻めと確定した瞬間ですね。進も、陸も、筧も、阿含も、パンサーも、そして大和も、セナにボールを握られたまま一瞬で出し抜かれるのです。そりゃね、分身したり、フェイントがすごかったり、急にダイブしたり、バックまでしたり、早い上にテクがスゴイですからね。『テクニックで総攻めに君臨したキャラ』というも新機軸な気がします。

モン太の「ボールのバウンド軌道が見える能力」は、ライパクのシャイニングロードみたい。『経験則の科学』と述べていますが、実際にボールをどうバウンドさせるかは、稲垣先生のさじ加減で決まります。モン太をイレギュラーバウンド軌道上に配置し、そこにボールを飛ばせば、やはりそれは超人能力設定に違いないと思うんですよ。

この辺は捉え方の問題ですかね。例えば大学受験で過去五年間の出題傾向を頭に叩き込み、山を張って勉強して試験に挑んだら合格した…というのは超能力じゃないわけです。いやいや、でも問題を出題するのは稲垣先生なんだし、ソレが正解したらやっぱり超能力では…なにこのパラドックス。

* 10 ピューと吹く! ジャガーうすた京介
オープニングの言い訳がましい文章が強烈な出オチ臭を醸し出していてステキ。あと、イントネーションて大事だよね。どこを上げ下げするかで急に伝わったりするから不思議。中盤の地味な剣道対決は「これ確実にページ稼ぎだろ!」と読者に悟らせつつ、それさえも「いえ、これはサボってる演出なんですよ?」という笑いに繋げてしまうのがうすたワールド。

実のところホントにサボってるのに、これで笑かして金取れるんだから不思議。今回も色んな不思議を見つけたけど、すべての言い訳が「スーフォー」で片付いてしまう不思議。ギャグマンガ家って本当に不思議。


「豹変しない人間なんていねーんだよ」の回想に桂木母子…弥子は自覚あったのね。ローテンションな笹塚さんだから、豹変の顔は『ハイテンション』とか『超ローテンションすぎる』を思い描いたんですが、さすがに男前キャラは崩せないのね。見方によっては、笹塚さんが「笑う」なんて、ハイテンションにもほどがある?

笹塚の襲撃をあっさり許したシックス。しかしまったく危機感が見えません。シックスもまた、イレブンの細胞移植で人体強化してるから、この程度の襲撃に「死」を感じないという顕れでしょうか。でも、シックスが細胞移植してたらちょっと幻滅かな…。敵将だから強化して然りだけど、シックスは「100%彼自身の細胞」だからこそ「絶対王者のカリスマ」を感じるのですよ。

あるいはこの余裕、どこかにイレブンが潜んでいて、笹塚さんは逆王手状態なのかな。来週号、一番衝撃的な「絵」を想像したら、『弥子が応援に駆けつけたタイミングで笹塚さんがイレブンに討たれる』なんて幕引きもアリかなと思いました。

とはいえ、葛西戦、イレブン戦、シックス戦というクライマックス連戦を控えている現状。ここで笹塚さんがリタイヤするのは想像し難い…。シックスにケンカを売った笹塚さんが無傷で生還する展開も想像し難い…。二人とも物語的に背負うモノが大きく、ここで散るに散れないわけです。設定上の膠着状態というか。

笹塚さんはこの状況でタバコ吸ってる(ありえない!)から、大将の首を取るのは最終目的で、メインディッシュは「最初の怪盗X事件」の聴取をとりながら過去回想編に入ることなのかな。シックスだったらあっさりゲロってくれそうですけど。

ドバイで再度成功した両さんが、部長を誘ってリベンジを決起したのは意外です。両さんはゼニが関わると人でなし(檸檬は例外)と思っていただけに、このパターンは新しいですね。不覚にもジーンときました。

結果的には、部長はいい迷惑だったけど、実質的な被害は「時間の浪費」のみです。ですが、こち亀時間は無限大ですから、実質の被害はゼロ。部長は一つ経験が積めて喜ばしい結果だったといえそう。だから両さんを叱るに叱れず、空虚な脱け殻状態になってる心境もよく分かります。

ポスターレさんは女性説をここ掲げたいと思います。過去の事件で火傷を負い、醜悪な顔を恥じて仮面を身に付けるが、実は大した状態じゃない美女。すごくありがちな設定ですが、内水先生はベタベタな設定が好きだからやりかねない! そうなるとバズの親父・サグは、子供の目を盗んでポスターレさんと秘密の診察に励んでた予想まで浮かびます。夜のお医者さんごっこ、きたこれ!

既にジャンプ感想界隈では『切り裂き魔アスクレピオスを始末するには放置が確実』と名高いバズですが、今週も例に漏れず川へダイブしました。下手すると肋骨折って肺挫傷してたリスクもあるという。来週のパズはどんな死線をくぐるのか、楽しみになってまいりました。

眼鏡のレンズで開胸し、耳掛け部の金属棒で折れた骨を矯正するんでしょうか。だけど輸血用の血液や止糸、糸を止める針もないし麻酔もない。というか眼鏡って不潔だよね? いいのかな、そんな道具を使っても…。最後のページでローラ先生が目覚めそうだし、彼女が助手を務めて手術に入る展開でしょうか。

それにしても、バズ以上に不運続きなのがイアンくん。彼はなんら悪いコトしてないのに頬に巨大なコブを抱えて、見当違いの治療「串線法」で無駄に痛い思いをし、川にダイブしたら肋骨を折り、肺挫傷で死にかけ、今その窮地を救おうとするのは道具がぜんぜん足りない執刀医眼鏡がなくて視界がボヤけてる助手のタッグ。

やっぱり内水先生の『バッドエンダー』っぷりは筋金入りだ。(※バッドエンダー=バッドエンドの使い手。内水先生の連載漫画はいつもバッドエンドで終局する。読み切り「Forest」もバッドエンドだった。

先週号のハンターで、人間が一人も出てこなかった件を、関西オフで語る機会がありました。やはり皆さんも「楽しめたけどいまいち盛り上がりに欠けた」という印象を持った方が多かったです。これを踏まえて、次週の展開予想に移ったんです。

結論から言いますと、かような予想に行き着いました。

「常に読者思考の斜め上をゆくのが冨樫先生だ。来週も引き続き、読者の期待してないイカルゴ戦をじっくり描く」

まさかの的中きたこれ。

あれ? なんでだろう…? 的中したのにあんまり嬉しくないよ…。いやいや、すごく面白いし、ワクワクするし、濃いし、深いし、波乱の展開だから、不満を述べる点は見当たらないけどね。なんか悔しい。ぜんぜん期待してなかった内容だけで、冨樫先生の貴重な二話分の連載活動を削られて、なのに感じちゃう…ぶるぶる…悔しいっ! みたいな心境。


モラウvsシャウアプフは、下のコマが…

「やれるはずが…」(ドッ)

…高速虫型甲冑兵器・ゴッキーを新聞紙で撃退してるカットに見えるんですけど。いや、ゴッキーでかすぎでキモいけどね。あんだけ振りかぶって粉砕してくれるとかなり爽快。でも、後始末が大変そう…。

しっかしモラウさんも、幻騎士さんと同じくらい過労バトラーだよなあ。過剰に働いた分、きちんと組織に特別手当を請求してほしいよね。そういうキホンの蔑ろにするから、同僚や上司に舐められたりして、一人だけにどんどん仕事を積まれるんです。デキる人ほど仕事も多いの典型です。

確かに一人の英雄が居ればそれだけでも組織って回るけど、苦労を掛けられる英雄の方は、適切な対価をもらえないんだからね! そーゆーのが悪循環になって、巡り巡ってどっかで破綻を招くんだからね? これからの日本のために、だから少年達には「ただしくはたらくひと」の在るべき姿をみせしめていただきたい。モラウさんも幻騎士さんも各々、今のエピソードにケリがついたら、ハンター協会とかミルフィオーレファミリーにちゃんとボーナスをはずんでもらおう。

モラウ「俺 この戦いが終わったら 協会からボーナス弾んでもらうんだ…」

って、ああっ! ダメだこれ…。死亡フラグじゃないの。

こちらで先行感想しました。

こちらで先行感想しました。

* 17 ぬらりひょんの孫(椎橋寛)

体育館にはのべ十体もの妖怪が殺気立っているのに、やっぱり現場に清継くんは不在という状況が美味しすぎます。今後も清継くんは、たった一度も妖怪事件に遭遇できず、巻き込まれず、妖怪を一番探求してるのになぜか出会えない不遇なシチュエーションが構築されるのだろうと想像できます。

なにが面白いかって、この騒動は後ほど全部清継くんの仕込みと解釈されて終わるという。一番の当事者なのに、一番の部外者。くやしいのうくやしいのう。しかし、この作品は清継くんでまわってる! そう感じさせる奇妙なパワーを孕んでいます。

全校生徒の目前で「首だけ対決」。あまりの非現実な光景に、生徒達も「これは清継くんに一本取られたな、コイツめ!」的なノリで解釈されて事なきを得そうです。問題は妖怪の気を察知しているゆらちゃん。この騒ぎを本物の妖怪事件と知る彼女は、問題の当事者であるリクオを怪しむに違いありません。敷いては、リクオの周辺にいる側近達もマークされるかも…?

今後の四国戦も、ぬら組の幹部たちにスポットを当てた展開が続きそうですね。対決カードの予想でもしておきます。奴良組の手勢が一人少ないので、鴆兄さんあたりが助っ人にはいるのかな。

  • 手洗い鬼 vs 黒田坊 (怪力対決)
  • 鳳凰 vs つらら (炎と氷対決)
  • 夜雀 vs ???
  • 岸涯小僧 vs 河童 (水中対決)
  • 針女 vs 毛倡妓 (髪の毛対決)
  • 刑部 vs リクオ (大将対決)

* 18 (読み切り)モンスターズ(蔵人健吾・田坂亮)

原作の蔵人健吾先生は、なんと赤塚賞手塚賞を同時受賞し、20世紀から期待されていた超新星作家でした。ところが2003年の初連載『★SANTA!★』は大コケ。世間的にも酷評を受け、以降は日の目を見なかった伝説のジャンプ作家です。個人的には『★SANTA!★』に好感を持っていたので、蔵人先生の復活を超期待していたほどです。(打ちジャンでも似たようなこと書きました。

その蔵人先生が、第一回金未来杯の田坂亮先生とタッグを組んで再登場! とはいえ、蔵人先生の絵もコミカルライクで可愛らしく、捨てがたいセンスがあります。本作は田坂先生のグロ絵センスが生きた作品に仕上がっていますが、可能ならピン活動で帰ってきてほしいなと。確かに画力は田坂先生が一枚上手だけど、わざわざ田坂先生の絵でマンガを読みたいという気分にまではならなかったです。

さて本題。ページを捲ってみたら、なんと主人公の身体に口のモンスターが! なんという『★SANTA!★』リスペクト。未練じみたものをそこはかとなく感じました…。設定としては、序盤で提示された「二つの忠告」が肝でしたね。

  • 一つ目の忠告「人間がモンスターの世界に踏み入るな」
  • 二つ目の忠告「1つ目を死んでも守れ」

二つ目の忠告は「怪物臓器は死んだ人間にも移植できる」と読み取れます。このギミックを足掛かりに、今回の短編を構想したのかなと感じます。まあ、並のマンガ読みさんなら「忠告の引っかけ」も即時に見抜くし、そこからの「アンデッド的な展開」も予想できるレベルですよね。他に特質すべき凶悪な伏線もなく、「お話」自体は安易なところに着地しました。

さしずめ「お話」としての完成度よりも、「設定」のギミックに注力したキャラ主導マンガですので、この作品が受けるかどうかは登場人物の個性次第でしょうか。しっかし、あの蔵人先生でさえ戻ってきたんだから、西公平先生も、すぎたんも、集英社で元気にマンガ活動してそうだよね!(そう信じたい)

今週はリトの顔面騎乗がどこにも見当たらなかったので、「あれ? おかしいな…」と戸惑い、二周目も続けて読みました。キチンと確認したのに、やっぱり見つからなかったよ。蜜柑の顔面騎乗は最後の良心なのか。

* 20 PSYREN-サイレン-(岩代俊明
一つ謎が解き明かされたら、一つ新たな謎が生まれる。サイレンの謎解き方式は毎度このパターンを踏襲していると思います。対してジャンプの長期連載マンガを眺めると、彼らは一様に「今までの謎は謎のまま残しつつ、新たな謎を加える」方式なんですよね。

後者は謎が多いだけあって壮大に見え、長期連載を睨んだ『引っ張り上手』とも言えます。でもなーんか卑怯な印象も受けます。その点、岩代先生は実に潔い。いつでも腹を切る覚悟があるよね。武士の覚悟ってヤツですか。いつ打ち切り宣告を打たれても、その時点でベターなエンディングを調達してくれる気がするよ。

「そんな弱腰でどうする!」って意見もあるかもだけど。でもね、ダブルアーツみたく謎を丸投げして作品評価がガタ落ちするくらいなら、打算的でも「作品を締める心構えがある」サイレン方式のが好印象です。

さて本編は、「隕石落下により宇宙ウイルスが世界中に伝搬してPSIの能力が広まったよ説」から、「隕石じゃなくて宇宙人が襲撃したんだよ説」へと方向転換。彼らはなぜ地球に降り立ち、何を狙ってこの地に居座るのか。今回のサイレンゲームはひとまず決着し、次週以降は現代に戻って情報整理に入るのかな。というか、ぜひとも整理してほしい。

「隕石に付着していた宇宙生物云々」てのは『鴉マン』と設定が被ってた(多分誰もそんなこと覚えてないよね! 週刊少年打ち切りジャンプを読んでね!)んですが、これで汚名返上となりそうですね。よりにもよって『鴉マン』と被るのは恥ずかしすぎです…。

* 21 バリハケン(鈴木信也
連載初期にあった「派遣部」のコミカルなノリが大好きだったんですが、今週の内容は、それに類似する構成とテンポで、総じて楽しめました。バリハケンが面白い回は、一ページ目からその予兆を感じます。だってオチに繋がる前振りが露骨なんだもん。その露骨さが鈴木先生らしくてステキなんです。うすた先生の「手抜きネタが一周回って笑える状態」と同じで、お家芸と化してるワケですね。

やっぱり鈴木先生は「アタマを空っぽにして読む一話完結型のコメディ漫画」が、一番相性いいと思うんですよね。いわゆる「初期のリボーン」や「ToLoveる」の路線。短編ベースで個性的なキャラを投入して、ギャグで押せば活路はあると感じるんですよ。少なくとも澤井先生より未来は明るい! …なんていうと、すごく失礼ですが。

 

  • 岸本斉史先生
     岸本先生の弟子は頻繁にデビューするけど、なかなか大成しない…。
  • 久保帯人先生
     この調子で人気キャラを量産すればプレゼントだけで衣食住を賄えそう。
  • 松井優征先生
     腹わたの苦味って、ビールの強力版ですよね。ビール好きになればイケる!
  • 秋本治先生
     市販の砂時計を一度分解して、砂だけ入れ替えるとか…。
  • 大場つぐみ小畑健先生
     

id:BWSさん、ひとまずジャンプ感想更新おつかれさまでした。当方も似たような境遇の人間なので、休止されることにまったく不安はありません! またいつか、好きな時に好きなことだけ書いて、ひょっこり戻ってきてくださる日を心待ちにしております。今はごゆっくり休憩してくださいませ。