1646. 週刊少年ジャンプ - 18号

はいというわけでね、ジャンプ感想なんですが。

話は変わるんだけど、春といえば繁殖期、繁殖期といえばモンスターハンターですよ。PSP版に繁殖期はないけどね! そこは気分! 今CMやってるよね。今週のジャンプにも広告出てるよね。そのMHP2Gがね、超厄介。一度はじめると1時間や2時間はザル。100時間プレイヤーでもビギナー扱いという恐ろしい電脳空間でございます。

そこにどっぷり漬かって500時間やら1000時間やら使わされるもんだから。やろうとしていたアレやコレが台無しに…! 電源OFFで気軽にポーズ状態に入れるから、余計に手が伸びやすいんですよ。出勤まで若干の時間を持て余した合間に…とか。ゴハンを電子レンジで暖めてる合間に…とか。ジャンプ感想の合間に…とか。(合間!?)

だいたいね。100時間あったらジャンプ感想が8回は書けてますからね。それを700時間もね、無意味に注ぎ込んじゃってね。今回のMHP2G発売で、トータル1000時間はこれ軽くオーバーする見通しでね。それジャンプ感想に換算すると80回は書けてるって話ですよ。

というか、うわぁ! キモッ! ジャンプ感想コワァ! なに!? 1000時間で80回しか書けないのかジャンプ感想って!? ウワッ! コワァ! 一頻りセルフどっ引きしたところで本題です。

 
 表紙は両さんメインに全員大集合。新年度の大型入れ替えが落ち着き、ここで一旦引き締めました。絵の大きさ=連載地位という偏見で眺めると一味違う面白さが。特にハンターより前後の人々が微妙なバランス関係だ。最前列の陣営は軒並みアニメ化作品の中、ネウロの位置に過剰反応して杞憂したり。ジャガーさんは別の意味で安心したり(カラー仕事の負担が少なくてよかった!)。ダブルアーツだけ駒らしいものがなくて残念。
チームG59上!!
 んでまたモンハンの話、蒸し返しますが。こんだけジャンプを愛してるのに、まだジャンプ装備持ってません。オンのテオ強いんだもんなあ…。最後はXLink Kaiでベテランハンター諸兄の方々に頼るんだけども、できれば狩り友的な存在を見つけて遊びたいよ。しっかしこの文章、ジャンプ感想だけ読みに来た人は完全に暗号文かつ無駄だな!
マンガ脳の鍛え方(第3回)
 まあ前回のアレはね。『ムヒョロジファンの視点』からすれば、終わる前にレア情報が読めて嬉しかったと感じるのです。ただただ、編集サイドに感謝です。
 向こうさんは「打ち切りながら西先生を特集」する自覚があり、とすれば、ジャンプファン全体に混乱や不快感を煽ってしまう予見もあったはず。それでもなお、『ジャンプファン』より『ムヒョロジファン』を選択、言うなれば、浅い大より深い小を選択したんですよね。ムヒョロジを応援した者からすれば、その勇気、声を大にして評価したい。「あーあこの取材原稿、ボツにすんのもったいねぇなー。まいっか、載せちゃえ(やっつけ)」みたいな姿勢だったとしても、感謝したい。ありがとー!
 んで松井先生の特集も、また濃くて美味しい情報がいっぱい! 高校生から使ってたほげほげ、とかいう作家のルーツ探求ってロマンがあっていい。目をキラキラさせて読み耽ってしまう。あるよねこーゆーの、愛用品ってなかなか捨てられないんだ。オレもペギー描くときの『自作トレース台(総額1400円)』とか大事すぎて捨てられない。

健闘枠: なし
特集枠: 私立ポセイドン学園高等部

商才メインなら両さんが物語をリードする一方、今話みたく芸才メインじゃ、両さんは「ハプニングを招く役」の立ち回りを強いられますね。個人的には、前者で先端ビジネスにちょっかい出して成功を重ねて大失敗するテンプレートが好きなので、今回みたいなドタバタ系は苦手です。

36ページ、「ぼくのかんがえた○○」という小二病を緊急発症した一幕は、違和感が異常すぎます。きっと尺が足りなくて緊急に継ぎ足したんだろうけど。まるでアシスタントさん達のリレーマンガを読んでいるような奇妙な感覚を受けます。今回はここにに限らず、あちこちツギハギな印象を受けました。中盤以降の荒れた展開も煮え切れません。誤解を恐れずに言えば「ページ稼ぎのヤケクソな原稿」だなあと。唯一、蜜柑の落ち着いた言動と多才ぶりに和めてよかったです。

ところで記念すべき1550回は「記念」だからか、それとも「あえて」なのか、ともかく『部長とケンカ』の話でした。昔ながらのこち亀ファンにサービスなのかもしれないけども、そうした層へ本当にウケはいいのかなあ…。本当に本当に、こんな暗い気持ちばかり募る内容だったとしても?

生粋の技術肌だから、損得勘定より探求心を優先するスパナさん。分かりやすい性格だけど、グリッドデザインでいうところの960って数字くらい割り切れすぎてるキャラクタだと感じます。

三者視点(師匠や敵対者から)のアドバイスを通じて必殺技を完成型へもっていく進行は、ジャンプ展開的には熱いです。だけど最近つくづく思います。『機械で図ったように極端・明快なキャラ設定』は、途端リアリティを損ねてしまうなあと。(このマンガに限らず!)

今回、スパナさんはツナを「自分だけの知るところ」に捕らえました。ここで彼は、ツナを正一に報告するか否か、人間なら大小あれ葛藤するものです。正直に報告しない場合、組織への罪悪感や、(あるのか分かんないけど)これまで正一から受けた恩情への後ろめたさを引きずることでしょう。ツナとの会話中にも、彼をトレーニングして探求欲を満たすか、やはり正一へ通告するか、小さな葛藤と決断を度々繰り返すのがふつーです。ところがスパナさんからは葛藤しません。「生身」が見えず、これでは「人形」です。

人間ならふつーに備わってる感情の揺らぎ。その表現が「生身」を描写する手立ての一つです。要所要所の判断ポイントで、「心情のブレ」を投じれば生々しい人情劇に、キャラ設定重視で動かせば淡白な人形劇になります。もちろん物語の進展を急ぐなら、人形劇でスピーディに描くのはテクニックです。だけど、リボーンはキャラ設定にこだわるきらいがあって、初登場の敵キャラなんかは特に顕著。(とりあえず記号化した駒を動かしてみよう的なノリ)

本作が全体を通して、人間性が浅い印象を抱いてしまう正体ってのは、登場人物を記号化したラ設定の型にハメすぎた結果なのでは、と。今話のスパナさんを見ていて、そんな感想を持ちました。

ムーさんエッジさんで飲んだときに話してたデュバルの正体=「サンジの手配書」が、そのまま実体化。あの予想が出ちゃうと、これ以上にしっくり&面白展開はあり得ないもんなあ。サンジの四ページにまたいだ溜めツッコミに笑。「へんたい」に反応しまくるフランキーにも笑。真面目に戦ってるのに喜劇のような展開を描かせたら、尾田先生は本当に上手い。小ネタの積み重ねやピースの繋ぎ方がキレイです。

今後の展開予想。尾田先生なら当然、500話目で魚人島到達を狙うでしょう。今後の焦点は「デュバル+トビウオライダーズ」一味から離れ、彼らと結束していた「マクロ一味」と、その背後に存在する『魚人海賊団』との確執を描かれそうです。アーロンパークに続き、マクロ一味にまでちょっかいを出しては、魚人海賊団を束ねる王家七武海・ジンベエとの対決も必至になる、という筋道を予想します。

ところで、アーロンパークで印象に残ったのは「魚人の人間差別」でした。人間より何倍もの腕力や泳力を備えるアーロンパークの魚人たちは、人間を見下してました。魚人島に住む魚人たちは、どのような態度で人間を迎えるのか。差別意識を抱くのは海賊団だけ? トムさんのように気の良い魚人が多数派? 今後に期待を寄せています。

(補足1)デュバルとトビウオライダーズ
 よーく見ると分かるけど、デュバルとトビウオライダーズはいずれも人間です。一方、マクロ一味は魚人。ここまでデュバルがトビウオ&マクロを率いていたように”見せて”いますが、マクロ一味はデュバルと対等の様子です(敬語を使わない)。例えば、マクロ一味はデュバルに雇われた用心棒なのかな。
(補足2)マクロ一味
 過去の扉絵連載で、マクロ一味は魚人海賊団と紹介されました。デュバルは海賊でもなく、ましてや人間です(でしょう…)。ですので、デュバルの用心棒ないし、人攫いの同業者で気が合ったのか、なりゆきで共闘したと見るのが自然そうです。ハッちゃんに速攻負ける実力からするとずいぶん雑魚の様子ですが。この先は「麦わら来島」を海賊団上層に通告する役目を担うのでしょうね。

* 4 NARUTO
トビが「時空間忍術」を披露し、トビ=オビト(カカシの左目の持ち主)説も、いよいよ核心に迫ったかな。オビトはカカシと共に、四代目(時空間忍術の使い手)の生徒でした。トビ=オビトなら、時空間忍術は四代目からのコピー技でしょう。今週ラスト、カカシ先生の半端ないリアクションも深読みさせます。写輪眼だから驚いたという読者の誤読を誘い、その実、「トビの正体に気が付いた」様に見えなくもありません。……ところで、同時にデイダラの自爆から逃れたのも時空間忍術だったのか。

写輪眼といえば、イタチがサスケに向けた「お前が開眼すれば俺を含め万華鏡写輪眼を扱う者は三人」発言も気になってました。今週、トビがゼツに「なんてね… 思った通りだ…」と本音を見せた場面、ストレートに読めば、一人はトビってことかなあ。少なくとも、トビもイタチをよく知ってる様子です。

この作品って「二重人格」「心臓四つ」「尻獣の宿主」「不死」などなど、割となんでもアリなんですよね。トビの性格の豹変も、べつに演じてた訳じゃなくて、そっち側の設定って解釈の方が辻褄が合いそうだなあ。例えば『トビ=オビト+α』で、むしろαの方が本領だったりして。そんな広い解釈で保留にしておかないと、オビト説なんてマトモに説明つかないし。αは順当に考えて、うちはマダラかな。この筋書きなら、ナルトとサスケが再び絡む必要性も生まれそうです。

順当に連載順位を上げて、ブラックプレートも獲得。作中よりも外向きの印象を向上させたコトが、今シリーズ最大の収穫でしたね。今年度はアニメ化を狙わないと、ミスフルやムヒョロジの中途半端な保留路線に終わってしまいそうです。更なる飛躍を期待したい作品。

しっかし、ブラックプレート編はどこを切ってもべた褒めしたくなります。魔法物質の説明は、くどさで敬遠される不安が過ぎりましたが…。結果的には、九澄の挑戦が全面に押し出されて、解説の回の印象が薄れ、ほどよいバランスになりました。失敗を乗り越えての大成功に至る逆転プロセスも、これぞジャンプの三本柱と呼ぶに相応しい友情・努力・勝利。キレイだったなあ。

そして追い打ちのルーシー消滅にほろり。先週の消え方は意味深だったもんね。それだけに、試験合格後の九澄には「カッコイイ」を突き抜けていきました。なんていいやつだ!

* 6 BLEACH
ブリーチがワンピみたいになってるぅ! 章の始まりと終わりはものすごい盛り上がる独特の現象だ…! とりあえず戦闘で話数稼ぎしなければ、構成はキッチリ練られてるんでしょうね。この辺が長期連載の強みか。安定した長期連載なら、4〜5年先の連載内容を構想しても無駄じゃないから、編集サイドからゴーサイン出そうですし。長期連載陣はどこもアシスタント部隊が強そうだし、作家先生がどっしりネームや構想を練られる点もあるのかも。

「空座町の複製」と住人達が流魂街に遷っても、破面メンバーや父親世代は、ニセ空座町に残ってるだろなあと妄想してたら、ズシリ重いのがきましたよ。破面の人たちは(全員?)元死神という線で決まりそう。

この時代だと夜一は現役(死神的な意味で)で、砕蜂も現役(百合的な意味で)なんですよね(よね?)。その絡みはもちろん、浦原と他面子の絡みも見てみたいなあ。この過去編を読み終わる頃には、ブリーチのイメージが180度変わってしまってると嬉しいなあ。

「三番隊長にローズが入ったばっかしやのに…」

【ろーず】ここだけ打順を「隊長」付けで呼ぶスレ【くろまて】(12)

本当は初代ファミスタには”ろーず”という選手は居ないけど、イメージ重視で使ってます。

* 7 ダブル・アーツ
今週がエルーのお風呂の話だったってことは、次回はいよいよキリのお風呂の回ですね! 果たして着替えの最中、キリがバランスを崩していきり立った棒状のアーツがエリーに接触っ!(棒状のアーツごと打ち切られます)

キリ「お、おい…あんたこそ、のっ……覗くなよな…(ぽちゃん)」
エルー「の、ののっ、覗かないわよぉ…!」
キリ「うあっ! へ、変なところ触んなよ!(ぽちゃん)」
エルー「しし、仕方ないでしょ! 見えないけど繋がってなきゃダメなんだからぁ!」

みたいな展開も逆に見たかったですね(ぽちゃん)。キリの入浴中だけ水音が生々しく響き、それを逐一耳にするエリーは、やがてキリに添えた自分の手を、腕へ、肩へ、そのまま割れた胸板と腹筋を経て、下半身の錐状のアーツへ(錐状のアーツごと打ち切られます)

それにしても錐…キリは紳士すぎる青年で何よりでした。画力もあるので多数読者には残念だったかもしれませんが、結局エリーの横乳は読者の眼中に入ったので問題ありませんよね! でもこれ、一昔前のジャンプ系主人公なら、キリは絶対にエロガキだったろうね。平成男子を限りなく忠実にトレースし、エロシチュエーションで手出しできないヘタレ男子、奥手男子が主人公像に選ばれるのも、ちょっと切ない…。

まあ、ホントはヘタレでも奥手でもアッーツでもなく、今のエリーを無意味に刺激したくない、キリの気配りなんでしょう。でも、これはこれでちょっと、青少年らしくないなあ。もっとムラムラしてもいいんだぞ! 近藤さんみたいに! あと、本当に「刺激したくない気遣い」でこういう態度なら、しばらく旅を進めて二人が仲良しになってくると、すごくマズいことが起こりそうだ、初恋限定。的な意味で。

あとは、キリがお風呂で我慢したり、一緒のベッドで寝ながらも我慢したり、セルフバーニング的なアーツ弄りを我慢したりと、これから先の旅が思い遣られます。エリーさんは、せめてアーツ弄りくらい手伝ってあげてもいいと思うぞ! いやせめて、アーツ弄りに精を出してる方の手と逆の方で手を繋いで、一緒にティッシュを構えるくらいはしても! いやいやせめて、錐状のアーツから発射されるアートの絵の具が手に掛かっても、それはそれでダブルアーツ的な感じがしてすごく良いいから、エリーさんはちょっとくらい我慢して打ち切られますね。確実に。

茶化してますけど、今週の話は胸にじんときました。安定連載は確定でしょう。トロイもガゼルもキリの力の謎も、これから始まる様々なドラマもラブも、じっくり腰を据えて読んでいきたい作品です。

* 8 銀魂
掴みの回は、たいてい大爆笑できるのですが…。事態が収束に向かうほど(人情オチを狙えば狙うほど)尻つぼみテンションになっちゃう典型パターンに、そろそろウンザリしてきました…。困ったことに外れの時も「まあ、今回の話はまあいいや。次で笑えれば!」みたく甘やかして見逃してたんだけど(オレは空知先生のオカンか!)。やっぱりもう、人情モノでヒートダウンするのは、空知先生の『弱点』以外のなにものでもないよなあ。

しかもアニメになると、これが不思議と泣ける話に昇華されてて驚くんです。マンガじゃウンザリしちゃうのに、アニメじゃ目頭が熱くなるなんて…。多分今週の話も、これアニメだったら泣けてくると思うんですよね。ケッコーいい話ですし、制作側が読者側に伝えたいメッセージ性も強いですから。でも逆に、他の作品では「マンガじゃ泣けたがアニメじゃ泣けず」ってパターンもありまして。結局、アニメもマンガも、その根底にあるのは『見せ方』でなのかもしれません。空知先生は人情モノの『見せ方レベル』が、読者を泣かせる粋に達してないのでは…と。

それでも度々、人情モノを描かれますので、いつか上手くなるだろうと様子見してる読者は多いんじゃないかなあと思うんですよ。しかし、これはもう完全主観な意見でしかないですけど、なかなか芽が出ないんですよねぇ…。ジャンプSQ.の読み切りも今イチでしたし、時に、煮詰まった感やらグダグダ感やらが、読者側へ伝わってくることすらあります。もう一踏ん張りしていただきたいところ。

* 9 私立ポセイドン学園高等部
『爆笑妖怪めらりにょん』が大ファンなジャンプ読者はオレだけ!(ジャンプ宣伝風に)

自信をもって言えます。人類唯一、『爆笑妖怪めらりにょん』のファンです。あ、自信をもって言えるってのは、めらりにょんのファンが世界に一人だけって方ね。めらりにょんのファンを名乗るとはなんて恥ずかしいヒトだ! とかそーゆーニュアンスじゃなくて。まじで、まじで。

入江先生が読み切り時代に描いた『爆笑妖怪めらりにょん』も特集記事で感想したくらいです。そりゃもう、入江先生の連載を心待ちにしましたよ(全WJファンに大迷惑な願望)。連載開始後も、めらりにょんのシリーズだけ10回読み返してます。「どうして、めらりにょんで連載しなかったんだ!」と憤ったこともありました。長期連載すれば、リボーンみたいにギャグ路線→バトル路線への転向も考えられたのに。爆笑妖怪めらりにょんは実は火の精霊(重大なネタバレ)で、じょびじょばんは実は水の精霊(重大なネタバレ)であるという伏線から、バトル展開へスムーズに移行できたというのに…!!(真顔で)

この間から「ぬらりひょんの孫」の連載が始まり「やべえ! 妖怪モノが被った!」と緊張感を高めた人間は、人類60億人からぐぐっても、オレと入江先生くらいのものでしょう。しかもタイトルまで被ってます。そしてそして、やっとの想いで、今週こそは感想できたというのに! 今週だけめらりにょんが出てないってどういうことですかー! ああっ…なんというすれちがい通信…ッ!!!

あ、めらりにょんの面白いところですか? いやそんな、どこが面白いところなのかを説明して「なんと、それは面白いぞ!」とかいう奴、オレ見たことないですよ。まあ、伝えなきゃ感想にならんよね。めらりにょん最大の売りはズバリ、作風が面白くないところですね。おっと待ちな! オレの頭はイカれてねぇぜ? まあ聞けよ。いいからもう、聞いてからどっ引け!

爆笑妖怪めらりにょんはその名の通り、取り憑いた人間を、時と場所を選ばずに爆笑させるという恐ろしい妖怪です。めらりにょんは毎回、主人公である青年に取り憑いては、あれこれと芸を仕込んで爆笑を誘います。ですが、入江先生の作風が面白くないので笑えません。ここに、読者と主人公の心情がありえないくらいシンクロ(感情移入)するのです。途轍もなくハイなレベルで感情移入した読者。そして静寂の中へ訪れる、笑えないことがむしろ主人公の成功に繋がるというオチ…。

入江先生が「自分の作風は笑えない」という現実を逆手に取った、まさに逆転の発想! コペルニクス的転回! それを奇跡と人は呼ぶッ!

テラみたいなギャグパートにも使える個性の強い人物は、亡くしてしまうのが惜しい存在でした。絶対悪の従者としてネウロと敵対する以上、今後登場することになる新しい血族の人たちも、例外なく死んで(殺して)しまうのでしょう。元々「探偵モノで殺人も起こる」という下地があるから、ネウロでキャラが死ぬことに抵抗はありません。ただただ惜しい、その一言に尽きます。

今回でネウロの魔力は実質底を尽きました。残る敵は三人+シックス。次回も三度ネウロが前線へ躍り出るとは考えづらいですね。下手な展開予想ですが、先週ネウロが宣言した通り、今度は人類が新しい血族と戦うことになるかな。「既存キャラの人類」もなかなかの粒揃いだから、「適材適所」を守って「人類の進化」を垣間見せれば、例え新しい血族相手でも、いい線いきそうです。それからもう一人、忘れちゃいけない第三勢力・彼女の存在。サイはやられっぱなしじゃ無いはずだ! 記憶を戻したのかさえも不明だけど、紆余曲折を経て、ダークヒーロー的な振る舞いに超期待。

シックスのしもべは「火」「水」「土」ときましたが、次の”五本指”は「木」「金」のどちらかな? 「木」なら風を操るってことで、飛行機事故を絡めたりかなあ…。うーん、規模が小さい。「金」なら雷か、ストレートにお金かな。シックスもまた、人間とネウロのその出方を見越し、次は二人同時投入…なんてことがあるかも。片方は囮用で人間に差し向け、もう一方が本命のネウロ狙いとか。弥子がネウロを守る場面とか見てみたい…けど、それをやったら最終回だよなあ。

まさか幕間パートの回に当たるとは…。これといって評することもないし気になる点を言及する程度にします。

まず気になることは、ヒル魔の父親伏線。骨折したからといって会いに来るような親じゃないだろうけど。…というか、どんな父親か想像もつかないけど。願わくば、帝黒学園の監督やらコーチってオチは止めていただきたいかな。ヒル魔とアメフトの出会いは、偶然が生んだギャンブル(運命?)的な出会いであってほしい。そこに血のつながりが絡んでくると、ヒル魔の背景を、チープな作り物のように感じてしまいそう。

それからもう一点は、メンバーの士気に関して。今まで作中でしきりに「クリスマスボールへ行こう!」とばかり宣言していたことから、別に優勝しなくても…という気の緩みがありそうなのです。これについては先週、関東校で優勝を目指すなんて誰も言えなかった的な説明はありましたけど。漫画作品なんで、本気で作中選手達のメンタルを心配するのも馬鹿げているのですが、これがリアルな話だったら、絶対に隙ができちゃいますよね。

アメフトの女性プレイヤーがアリかナシかはさておき、動向が楽しみです。サイン求められたのは彼女の方だった訳ね。

* 12 PSYREN-サイレン-
新キャラ投入とタイミングと見せ方が絶妙で、毎週ぐいぐい引き込まれています。「学園のトラブルバスター黒歴史」やら「スーパークール&アナーキー略してアナリスク、なぜなら毎週切なそうに我慢してる表情だったから)」の冒頭数週分は、目眩がするほど危なっかしかったのですが。朧の服の昭和センス(タンクトップに学ランッ!)もまた、目眩がするほど危なっかしかったのですが。現在は凄まじい量の魅力が溢れ出てますね。

今回の敵は、昔見た洋画の設定そのものでした(タイトルど忘れ)。砂漠に息づく巨大ミミズと激闘する映画なんですが、やっぱり足音に反応して獲物に食らいつく。だから高いところに避難するんだけど、様々な手を尽くして事態の脱出を試みるのでした。あの映画、最後はどうやって脱出(というか退治)したんだっけかなあ。爆薬や車を利用して、無人で音を移動させて陽動に使ったんだっけかな。岩代先生は今回の話、その映画を元にしてると思いますので、本作ではサイを応用して収拾をはかるのか、お手並み拝見ですね。

最後に登場した人間(?)も交え、三つ巴となるのか。彼も巨大ワームとグルなのか。毎週、続きが気になる終わり方で応えられませんね!

* 13 バリハケ
リーゼントのままの方がこの作品の『汗臭さ』『男臭さ』に合ってたと思うのですが、残念ながらイケメン化。ただ、この「獄堂竜次リスペクトヘアー」が今週だけのネタフリだったとしたら、バリハケンはギャグ漫画として本物じゃないかと思います。今週の感想がどうこうより、次週の団吾の髪型に注目だ!

ボーボボの澤井先生が突発的噴火型ギャグとすれば、鈴木先生は安定加速型ギャグ。バリハケンは、毎ページでだいたい笑えるという安定感が嬉しいです。今回も暴力夫→結婚式割り込み→葬式乱入→暴力団殴り込みと、レベルアップの度に笑いが加速する作りは上手かったし、声を上げて笑えました。何がいいのかなって、少し立ち戻って考えてみたとき、テンポのよさかなと考えました。一つのコントが間延びせず、1〜2ページで区切られています。ちょっと笑えなくても次のページですぐに挽回できるし、天丼ネタも仕込めるしで、計算して作られているなと感心しきり。

決めセリフの悲痛な雄叫び「ビイイイッチィィィ」も、持ちネタとして板に付いてきたのが大変好感触です。部活派遣マンガと言いながらその実、毎週いろいろな女の子に悲惨な振られ方をする、新感覚の非モテマンガで決まりですか。

「汝はタカヤか? レベルEか?」そう問われれば、恥じるかのように「これは…To Loveる…っ…です……!」としか言えません。無人島編以来の長編になりそうですが、展開が厳しくなったら新キャラ投入でお色気という手札が大量にある以上、今回もネタに苦しまずやりたい放題にやってくれそうですね。そうはいいつつ、オトすところはゆるーくオトしてくるケジメの付いたマンガなので、不安材料はありません。いやまあ、存在そのものが不安な素材なのかもしれませんけど…。

今回のRPGモノは、また長谷見先生がご乱心したのか分からないですが、それを軽々とアシスト&リターンボールしちゃうから侮れませんよね。悪い意味で狂ってる(悪すぎる!)というか、良い意味で本能に素直(ダメすぎる!)というか。「ストイックでない、厳しい制約も設定もない、脳に筋肉があるとすれば翌日筋肉痛にならないレベルE」的なイメージで楽しむことにしたいです。でも、今回も2分で読み終わりました…。

当面の楽しみはキョーコとヤミの再会ですが、対面してもあまり掘り下げずに終了だろなあ。

ここまでの四話、常に新キャラを紹介しては、着実に世界を広げていますね。今後展開されるであろうデカイ物語の「種まき」を思わせ、否応なくワクワクします。屋敷生活、学園生活、勢力争い、陰陽の対峙…どこから開拓しても地盤は厚いです。一つに拘らず、あちこち箸をつけて他のエピソードと絡めていくもよし。一つをメインに描き、他をオカズにするもよし。人気が低迷して路線変更を余儀なくされても、路頭に迷わず腰の落ち着く素材が一通り揃ってますよね。

ジャンルでいうなら、バトルもできるしコメディもできる。その気になれば恋愛だって、お色気だって。たった四話にして、新人作家でこの安定感は強烈だよなあ。あえて気がかりな点を言うと、椎橋先生はいったい何漫画が描きたいのかと疑問になるところか。ここまでの万能漫画だと、なんでもできるし、なんでもやってるから、逆に何をやりたいのか分からないという贅沢な課題が…。いや、既にメインで進めていく展開は構想済みだろうし、だからこそ毎話・新キャラ投入なんでしょうけれど。

妖怪たちを人間世界から隔離せんと立ち回る人間・リクオと、妖怪たちを束ねて闇の王にならんと行動を開始した妖怪・リクオ。『両者は話し合えない』『両者は相手方の記憶を共有できない』などの制約があると、途端に面白くなりそうですよね。両方ともリクオなのに、他方の考えや行動を一切読めないという。一人で人生に迷子。新ジャンル・完全自己完結心理戦!

「ピクシー見つけなくても勝てた」ことに関する弁解は一切ないまま、フツーに負けフラグが立ってて、フツーに読み間違いして、ボッスン負けました。ええー。ふぅ…………。(ファンだからこそのため息)

「ずるい!!! ずるいぞチクショウ!!! なんでピクシーばっかり!!! [G風] と [G月] にはあんな非道い事したくせに!!」

長期間の集中モードでカードの全把握に至り、あれほど勝利にこだわったボッスン。安形の切り札 [G花] の反撃に [G風]+[G月] 二枚出しで上がりとせず、まさかのピクシー宣言…。ボッスン「何でも…お前の思い通りにいくと思うなよ」というセリフは、無様にも自分自身に降り注いでの惜負。

いやーてっきり、安形がフォローして「勝負には勝ったが試合には(略)」とか、『相手が出したピクシーを見逃してもペナルティ』なる裏ルールが実はあったんだぜ!とかとか、どうにかフォローすると思ったんですけど…。何もないってことは、最悪、歴史の改竄が行われるのですか! コミックスで修正なのですか篠原神サマ!


  読者は……
                        いいよね
     冷静でいられて
                   関係
         ないから
                             」

ボッスンは [G風] と [G月] の二枚出しで上がれると思ったが(コミックス修正後は)別にそんなことはなかったぜ! というわけで、愛しすぎただけに裏切られたときの傷が大きいのはムヒョロジ時代で思い知っていたハズなんだが、痛いものはやっぱり痛かったのでした。いやまあ、8割はネタで書いてますので、来週からも引き続き、一緒に応援していきたい作品です。

それで結局、安形のウソを見抜く能力は、種もなければ能力でもない、『IQ160が成せる直感』というオチでよろしいのかなあ。篠原先生としては、安形のキャラ付けを「普段はへらへらした頼りないリーダーだけど、一度動けば誰よりも万能で天才」ポジションに配置したかったんだろうなあ。先週までの嫌味は今週で解消できたかもだけど、最終戦はなんとも煮え切れない幕切れになってしまった印象です。

最終回みたいなエピローグも、ボッスンの決意と涙も、存在がウンコも、安形にフォローされて部に復帰できたシーンも、やっぱり、煮え切れない感情が先立って、さっぱり体内に浸透してこなかったです。ああこんなことなら、カード勝負は細かく読み込まなきゃよかった……。

(補足)うお、愚痴ばっかりだ…。なんとかは犬も食わないのに。

憎き仇敵ピトーを倒すためだけに、どれほどの時間を費やし、労を負い、身の危険を晒しながら、怒りと恨みを募らせて、今ピトーの前に立っているのか。読者は胸が苦しくなるほど、理解できてるんですよね。だからこそ、ゴンが拳のふるい先を見失い、『どうしようもない』状況に苦しむ。ピトーに対するピークに達した憎悪エネルギーを、自己解決する他ないゴン。

……これはもう、読者を交えたリアルファイトですね。読者も一緒に苦しむしかない。読者も一緒に想像するしかない。読者も一緒に考えることしかできない…という。今のゴンにかけるベストな言葉は? もしも自分がゴンの立場なら? この状況で、どうやってゴンをコントロールする? ゴンが抱く負のエネルギーはどれほどのもの? すべてにおいて、取って代わって体感することはできません。読者は、紙面の外側で、ただただ想像して、考えて、共感して、ページをめくって読むしかなくって、歯がゆい。

こんな気持ちさせられながら、漫画を読むことなんて、人生でそうそう味わえない経験だと思います。同時に、不思議な気分でもあります。誰より純粋で真っ直ぐという、それこそ『漫画の中のにしかいないだろ』と思える人物設定のゴン。生々しい人間性を表現するに距離感があったゴンで、ここまでつらく、重く、えげつない気持ちになるなんてなあ。むしろギャップの力がプラスに働いての効果なのかなあ。

ユピーの前で一時間待機を宣言したゴン。この状況に、キルアは動くに動けないだろなあ。心情的には、イカルゴを助けに行きたくてうずうずしそうだけど。

ハンターのあとにこの軽っるい空気で口直しできたのは、順番的に嬉しかったです。ヘタするとハンターの次ってまっしろで、頭に内容が入ってこないんだけど、こんくらいハジけるとインパクト強くて、気持ちをリセットできました。

先週に引き続き、非常に好感を持てた展開でした。つまり先生は混ざらずに、生徒だけで、部屋の一室で、ぐーたらと怠けながら、ダメ人間全壊で雑談してるのがベストだわ。新キャラの円さんが、良い意味で期待を裏切ってくれて和んだ。お父さんのモノマネはガチでセフセフだろ!(そんな自分がキモイ) 盾のびっくりなファッションセンスがワンポイントでオチにされてるのが好み。今回の話の転がし方は、ちょっとテンションが高い時のうすた先生が描いたジャガーさん、みたいな。ポスト・うすた先生は麻生先生、てのは褒めすぎかな。

次回も先生サイドがあんまり出てこないとうれしいなあ…。

勝負に負けためぐるは、ショックな気持ちを堪えきれずに敗走しました。しばらく時間をおいて、冷静に自分を見つめ直したとき、一番大きな理由はなにだったか、立ち返ることになるのでしょうか。格下に思っていた菜の花に負けたからか。武居先輩の「速いのが好きだなー」という言葉に答えられなかったからか。

恋愛漫画なのだから、順当にいけば武居先輩の理由で決定でしょうけれど、個人的にその筋書きはイヤだなと感じます。胸が大きいから水泳を止めただけで、めぐるは未だ、水泳そのものが好きなはず。その大好きなスポーツに負けたのだから、単純に『水泳で負けたことが一番のショック』であってほしいと期待しています。恋愛感情は二の次。まずは自信の回復につとめ、その展開の中で「水泳が恥ずかしいという気持ちは薄れる」という展開だと嬉しいです。

リナリーのイノセンス復活からアレンとのコンボ攻撃炸裂まで、一連のバトルシーケンスに燃えた! Dグレでこんなに熱くなれたのも久々でした。救いのない厳しい展開が続いた分、暗い気持ちが一気に発散できたからかも。今週みたいなバトルを、もっとアップテンポで刻んでいただければ…とかいう期待を抱いてしまうけど、この漫画は、そういうジャンルじゃないんですよねえ。

「寄生型」のイノセンスが、適合者の身体を心配(?)して「装備型」へ変化する現象ってダークブーツが初めてなんでしょうか。既存の装備型は寄生型から派生したものではなく、人工技術の産物だったような記憶があるんだけども。逆に装備型が寄生型に変異しても面白いですよね。今回の件でますます気になりました、やはりイノセンスは感情や魂(命?)を持ってるんでしょうかね。

「しな菜」「ななな丸」と、次々新たな「なな菜グッズ」が登場したのは微笑ましかったです。バトル明けの息抜きとして十分機能できていますね。一方、志乃の同情を誘う一連のエピソードは、なんとも言い難い微妙なシチュエーションだ。敵からの怪しい薬を簡単に受け取ってもらえると考えた志乃や千代吉の方が、甘い見通しをしていたとしか…。厳しいようだけど、逆の立場を考えるとどうしてもなあ。

現連載陣のラインナップを見ると、どうしてもサムライうさぎは厳しい境遇を受けてしまうのか。うーん、他に打ち切る作品が…見当たらないような気もするし…。修行編を経てバトル展開になった途端、人気が下がるというジャンプマンガも珍しいですね。サムライうさぎはこの方向を期待されていなかったかな? 作品的には優等生なのに人気が下落する例は、今まで幾度と見てきたから心配。切法師とか。

テーマ的には、巨大組織への下克上を描くより、「夫婦の純愛」「道場興し」「小説風マンガ(新境地)」あたりの元鞘路線に戻した方が、人気は伸びるように思えたのですが。しかし作者の意向とあらば、ここは信じて耐えたいところ。

* ピューと吹く! ジャガー
うーん、今週はかなり失速気味というか。読んでいて盛り上がるポイントが見つからず、最後までダラッと行ってしまいました。10万円が本当に当たってたのは笑えましたが、笑わせるシーンが遅すぎたのでは…。うすた先生、今週は気分がノらなかったのかなあ?



ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」のフィナーレ感想、きりのいいとこで切り上げてエントリします。リンクとかメールとかコメントとか、どうもありがとうございました。